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発達障害児を持つ母親には人生がなくなるのか問題

 「発達障害児を持つ母親には、人生がなくなる」こういうような事は、以前から何度も言われている。私も、概ね、同意。
 と言うか。
 発達障害児を良心的に育てようとすると、その母親は自分が人生行路を選ぶ自由がなくなる、という事だと思う。
 なので、発達障害児がいても、子育てを外注したり、放任する人は、自身の人生を自分の好きに生きられる。
 一方、発達障害児を良心的に育てようとすると、その母親が選択可能な人生行路は、「子供をサポートして一生暮らす」という道以外にない。自分の好きなようには生きられなくなる。

 私自身は、自分のこの人生(息子をサポートして生きる人生)に、さすがに満足はしていないまでも、さほど不幸とは思っていない。私のような自分勝手で軽率な人間が、自分の好きなように生きてきたとしたら、今のような人生岐路に、いられたとは思えないからだ。好き勝手して自滅していた気がする。

 息子という大きな枷があったせいで、必死になって自分を殺して生きてきた。家族の信頼を得、社会にも適合している今の自分の立ち位置は、わりと良いかもと思っている。なので、さほど不幸とは思っていないのだ。

 人間生きていれば、運が良い時も悪い時もある。私の場合、障害児を産んでしまったという不運はあったものの、それ以外わりと運がいい。お金にも健康にも人間関係にも恵まれている。
 障害児を産んだ事で、私の持つ不運の量をマックス使い切れた気がするのだ。真実かどうかは不明だが、こう考える事が、私の中で一定の安心感に繋がっている。

 障害児を産んでしまった事は大きな不運だが、障害児親にもそれなりに人生は存在する、と私は思う。自分の思い通りに生きられる人生はなくなる。でも、辛くはない程度には、生きていけるかな、と思っている。

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