傷物語感想(ネタバレアリ)

傷物語を見てきました。自分は、物語シリーズは『化物語』しか見ていないのですが、『化物語』しか見ていなくても別に大丈夫だと言う話を聞き、折角映画がやっているならということで、見に行くことに決めました。
まず、見に行ってよかったです! とても面白かった。自分は、『化物語』を見た時に、アニメーションとしての表現が素敵だなと思った覚えがあったのですが、この映画でもアニメーションだからこそできるという表現がたくさん見れて、見ごたえがありずぎて画面を見すぎて目が大分疲れました。
途中で挟まれるポップ調?というか昔のアニメ?みたいな表現があったり、キスショットとの最終決戦では、緊張感はありながらも戦闘自体はとてもコミカルな感じで描かれていて、暦がキスショットの胸に突き刺さるシーンはかなりインパクトがあったので印象に残っています。エピソードとの戦闘シーンでもエピソードが笑うカットインが何回か入るなど色々な面で印象に残るシーンが多かったです。あとは、頻繁に出てくる日本国旗も印象的でした。キスショットのことが連想される色合いです。
最初の暦が日に焼かれるシーンは神谷さんの演技も相まって、映画が始まったばかりで身が入っていない自分が一気に映画に引き込まれたなと感じたシーンでした。その後、キスショットと地下鉄の駅で出会って、暦が逃げ出してしまって、だけどどうしても見捨てきれなくて結局キスショットのことを助けるシーンは暦の性格が一目でわかる、印象付けるいいシーンだなと思いました。あとは、忍野メメの登場シーンかっこよかった……。
しかし、思いの外ヴァンパイアハンターたちとの戦闘は薄味だったので、少し残念ではありました。三部作の方では、戦闘シーンがもう少しあったのでしょうか。ギロチンカッターとの戦闘シーンはもう少し見たかったです(原作でも結構あっさりと終わるとは聞きましたが…)。その分、キスショットとの戦闘はしっかり描かれていて、楽しめました。坂本真綾さんのキスショットの演じ分けも良かったなぁ…。
暦が自分の偽善を貫くシーンも好きですね。「僕は君を助けない」というセリフはいいですね。空の境界の黒桐幹也の「僕は君を許(離)さない」と似た雰囲気のセリフでこちらのセリフも黒桐自身の願いを貫くみたいな感じだったので、とても印象に残っています。西尾維新も奈須きのこもメフィストに作品が掲載されていた時期がある作家なので、そういった類似点が見られるんでしょうか。この二人は奈須きのこは『月姫』で吸血種を、西尾維新は「物語シリーズ」で吸血鬼を取り扱っているなど共通点もあるような感じがしたので、比較してみると面白いかもしれませんね。
総括しますと、今回の映画ですが、物語シリーズに関してあまり知らなくてもちゃんと楽しめる映画になっていて、物語シリーズの入り口としてもいい作品なのかなと思いました。最初にも述べた通り、自分自身あまり物語詩リースについての造形は深くないので、シナリオ面などへの言及はあまりできませんでしたが、アニメーションを見るという意味でも楽しめる映画でした。正直一回見ただけでは足りないくらい見どころのある映画だと思いますので、配信やDVD等が出たらもう一度見たいと思います。物語シリーズもM/Oが始まるまでには全部見たいと思います!


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