うまれー(略)タイ旅行。初日。

これまでのあらすじ
知らない人に勝手に命を預け半笑いで拠点ホテルのチェックインを済ませた我々の今後の運命やいかに。


18時半頃にチェックイン。小一時間かけて大きなトランクの荷物を全部クローゼットにしまい込み、そこから一泊分の荷物を抱え夕飯も取らずに外に出た2人。今日の宿泊は憧れのPrayaPalazzo。

「でもまずはGMMグラミーのビルを拝まないと」

GMM Grammy PLACE。バンコクで1番有名な観光名所(当社調べ)。
アソーク駅・スクンビット駅から徒歩圏内。拠点ホテルからもまあ徒歩圏内。日も暮れてきたし風もある。横断歩道ももう怖くない。いける。

あの時の私たちにはGMMグラミーのビルを拝む以外の発想は全くなく、とにかく北へと約15〜18分歩きはじめた。今考えると結構な距離で事実旅行最終日にGMMグラミーへ行く時にはサクッとトゥクトゥクを利用してる。しかしその時はなんの疑問も抱くことなくとにかく北へ北へと歩き出した。気分的には2〜3分で着くはずなのである(縮小地図では距離5センチ)。

数分後。
私「おかしいなあ、まだ着かない」
5センチのはずなのに。
まろ「ちょっと歩くね?」
5センチのはずなのに。
想像していたよりも遥かに凸凹の多いバンコクの歩道に足を取られながら5センチの距離にいろいろな疑問が湧き上がる頃、うまいこと脳を揺らす景色が現れる。

見上げて変な声出た。

2人「はぅぁあああ!」
凸凹の歩道をすっかり忘れ小走りで歩みを進める。目的地はすぐそこ。いやここからまだ7〜8分あったけれども。そして。

(声にならない)

念願のGMM Grammy PLACEビル。ジタバタするけど声が出ない。無言で柱に向かって小刻みに動く怪しいコンイープン2人。
……最高!!!
興奮してそばに寄り過ぎ撮った写真はこの角度ばかり。超煽り。落ち着いて私。いや落ち着けない。2年間ずっと夢に見ていた建造物が目の前に出てきたんです落ち着けるわけがないでしょう。
無言でただひたすら拝みまくる。ここは柱宗教のメッカ。ピラーさまさまサオさまさま。眼前の幸せに感謝。

KristSingtoJFCさんが出した柱をひとしきり拝んで自分の名をカメラに収め、やっと全景を確認。

天国かな
天国かな(2回目)

GMM Grammy PLACE ビルは実在していた。マボロシの場所じゃなかった。

Oaujunの様に座る勇気はなかった。しかも建物側からの写真。
表側から座るOaujun。強い。

(↑อู๋จุนのYT... https://youtu.be/J3J3sF2JfYA)


いつの間にか辺りはすっかり暗くなっていてふと我に帰る。

今日の最終目的地はここじゃない。私たちはPrayaPalazzoに、その前にラマ8世橋に行かなければならない。夜のラマ8世橋に行って橋の上を歩いてSOTUSのep13ごっこをして……。やりたいことがいっぱい。

「タクシーだ。タクシー呼ぼ」

うまれーてーはーじめーてーのGrabTAXI。

Grabタクシー。めちゃくちゃ優秀。現在地と目的地を入力するだけでタクシーが呼べる。最初に金額が明示されるから渋滞に遭おうが遠回りされようがそれ以上請求されない(運賃決定しちゃってるからそもそも遠回りしない)。運転手さんの身元もはっきりしてるので安心安全(Singtoの学生時代の作品สายลมที่หลับใหล : อิมเมจ「Unofficial MV」で軽くトラウマ)。流しのメータータクシーよりはお高いけれど、金額交渉の手間がなく確実に目的地に連れてってくれるので言葉の壁がある私たちには本当にありがたい乗り物。旅行中毎日Grabタクシー乗ってた。電車も毎日乗ったけど。トゥクトゥクも3日乗ったけど。なんかいっぱい乗ってる。

でGrab。我々はカード決済にしてたからその場で現金は出さす。下車した後にGrabから「どうだった?よかった?チップ追加で決済する?」てメールが来るからチップ渡したい時はそこで決済できる。すごい。

でGrab(2回目の仕切り直し)。まろちゃんが呼んだGrabタクシー、この日やってきた車はロングヘアで笑顔が可愛いメガネをかけた姉さんドライバー。

私たち「さわでぃかー」
お姉さん「สวัสดีค่ะ ⚪︎×◽︎※※※……」

あ、タイ語オンリーのお姉さんだ(焦)。

お姉さん「⚪︎×◽︎※※※……」
私「どこ行くか?ラマ8世橋。そう入力したはずなんだけど。さぱーんぷららーまぺーっ」
お姉さん「(困った顔)」

やばい、全然通じてない(焦)? 英語とタイ語とGoogle先生とでなんやかんやしていよいよ出発。

まろ「はぁぁぁぁぁ」
私「ほぉぉぉぉぉ」

チャオプラヤー川横断。あのラマ8世橋を通過中。言葉にならないコンイープン2人。吊られてる黄色のケーブルが視界をパッパッと過ぎていく。ほぉぉぉ。でも橋を走ってると橋が見えない、ここ本当にラマ8世橋なのかしら←。全景が早く見たい。

タクシーは橋を通過するとしばらく直進し、その後ぐるーーーーーっと迂回して橋のふもとに到着。ありがとうここで降ろしてもらって、そして橋の上を歩……

お姉さん「⚪︎×◽︎※※※……」

お姉さんが何か必死に言っている。だが何を言ってるのか全くわからない。ここで降ろしてもらいたいのだがなぜかそんな雰囲気ではない。すると外にいたドリンク屋のおばさんが車に寄ってきた。なんか言ってる。

おばさん「⚪︎×◽︎※※※สามทุ่ม⚪︎×◽︎※※※」

あ、知ってる単語出てきた。えーと。

私「สามทุ่มにcloseしちゃうの?」

ドリンク屋のおばさんもドライバーのお姉さんもめっちゃ安堵の笑顔。あーよかった、話が通じたよ、みたいな。わーい私聞き取れたみたい。

じゃなくてじゃなくて、ええ??私の聞き取りで合ってるの?夜9時に橋の下入れなくなるの?本当?うそ?もしそれが本当ならばドライバーのお姉さんが乗車時に困った顔した理由がわかったあはははは!現在21時10分。(実は今もよくわかってないんですが本当に21時でcloseだったのかしら。疑問。次に行った時に確かめよう←次に行く理由探し)

嘘かほんとかわからないけど半笑いでドライバーのお姉さんと向き合う。さて、これからどうしよう。うふふふふ。
とりあえずここで降ろしてもらって橋の全景を見…

まろ「海苔ちゃん(仮名。私)、PrayaPalazzoのチェックインのお尻が迫ってます」

うふふふふ。橋見てる場合じゃない。

通常なら24時間でチェックイン可能なPrayaPalazzoがこの時期時間短縮になっていて22時が最終チェックイン。船に乗るためにまたチャオプラヤー川渡って向こう岸に行かねばならない。戻ろう。向こう岸に戻ろう。

私「お姉さん!船着場に行きたいの、船着場の名前はプラ アーティッ↑」
まろ「プラ アーティッ↑」

アーティットの発音だけはプロ級な私たち。伊達にSOTUS育ちではない。
アーティットを口にして顔がにやける私たちを乗せたタクシーはグルーッと回りながら無事プラアーティッ↑船着場付近に到着。お姉さん本当にありがとう!ばいばいかー!

船着場からホテルに電話をすると迎えの船が来る算段。タクシーを降りて川に向かって歩き始めると壁には沢山のポゴ、じゃなくてトカゲ。タイってトカゲ沢山いる。ああ川が見えてきた、やったー!船着場だー!

まろ「このSIM、通話ができなーい!」

わはははははは!(笑い事ではない)
私たちが日本のあまぞーんで手配したSIMカード、タイに着いてから絶好調に通信できているがどう設定しても通話ができなーい。着信できるけど発信できなーい。
まろちゃんが焦りながら端末と向き合ってくれるなか呑気にポゴを数える私。

私「まろちゃんあそこに白いポゴが2人…」
まろ「どうしてー!どうして発信できないのー!」

責任感が強いまろちゃんと一緒でよかった(PrayaPalazzoの予約はまろちゃんが取ってくれた)。私が2人だったらポゴを数えて22時を超えていたかもしれない。神様ありがとう ぼくに(良い)友達をくれーてー。

まろちゃんの機転でチャットやメールを使い無事PrayaPalazzoと連絡が取れ(まろちゃん軽くぐったり)いよいよお迎えの船が。
私たち2人のためだけに船が!ひゃっほー!さわでぃかー!船出だ船出!!

天国かな(3回目)。

はううううう!!!
チャオプラヤー川からラマ8世橋を臨む景色!絶景!あの橋の上にアーティットとコングポップがいる!見える!見えるわ!

まろ「きゃぁぁああああ!!!」

まろちゃん完全復活。ラマ8世橋、よく効くお薬です。よかった元気になった!

ホテルの船着場に到達。でもラマ8世橋から目が離せない。このままだとここで22時を迎えてしまう。迎えても良いくらい綺麗なラマ8世橋。幸せ(冷静になろう私)。
後ろ髪引かれながら船スタッフさんに「たいるーぷだいまいかー」。パチリ。

記念写真を撮り終わるまで何も言わずに笑顔で見守っていてくれたホテルスタッフさん。川まで迎えにきてくれてた。すみませんありがとうさわでぃかー。
英語で「お部屋はこちらです」とか「朝10時までにこっちで朝ごはん食べるよ」とか説明を受けながらそのままお部屋へ。多分「おやすみなさいごゆっくり」的なことを言われてドアをバタン。
ん?チェックイン的なこと何もしてないが?サインもしてないしパスポートも見せてないが?こんな時間できっとあの人も私らを部屋に案内したらお仕事終わりなのね。ありがとうグバーイグバーイシーユーネクストモーニン。そして時刻は22時。

盛り沢山な1日だった。飛行機に乗って、電車に乗って、タクシーに乗って、船にも乗って。憧れのGMMグラミー見て、憧れのラマ8世橋見て、憧れのPrayaPalazに来て。初日にしては頑張ったんじゃ?上出来じゃない?素敵じゃない?自己評価が高いのが私たちの長所です。

ほっとしたら空腹に気づいた。我々は夕飯も取らずに行動していたのだ。時刻は22時過ぎ。レストランは……

『22時まで』

え?
ルームサービス的なものも?
22時まで?
え?


朝まで食事に出会えない。
命綱はウェルカムフルーツのみかん3個のみ。生きる。

とりあえず完。

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