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小室訪問記 1・2月の食材「猪・天然虎河豚・焼き筍など」


その時々に味わう食材で季節の訪れを感じる。そんな大人になりたいな、と思う今日この頃です。

神楽坂の閑静な住宅街にひっそりと佇む「懐石 小室」は、五感で楽しむ“季節を感じる食体験”を、こころゆくまで存分堪能できる場所。そんな場所で、今月も旬食材を味わっていきましょう。

1~2月の旬食材「猪・天然虎河豚・焼き筍など

1月から2月にかけていただく食材は、盛りだくさん! 「 猪」「 クエ(アラ)」「オコゼ」「天然トラフグ白子」「白子曼荼羅(まんだら)の材料たち(柚子・鮑(あわび)・雲子・ゆり根・三つ葉)」そして、「焼き筍」。もう春はすぐそこ、と言わんばかりの待ち遠しくなるようなラインナップに心躍ります。

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先附「松葉蟹とゆり根のかるかん蒸し」

コースのスタートは、「かるかん蒸し」。鹿児島の郷土料理でもちもちっとした蒸しパンのような食感が特徴のかるかん。そこに、松葉蟹やゆり根などたっぷりの具を合わせて蒸しあげます。とろっとかかっているのは国産バターの餡かけ。冷えたからだをホッとさせてくれる一品です。

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前菜「花鯛宝舟盛り」

船のように見立た鯛の器に、縁起の良さそうなお料理が盛り付けられていて、まさに宝舟…! お正月シーズンにぴったりです。

数の子や黒豆田作り、菜の花昆布〆、叩き牛蒡、穴子昆布巻き、赤飯小丸、身巻唐墨、蕗の薹(ふきのとう)、巻海老…、数えきれない程のラインナップですが、そのひとつひとつが丁寧に創り上げられています。この盛り付けも、まさに職人技。ついつい、日本酒を飲む手が止まらなくなる…。

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煮物椀「車海老糝薯(しんじょ)の澄し仕立て」

もっちりとした食感の糝薯(しんじょ)の中には大きな車海老がたっぷりと入っていて存在感抜群。お正月らしく焼餅や珍味の姫撥子(ひめばちこ)、芽蕪と松葉柚子が彩りを添えて。

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お造り「天然虎河豚 焼霜薄造り」

虎河豚の皮目は軽く炙ってあるので香ばしく、身はぷりっと噛めば噛むほどに旨味が広がります。ちり酢にさっとくぐらせ、コリコリ食感を楽しみます。

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焼肴「鮃龍飛焼・下仁田葱・筍付け焼・雲子曼陀羅(くもこまんだら)」

続くのは、焼物が4品。1品目は、鮃龍飛焼(ひらめりゅうひやき)。しっとりとした鮃をちびちびつまみながら飲む日本酒がたまらない…!

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2品目は、下仁田葱に高級珍味の“このこ”と“このわた”を合わせてじっくり焼き上げた、シンプルな一品。みずみずしい葱はほのかに甘く、2つの珍味が旨味をプラス。

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3品目は旬食材の「筍付け焼」。出汁の旨味がたっぷりと浸みた筍は、炭火で割り下を塗りながら丁寧に火を通していきます。その様子をカウンターから眺めているだけで、早く食べたい…!と気持ちが高まってきます。

焼きあがった筍はシャキッとジューシーで、肉汁ならぬ、筍汁が口の中にあふれてきます。ほくっと柔らかく、素材そのものを味わう至福。

筍にも雄と雌があるんですよ。

と、美味しい筍を選ぶポイントを交えながら、小室さんとの会話も楽しみのひとつ。こうしたひとつひとつの会話が料理をより一層美味しく感じさせてくれるんですね。

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4品目。筍を堪能した後、現れたのはグツグツの小鍋「雲子曼陀羅(くもこまんだら)」。その中で光輝くのは唐墨(からすみ)です。

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さらに唐墨(からすみ)の下には、雲丹、鮑(あわび)、焼き椎茸など豪華食材を贅沢に使った、日本酒泥棒の一品。

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まだまだ、これで驚くことなかれ。食べ進めていくと、たっぷりの白子が隠れているというサプライズ! クリーミーで濃厚な白子は、唐墨(からすみ)や雲丹にも負けない旨味。高級食材を組み合わせると、味のバランスが崩れてしまいそうですが、絶妙バランスに仕上げるのが小室さんの技。

ひとつひとつの具材を食べてもよし、全部一緒に食るとさらに美味しい。さすが、の一言!

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揚物「河豚のアラ唐揚げ」

河豚のアラは唐揚げ。薄付きの衣はカラッとサクサク、身はふっくらジューシーで味が濃いんです。

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酢の物「細魚(さより)昆布〆」

揚物の後は、酢の物でさっぱりと。淡泊な味わいの細魚(さより)は昆布〆には、コリッと弾力のある平貝に、しっとりした口当たりの氷魚(さより)を添えて。ほんのり苦みのある花山葵のジュレが、全体をキリっと引き締めます。

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小鍋「猪と京根菜の味噌仕立て」

食事の最後には、旬食材の猪を使った小鍋が登場。柔らかく煮込まれた猪肉に、堀川牛蒡や聖護院大根、金時人参などの根菜類に加え、海老芋や九条葱など具だくさん!

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猪肉は優しい口当たりでほろっと崩れる柔らかさ。お肉の脂まで甘くて、からだの芯からポカポカと温まってくる感覚。

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優しい味噌の味は、白いご飯との相性も抜群。なんだかホッとします…!

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水菓子「三宝柑(さんぽうかん)ゼリー」

くりぬいた三宝柑の中には、三宝柑のゼリーとルビーグレープフルーツ。フタの部分をキュッと絞れば、三宝柑を余すことなく味わえます。口の中が一瞬で爽やかに。

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菓子「蕎麦掻きの小豆餡掛け」

コースの最後は和菓子です。ふわもちの蕎麦掻きに、風味豊かな小豆餡をたっぷりと。添えてある大粒の丹波栗はほっくり旨味をコクがあり、存在感抜群。

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中々外食しづらい時期ではありますが、新しい食体験や出会いの一期一会を叶えてくれる「小室」さんに感謝。こんな時だからこそ、しっかり対策をしつつ、大切なひと時を過ごしたいですね。

このマガジンでは毎月「懐石 小室」で味わえる四季折々の素材や料理をご紹介していきます。次回は3月です。春の訪れを感じる旬食材を楽しみに!

懐石 小室

〒162-0827 新宿区若宮町35-4
Tel (03)3235-3332
[営業時間] 12:00~13:00 18:00~20:00
[定 休 日]日曜日・祝日
https://kaiseki-komuro.jp/


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