来年はFC東京ポジショナル元年。読書録『新戦術レポート2021 ポジショナルプレーはなぜ必要か』
見出し画像

来年はFC東京ポジショナル元年。読書録『新戦術レポート2021 ポジショナルプレーはなぜ必要か』

中村慎太郎 旅とサッカーを紡ぐOWL magazine


エルゴラッソから発売された本書。ぼくが知ったのは、編集の北健一郎さんのツイートから。


北健一郎さんは、ぼくがサッカーメディアを志していた頃のスターライターの一人で、著作多数ながら段々と経営側へとシフトしていき大成功している方。

ぼくの70歩くらい先を歩いていますが、一度だけ一緒に11人制のサッカーをやったことがあって、その時3−4−3の左サイドというややこしい位置取りながらも、うまくかみ合わせることができたのが良い思い出になっている。

確か「ザッケローニがブラジル大会で3−4−3を試すかもしれないから予習しよう」みたいな理由だったのを思い出す。

当時は3−4−3といわれても、攻守共に難しそうなフォーメーションという印象しかなかった。4−4−2か3−5−2しかやったことがなかったから。それも随分偏った話なのだが。

そして、時は経つ。8年も。ザッケローニはブラジルで砕かれ、アギーレは去り、ハリルホジッチも途中退場となり、西野ジャパンがあったことはみんな忘れ去り、森保一監督が国民のヘイトを集めている。

サッカーと共に生きてきた8年間はとても充実していた。この生き方は間違いない。

それはさておき、Jリーグ。ぼくが応援するFC東京は来年からアルベル・プッチ・オルトネダ監督になる。

これまでは長谷川健太監督による古き良き堅実なサッカーが行われていたのだが、ついにポジショナルプレーが導入されるのだ。

ポジショナルというのは、ざっくりいうと、「ポジション取りの決め事」がはっきりしていること。ボールがどこそこにある時は、他の選手がどこに位置どるのかが決まっている。

チェスや将棋に喩えられることが多いように、サッカーのピッチを「盤面」のように考えるプレースタイルである。

実は、ポジショナルプレーについては、ちゃんと学んでこなかった。どうせFC東京はやっていないし、ヨーロッパのサッカーを深夜に見て分析するほどの情熱はないし。

でも、来年からFC東京もポジショナルになるようだ。

Jリーグでポジショナルといえば、川崎フロンターレであるが……。気付くと、随分とポジショナルを導入したチームが増えていたらしい。

川崎フロンターレ(1位)
横浜F・マリノス(2位)
ヴィッセル神戸(3位)
浦和レッズ(6位)
サガン鳥栖(7位)
ヴォルティス徳島(17位)
大分トリニータ(18位)


『新戦術レポート2021 ポジショナルプレーはなぜ必要か』
によると、徳島と大分は低迷したものの、戦力の揃っている上位陣はポジショナルを導入している傾向があるとのこと。

ポジショナルプレーといわれるとしっくりこないものの、要するにバスケットボールでいう「普通のオフェンス」のことである。そう考えると、それほど難しいものではないのだが、3Pラインがわざわざ引いてあるのでポジションどりがしやすいバスケとは異なり、拾い芝生のピッチには線が引かれていない。

だから「線を自分でイメージする」ことが重要になる。具体的にいうと「5レーン」と言われる線で、ピックを縦に5つに割る。戦術分析とPerfumeの専門家である五百蔵容さんと一緒に試合をみていると、常に線をイメージされているのがわかる。

どのレーンに選手が入って、どのレーンへとボールを出すかを意識してみるのがポジショナルプレーの見方である。

という理屈はわかるのだが、詳しく考えるのが面倒で面倒で……。サッカーなんかお気楽に見て、アダイウトンが爆走して無双するところを見れたらそれでいいじゃないか!!

などというのがぼくの本音であった。

が、来年からはFC東京もポジショナルを導入することになるらしい。ここらで諦めて勉強することにしよう。東慶悟は適正が高いと思うのだけど、うまくポジション取りできなかったら放出候補になっちゃうよなぁとか。森重からハーフスペースへの縦パス入るのは見所になりそうだなぁとか。いやいや、王様ディエゴ・オリヴェイラはポジショナルプレーができるのか、とか。

勉強することで見所も増える。

来年は、さらにポジショナルプレーをするクラブが増える。鹿島アントラーズのレネ・ヴァイラー新監督も、ぼくがざっくり見た感じだとポジショナルプレーをする系統なんじゃないかという気がする(見てみないとわからないが)。

芝刈り機片野坂監督が就任するガンバ大阪もポジショナルになるのだろう。

やっぱり完成したポジショナルは強い。特に、Jリーグみたいに相手の手の内がわかっているリーグだと効くのだろうという気がする。

皆様、ぼくと一緒に年貢を納めて、ポジショナルプレーの勉強をしようではないか。


哲学者風味のサッカーライター西部謙司さんが、平易でわかりやすい「ですます」の文体で、ポジショナルプレーを説明してくれている本。

J1、20チームの戦術分析に加え、海外移籍動向なども掲載されている。川崎フロンターレの番記者田中直希さんとの対談、浦和レッズのテクニカル・ディレクター西野努さんとの対談もあり。

川崎の番記者の田中さんが、川崎から移籍した田中さんの話をするところがライター的にちょっとツボ。そういえば清水さんという名前の解説者が、清水エスパルスの解説に苦労したという話を思い出した。


弊社から出版した埼玉県へのサッカー旅を扱ったこちらの本も是非どうぞ!!じわじわ来てます。





この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
中村慎太郎 旅とサッカーを紡ぐOWL magazine

文章や音声コンテンツが面白いと思った方は、是非サポートをお願いします!コンテンツづくりのための経費や投資に使わせて頂きます。用途については不定期でnoteに公開します。

中村慎太郎 旅とサッカーを紡ぐOWL magazine
タクシードライバー、文筆家、会社経営者。 東京23区を中心にタクシー営業中(休業中)。愛する東京が職場です。 旅とサッカーのウェブ雑誌OWL magazine代表。サポーターを主役にした紀行文を書き連ねています。 株式会社西葛西出版代表取締役社長。本を作ってます。