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地球全体で不安がコロコロと渦を巻く昨今だけど、ちょっと先の想像をしてみよう。ふたたび日常に余裕ができはじめ、満足できなくなってきた、とするよ。今このNoteを読んでいるあなたは、新たな目標を設定して、なんらか努力を始めるようなタイプではないだろうか?

このNoteでは「大きな成果を目指す時、どうすればいいのか?」をコーチングの手法に沿って説明してゆく。スポーツ指導を例にとるけど、普遍性は高い。

「成果」の分解

めざす「成果」が大きすぎる場合、まずは「能力」へと分解しよう。

成果 ≦ 目標達成能力

いきなり成果に飛びつきたい方もいるかもだが、きっとあなたはそうではなくて、時間をかけて能力を高めようとするだろう。(ややこしい僕のNoteを読んでるくらいだから)

成果は「目標達成能力の範囲内」でしか得られない(得られないことだってある)。できるのは、必要な能力を見定め、分解し、個々に高めて、「目標達成確率」を上げることだけだ。成果はその先にある。(かもしれない)

逆にいえば、大きすぎる成果でも、必要な能力要素を見定めることができれば、意外と達成できるかもしれない。僕が40前後で経験したトライアスロンアマチュア王者というタイトルもそんな産物だった。

「能力」はいろいろな視点から分解できる。ここで説明するのは、エネルギーをプラスとマイナスに二極分解する手法だ。

目標達成能力 = 潜在能力 ー 妨害物

となる。たとえばトライアスロン的なスポーツ動作なら、

・潜在能力=パワー(筋力や全身連動スキル)、持久力
・妨害物=動作の無駄(推進力につながらない筋力、水や空気の抵抗)

と分解できる。

「努力」の罠

マジメな人ほど「能力向上」に偏りがち。プラスのエネルギーだけを重ねようとする。「改善策」が積み上げられて疲弊し、効率を落としている本末転倒な職場の話はよく聞く。●●とか。スポーツなら、やたらハアハアしたがる、心拍数と消費カロリー数を上げ、ランニングなら走行距離を、筋トレなら重量や回数を増やしたがる。

こんなプラス偏重の弊害とは、初期には伸びやすいが、レベルが上がるほど成長に壁を作ること。「妨害物のマイナス」というもう一方の極を忘れているからだ。これが努力の罠。

たぶん、わかりやすいからだろう。「がんばる、苦しさに耐える、数を増やす」のは、やり方が明確で迷いなくできる。「がんばってる感」もある。

一方で妨害物は、突き止めるのは簡単ではない。がんばってる感もない。

「思考」の妨害物

とりわけ盲点になるのは「思考レベルの妨害物」だ。自分自身の思考の限界を見つけるのは難しい。でも当たれば大きな効果がある。体力は有限だけど、思考は無限だから。

たとえばラグビー日本代表2015年までのヘッドコーチ(=監督)、エディー・ジョーンズは「日本人はフィジカルでは勝負できない」という従来の思い込みを覆した。これが妨害の除去。そしてフィジカル勝負できるプレイヤーを代表候補に選び、徹底的に筋力を鍛えさせた。思考の妨害を除去したことで、フィジカルという潜在能力を大きく高めることができた。このレベルアップがあって、2019年の日本代表の成果がある。

市民マラソンなどで見るのは、後半の落ち込み、いわゆる「撃沈」に対する反応だ。「走り込み不足」と捉える方が多いようで、「メンタルが弱い」も同時発症しがち。

実際には、多くの場合でペース配分ミスであり、対策はむしろスピード強化によって走力のキャパを拡げることで解決できることも多いと思う。(少なくとも僕はこのアプローチでアイアンマン226km初挑戦一発勝負をまあまあ成功させることができた)

僕自身のトライアスロンでは、「長距離=練習量と苦痛の積み上げ」みたいな考えを開始時点で捨てられたことが大きく効いた。これにより「動作の質」という潜在能力向上に集中でき、そこに大きな成長余地があった

なにかに伸び悩む時には、

「自分には、どんな思い込みが取り付いているのか?」

を考えてみるといい。すぐに答は出なくても、アンテナを張っていればそのうち見つかるものもあるから。

指導者の中の妨害物

そんな思い込みの1つに、「指導者は、選手に対して、正解を与えるべきである」という考えがあると思う。先日のオンライン講座(4/17非常事態キャンセルのを代替開催しました)でも、参加の指導者さんから、「未経験の競技を指導していて、アドバイスに自信を持てない」という声が上がった。この裏にも、この思い込みがあるかもしれない。

指導者は、基本スキルについては確実に教え、習得させるのは大事な仕事。その上で選手個々に的確なアドバイスを提供できるのは、もちろん良いことだ。

ただ、レベルが上がるほど、選手本人が自ら探り出してゆく領域は増えてゆくと思う。指導者のアドバイスが「オプション」となった時に、「自分の頭で考えるアスリート」が育ってゆく。

とはいえ、やみくもに考えさせても、とくに中高生くらいまでは、まともな答は返ってこないものだろう。そのための方法論がある。

そこで質問:

どうすれば、アスリート自身が考えるようになるのか?
あなたのどんな言動が、アスリート自ら考えることを、妨げているのか?

※ここではスポーツ指導を例にとっているけど、上司部下、等々でも同じことです
※考える力の低そうな低年齢の子供も含めて言ってます

「考えるアスリート」を作る質問術

この続きを書くと、今回のテーマから外れてゆくし、今ここで私が正解めいたことを書いてしまうと、多くの人はそれ以上に考えなくなってしまうだろう。ちょっと考えてみよう。続きは次回に。

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