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静岡茶屋

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静岡駅北口から北西に歩いて15分ほどの『茶町』には、全国の荒茶の1割が取引されている『静岡茶市場』があり、その茶市場を囲むようにお茶屋が軒を連ねます。その茶町の細い路地の一角にた…
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#日本茶

今日も静岡茶屋でお待ちしています vol.7 浜松深蒸し茶と茶歌舞伎

 冷たい北風にあおられ、萌は浜松駅の構内に駆け込んだ。 「はやく家に帰って、温かいお茶が…

今日も静岡茶屋でお待ちしています vol.6 深蒸し茶と和紅茶のフルーツティ

前回までのあらすじ 静岡市の小さなデザイン会社に勤める新米デザイナー萌は、お茶屋の店主・…

今日も静岡茶屋でお待ちしています vol.5 瀬戸谷のめぐみ茶

「ナビの指示通りなんだけどな」  萌は、車のハンドルを握りながら、不安に襲われた。目的地…

今日も静岡茶屋でお待ちしています vol.4 足久保の新茶

 茶の生産量が日本一の静岡県の静岡市に、「茶町」というアドレスが存在する。かの家康公が駿…

今日も静岡茶屋でお待ちしています vol.3 牧之原の大茶園とほうじ茶ラテ

  静岡駅北口から北西に歩いて15分ほどの『茶町』には、全国の荒茶の1割が取引されている…

今日も静岡茶屋でお待ちしています vol.2 日常のお茶・番茶

静岡駅北口から北西に歩いて15分ほどの『茶町』には、全国の荒茶の1割が取引されている『静…

今日も静岡茶屋でお待ちしています vol.1 春恋し・はるの茶

静岡駅北口から北西に歩いて15分ほどの『茶町』には、全国の荒茶の1割が取引されている『静岡茶市場』があり、その茶市場を囲むようにお茶屋が軒を連ねます。その茶町の細い路地の一角にたたずむ静岡茶屋。店主の薫が今日もお茶とともにみなさまをお待ちしています。   * 萌は足元のハイヒールを見つめながら、携帯からこぼれる上司の声を聞いた。「頑張った」「次がある」とねぎらう上司の声にも失望の色が隠しきれない。 (もう消えたい……) 萌は静岡市内の小さなデザイン会社に勤める2年目の