私は自然の一部にはなりたくなかった
ここから遠く、存在が小さくなるまで。
離れてしまえば、無感動で
離れてしまえば、気配さえもなかった。
静寂の世界で、誰にもじゃまされず
心を動かすこともない。
きっと、もう傷付きたくはなかったのだ。
・
だけど離れた場所で、ただ傍観していると
遠くに見える世界は、止まってみえた。
街の喧騒も、誰かの笑い声も
無意味なおしゃべりと、
それを繋ぎ止める相づちも。
・
何も聞こえない無音の今を、
ここで、ただじっと見つめている。
気がつけば身体の輪郭は巨大に広がって、
やがて透明に