「神様、私は文章が書きたいのです。」一年の締めくくりに。
神様、私は文章が書きたいのです。
2019年のお正月に、伊勢へ小旅行をした。その途中、道開きの神様「猿田彦神社」へお参りした時、手を合わせた私の心にいっぱいに広がったのはそんな言葉だった。確信のようなものだった。私は文章が書きたかった。胸をかきむしるぐらいの衝動だった。
そもそも、2015年ぐらいから、ずっと、書こう書こう書こうと思って、それでも動き出すことができなかった。どうして動けなかったかというと、やはり、それによって得られるものが何かもわからないのに、失うものは確実にあるからだった。
私はハンドメイド作家として、フンワカとした幸せな世界観を構築していた(つもりだ)し、お客様たちは、そんなフンワカとした世界に共感をしてくれている(と思っていた)。そこに、私の人間としての「生臭さ」が交わると、がっかりさせてしまうのではないか。何かを損なってしまうのではないか。失ってしまうのではないか。その辺りの葛藤は、最初の記事に書いた。
自分は、そうやって未来を決めつけて、自分のやりたいことを自分で制限してしまっていた。やらない言い訳にしていたのかもしれない。誰だってリスクは取りたくないから。
伊勢から帰る時、よし、東京に帰ったらブログを書こう!と決意した。今度こそ書くから。
しかし書かなかった。書いては消し、書いては消した。そんなものを公開する意味もわからなくなっていった。あの衝動は、日常に流れて薄く見えづらくなっていた。
春が過ぎて夏がゆき、秋が通り過ぎていった。その間も、言い訳ばかりで、全然書こうとしなかった。
そんなにまで、最初の記事を書くことのハードルが高かったのに、ある普通の平日の朝、仕事に行く前の時間、クリスマスの翌日の朝、まだ半分夢の中にいるような時間、突き動かされるように、一時間ほどで書き上げた上に、ろくに読み返しもせずに公開のボタンを押したのは、本当に私だったのだろうか、と不思議ですらあった。見えない何かが乗り移って書いたのかもしれない、それぐらいスピーディだった。あっけないぐらいだった。
でもとにかく私は、あれだけ長く言い訳をして書かなかったものを書いて、公開した。
反響は思ったより大きくて、様々な人から様々な感想をいただいた。みるのが追いつかず、おそらく私の知らない場所でも色々な意見が、感想が述べられていた。
生の人間の心の声だった。良いことも、疑問に思うようなことも、色々と書いてあった。
noteの一週間で最もすきを集めた記事の一つにもなった。
いろんな人の真実の声が聞こえた。自分の自分を見ているようだ、と思ってくれたり、そうなりそうだから気をつけよう、と思ってくれたり、何だか涙が出た、という人も少なくなかった。私の恥ずかしい大失敗は、隠しておかずに公開したことで、少なくとも一つの教訓として残せるものになったのだ。それは、私がずっと抱えてきた、消せない後悔もそっと癒してくれた。
多分、書いてよかったのだ。多分。
しかも、この年の瀬というタイミングも良かったのだ。過去のモヤモヤとした悲しさは、2019年に置き去りにできる。明日から、新しくてピカピカの一年が始まる。
記事を書いた後、身体中に力がみなぎって、毎日歌ったり踊ったり自転車を乗り回したり、完全に元気になってしまった。心と体はこんなりリンクしているのか、というぐらいに元気になってしまったのだ。
私は文章を書いてもいいんだ!!という喜びだった。
我慢なんてしなくて良かったのかもしれない。
その先に何があるかは、今は考えない。とにかく、私は、文章が書きたかったんだ。そして書いた。せき止めていたものが決壊したみたいに、いくらでもいくらでもワクワク感が湧いてくる。ここ数年、ずっと滞っていた本当のパワーだ。
この先に何があるかわからないけど、どうしてもどうしてもやりたい気持ち、というのは、本当に大切にした方がいいんだろうと思う。周りの人は反対したり、嫌いになられたりすることもあるかもしれないけど、ずっと他人の顔色を伺って生きていったら、それは果たして誰の人生だろう。
それに、嫌われたり誤解をされることだって、実はそんなに怖くない。みんな自分が見たいようにしか物事を見ない。好き勝手なことを思ったり、いったりしてくる。じゃあ、私だって、私の好きなように世界を眺め、私の好きなように生き散らかしていいはずなんだ。それに別に、誰に迷惑もかけるわけじゃない。
間違いなく自分の中から湧いてくる、やりたくてやりたくて仕方ない気持ち、というのを大切に、新しい年を歩いていこうと思う。
実は他にも、やりたいなということは色々あるけれど、なぜ自分がそれをやりたいのかうまく理由がわからないものばかりだ。だけど一つずつやっていこうと思う。
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皆さんも、湧き上がる衝動はありますか。消しても消しても湧いてくる、自分の中の小さな願望はありますか。
些細なことでいいと思います。それが何に繋がるのかはわかりませんが。
例えば、日本海の海水を太平洋に流したい!という謎の願望を持ったとして、それを実行して、その途中に立ち寄った宿で運命の相手に出会うかもしれないし、それをユーチューブにあげたことをきっかけに大ブレイクするかもしれない。無意味なことなんてないと思う。
そういう人が少しでも増えればいいなと思う。
私も、この数時間後、ワクワクする無意味なことをやりに行きます。それは別の場所で漫画のエッセイにします。
来年が、皆さんにとってワクワクとして実り多いものになりますように。
私はそれを願っています。
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それでは、良いお年を。
2019年大晦日
鳩みうこ
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