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【パラノマサイト】プロタン・マダムペアについて【考察】

パラノマサイト面白すぎる!続編が待ちきれない!そんな私の欲求を満たすべく!パラノマサイトの世界観をより理解するべく!プレイして思ったことや感じたことなどから考えられる事を自分なりにまとめてみようと綴り始めました。

こちらのノートは『案内人の正体について』の考察内容を含みますので、そちらを読んで頂けるとより分かりやすいかと思います。もし少しでも興味のある方は読んで頂けると嬉しいです。

⚠ ATTENTION ⚠

以下の文章は、本編ネタバレを含みますので、全クリしてない方は、全クリ後にお読みください!!!



志岐間春恵

興家・福永ペアの考察の際に名前の意味を調べてみたところ、ビックリするほど物語に沿った名前となっていたので、今回も調べてみることにした。志岐間という名字は実在しているのか検索してみたのだが『志岐』という名字はあっても『志岐間』という名字は出て来なかった。完全に創作された名字だと考える。今回もきっと意味が隠されているはずだ。

《志》
こころざし、こころざす、あることを目指す。心が目指すところ、思いやり、親切。しるす、覚える。書きつける、記録する。書きつけた記録のこと。お礼や感謝のための贈り物。
《岐》
わかれる、枝分かれする。枝分かれした道、分かれ道、枝分かれした道、ふたまた。
《間》
かん、けん、あいだ。ふたつのもののあいだ。内部。ころあい。近頃。しばらく。すきま。へだてる。うかがう。ひそかに。入れ替わる。まじえる。病がよくなる。
《春》
はる。四季のひとつ。新年、年の初め、正月。人生のなかで勢いのある時期。としごろ、青年期。情け、情欲、色情
《恵》
めぐむ、めぐみ。情けをかける、憐れんで親切にする、かわいがって大切にする。思いやる、かわいそうに思う。神仏が幸福を与える。物を与える。賢い、さとい、気が利く。素直、従う。美しい。贈る、賜う。

名付けポン

《志》
意味を調べた時に“あることを目指す”という記載があった。あること=1年前に誘拐殺人で失った小学生の1人息子『志岐間修一』を蘇らせることを目指すマダムにピッタリな文字だ。

《岐》
わかれる、枝分かれする。エンディング『志岐間春恵の伝説』を迎えるか、迎えないか。死亡するか、生き残るか。様々なエンディングに分岐するということではないだろうか?そう思うと鳥肌が立ってしまった。

《間》
色々な人の視点を入れ替えながらストーリーを進めていくパラノマサイトのゲーム性にとても合う字だ。

《春》
色情という文字を見た時、確かにマダム色っぽいもんな…と思ったが、他にもこの字から考えられる事がある。それは相方の探偵についてだ。(案内人の考察にてプロタンの名前を調べた経緯や制作陣のインタビューも載せている為、読んだ方は重複してしまうが)プロタンこと櫂利飛太の“櫂”は、滝廉太郎の童謡『花』からきており「櫂のしずくも花と散る」という歌詞にちなんで付けられているそうだ。

Q.『花』の歌い出しと言えば?
A.「春のうららの隅田川」

そう。2人共『花』に登場する文字が付けられているのだ。他に歌詞から名前を付けられている人はいなさそうに思える。加えて、陰陽五行思想というものでは季節に色が割り振られており「春=青」「夏=赤」「秋=白」「冬=黒」となっている。青で思い出したのは“アオサギ探偵堂”プロタンの事務所だ。まさにペアになるべくしてなったと思わないだろうか…?この他にも色々と考えられる面白い字だ。

《恵》
家が裕福で恵まれている。息子をかわいがって大切にする。かわいそうに思う。賢く美しい女性。この字1つで志岐間春恵という人物をある程度説明出来てしまうという、ピッタリすぎる文字だった。

にしてもカッコいい名字だな…「はい、もしもし志岐間です。」とか電話に出てみたいもんです。笑




ストーリーについて

案内人の考察で、パラノマサイトは能が深く関係していると書いたのだが…またしてもというべきか、やはりと言うべきか、能に関連することが出てきた。マダムのストーリーの元となったと思われるのが、『志岐間春恵の伝説』にて語られていた↑画像の話。

これは『隅田川』という能らしく、詳しく調べてみると以下のような内容だった。

春の隅田川の渡し場。船頭が旅人らを舟に乗せていると、都から狂女が下ってきた。人身売買人に攫われた一人息子を尋ねて心乱れ、昔の在原業平に思いを馳せつつ戯れる彼女。そんな彼女も乗客に加わり、やがて舟は出発する。舟を漕ぎつつ、去年この地で起こった出来事を語る船頭。それは、都から連れられてきた一人の幼子が、この地で亡くなったという話であった〜(以外略)

銕仙会〜能と狂言〜

物語の舞台は『春の隅田川』ここでも『春』にお目にかかるとは…攫われた一人息子を尋ねて心乱れるというのはマダムを彷彿とさせ、この地で起こった出来事を語る船頭というのは、雨森少年とやり取りをするプロタンそのもの。そもそも、櫂利飛太の名字“櫂”とは船を漕ぐ道具の事で、船頭という役にピッタリだ。

そうして考えてみると、パラノマサイトでも『マダム=狂女』『プロタン=船頭』の配役だったと考えられる。ちなみに、隅田川で使われる能面はこちら↓。心寂しい人妻…まさにマダム…

面…更女類:深井
中年女性を表し、頬が痩せている。『隅田川』『百万』などで、失った子供を探し求める母親や、心寂しい人妻などに用いられる。

Wikipedia「能面」より

ところで、少し話が変わるのだが能面を調べていて思ったことがある。パラノマサイトの登場人物たちのデザインというか、表情というか、何名かは能面モチーフではないだろうか?

あれ?と思ったキャラクターは現状3人で、マダム『般若』/ミヲ『おたふく』/エリオ『ひょっとこ』だと考えており、あやめの口に手を当てる仕草も気になるものがある。他にも当てはまる人物がいないか、この説は合っているのか、引き続き調べたり探したりしていくが、とりあえず今回はマダムについて思ったことを書き出していこうと思う。




怒りの表情は 『〇〇』 が元ネタ?

目次でのネタバレを防ぐ為、怒りの表情は『〇〇』と書いたが、先程述べた通り、マダムの表情は『般若』が元になっていると考えている。

おや???と思ったマダムの顔が↑1枚目の画像。眉を大きく下げ、口は大きく開く姿。目は閉じてしまっているが、まるで『般若』のような表情に見えないだろうか…?分かりやすくするために般若の面を下に配置してみたが、やはり似ていると思う。

面…蛇類:般若
顔の上半分には悲しみの表情、下半分には怒りの表情が読み取れ、複雑な感情が込められている。

Wikipedia「能面」より

詳しく調べてみると、般若の面を使う能に興味深い演目があった。般若の面を使う演目はいくつかあるそうだが、その中の1つに〝道成寺〟という話があり…一部抜粋して載せてみると以下の通りだ。

この寺では昔、修行僧に恋をした女が大蛇となり、寺の鐘に隠れた僧を鐘ごと焼き殺したことがあった。この女の怨霊が白拍子の姿となって再び寺に現れるが、僧の祈祷を受けて逃げ去る。

Wikipedia「般若の面」より

マダムの持つ呪詛珠は『送り拍子木』で、その呪いは『火か発火器具を持っている者を焼死させる』というもの。ここで登場する〝白拍子〟とは、男装した遊女のことを指すらしいが、拍子・焼き殺す、と似通う部分があるとすれば、元にされた可能性が高いと思うようになった。

それだけでなく、パラノマサイトのイラストを担当した小林さんが「表情をつける際、資料に引っ張られることがあった」と発言されていたこともあり、その資料が面のことで、マダムの怒りの表情は『般若』を元に制作されたものだと考えこの考察を書いている。




呪詛珠 『送り拍子木』

火 もしくは発火器具を持っている者を
焼死させる

呪詛珠は自分に似た者(願いや生き方など)を呪主に選んでいるように思う。送り拍子木は何故マダムを呪主に選んだのかを考えてみたところ、思いついたのは以下の2つだ。

① 撞木橋付近に住んでいる。
② 家族を亡くし塞ぎ込む姿が、送り拍子木となった家老の記憶(大名)と重なった。

①は第一条件であり絶対条件。揺るぎないだろう。まずは“撞木橋がどのような場所だったのか”から調べてみる事にした。

北辻橋西側の大横川河岸に「本所時之鐘」の鐘撞堂があったことから、これらの橋は俗称として「撞木橋」と呼ばれてきました。

東京都墨田区の歴史

どうやら橋の近くに『鐘撞堂』という鐘を鳴らし、時間を知らせる場所があったようで。その鐘を鳴らす道具が『撞木』というため、そこから『撞木橋』と呼ばれるようになったらしい。撞木はシュモクと読み、シュモクザメ🦈の頭と同じ形(T型)の棒とのこと。

般若の件で道成寺という能の話をしたが、その中で“鐘ごと”焼き殺したという部分があり、ここで鐘が出てくるとなると般若の面との結びつきが益々強くなったように思う。

さらに調べていてビックリしたのだが、撞木は櫂の取っ手にも使われるようだ…こうして細かく作り込まれているから、パラノマサイトは面白いんだな…と再確認させられた。

日本独特の和船で用いられる櫂には、柄の末端部分に「櫂杆」や「撞木」と呼ばれるT字形の横棒が付いている。

Wikipedia「櫂」より

少し余談

『送り拍子木の呪詛珠だけ弱くない?』と言われているのを見かけるのだが、それは現代において言える話であって、パラノマサイトの時代では普通に強いと言える。福永葉子や葦宮のおっちゃんが手にしていたら手当たり次第に中年男性を殺したはずだ。

現代、タバコを吸う人は少なくなりつつあるが、昭和40年代の男性の喫煙率は脅威の80%越え。

JT全国喫煙者率調査

↑を見たら分かると思うが、中々恐ろしいと思わないだろうか…?喫煙率が80%を越えているなら、ライターの所持率もそのぐらいあったのではないかと思う。

『火 もしくは発火器具を持っている者を焼死させる』

対象物を持っているだけで殺せるのだ。マダムとプロタンのペアだったから無差別に呪詛珠を使わなかっただけであって、普通に強いのでは?と私は思う。

そういえば、興家はライターを途中で拾っていた。そのことから興家はタバコを吸う人物ではないと思ったのだが、もしも興家が喫煙者だったとしたら、あの短時間で滓魂を100%に出来なかったかもしれないと思うと少し面白い。




櫂利飛太

自称『プロタン』(プロフェッショナルな探偵)マダムが誘拐殺人事件の調査を依頼した人物。襟尾純・吉見肇とは警察の元同期。櫂の名字の由来はマダム編で記載しているが、一応全て書き出してみる。

《櫂》
とう、かい、かじ。かいて船をすすめる道具
《利》
するどい、賢い、聡い、はたらきのよい。よい、役立つ、都合がよい。順調な。(刃物が)よく切れる。もうける、もうけ。利益をうむ。物を言うこと(口を利く)。
《飛》
とぶ、とばす。空で動く、空を飛ぶ。飛び上がる、飛び散る。早く行く、急な。空を飛ぶように早いこと。超える。伝わる。高い、高いところにある。
《太》
豊かに大きい、周囲が大きい、太い。はなはだしい。非常に。尊い人物、身分が高い人物の呼び名に添える語(太閤、皇太后)

名付けポン

《櫂》
こちらは既に書いているが、花の歌詞からつけられた名前で、船をすすめる道具のことだ。

《利》
興家が最初にプロタンに出会った際、個人情報の大切さを訴え、その後『片葉の芦』の呪殺条件が個人情報だったりと、ギャグ的なキャラクターの中に賢さや鋭さが見え隠れするプロタンにピッタリな字だと思った。

《飛》
マダムが驚く程に調査スピードが早かった記憶があり、そのスピードは空を飛ぶように早いと言える。それにしても、櫂という船を漕ぐ道具の名前を持ちながら、空を渡る名前を持つのが不思議だ。なめどりが好きな事、事務所の名前がアオサギな事、インコを飼っていること。やはり気になって仕方がない。

《太》
尊い人物、身分が高い人物の
…という意味があるらしいが、案内人の考察でも見たことのある字の並びだ。案内人と同一人物だと疑ってしまった事があるだけに怪しく思ってしまう。

案内人の考察でも書いたのだが、リヒタの名前の由来は『Richter』だろうか…?意味は『裁判官・判事』らしい。ピッタリな字だと思う。

ちなみに昔から左目を隠しているようで、その理由が今は見つからないが、何か思い当たる事があればまた書いてみようと思う。私の記憶にないだけかもしれないが、本編でそんな顔してたか!?という表情がエリオとの会話で見られた(拗ねるような顔)ので是非見てみてほしい└⁠|⁠∵⁠|⁠┐⁠♪





案内人との関係性

案内人(ナカゴシ)黒鈴ミヲのような、プレイヤーのことを認識している描写は私の記憶上ではなかった気がするが…探索パートにて火の玉を見かけたとマダムが発言→プロタンが周囲を探索→何もなかったと言いつつ『どこかに変化があるかもしれない』とメタ発言→蝶澤真由√開放。案内人との関係性を疑ってしまうのも仕方がないことだろう。

《太》という字は“尊い人物、身分が高い人物の…という意味がある”と書いたと思うのだが、身分の高い要素は名前だけじゃない。色についてもそうなのだ。

特に白は能において最高の色であり、神仏や天人などに使用され、襟など白を2枚使用する作品群が頂点となっている。

芸術色彩研究会

『探偵物語』の工藤俊作に癸生川凌介やジュリーをイメージして制作されたというのもあるのだろうが…火の車の探偵事務所でも食べていけていること、バックに太い支援者がいるという噂があることを考えると、プロタンはやはり身分が高い人物なのではないだろうか…?(案内人も黄や紫といった、高貴な人物のみが身につけられるとされた色を身にまとっている。)

さらに、見た目だけでなく案内人とされている名河越懺との名前の共通点も見られる。

《名》
物や事、人の呼び名、名前。名づける。優れている、立派、有名。評判、名誉、功績、ほまれ。優れた様子、評判である様子。うわべ、形式。
《河》
水が地表に沿って流れてできたもの。中国の黄河の古名。大きな河の流れから転じ、悠々としてスケールが大きいもののたとえ。
《越》
えつ、こす、こえる。境界や範囲、順序や秩序をこえる、基準をこえてすぐれている、越中・越前・越後の総称。古代の中国南部の国。
《懺》
くいる。くやむ。過ちを悔い改める。「懺悔(ザンゲ)」

名付けポン/漢字ペディア

名↔利・河↔櫂・越↔飛、となんとなく与える印象が似ている名前が付けられている事、懺という字が現在は名前に使えないことから『名河越懺』という名前が偽名という可能性もあると考え、私はこれからも『案内人=名河越懺=櫂利飛太』説を追求しようと思う。

ひとまず現段階で考えられることは全て書き終えたはずなので、他のキャラクターの考察をしながらもっと深く考えていきたい└⁠|⁠∵⁠|⁠┐⁠♪




まとめ

マダムとプロタンペアは隅田川の能の話と深く関係していたことから、他のペアにも当てはまる話がないか調べてみようと思う。それから、本所七不思議の一件のあとの、黒鈴ミヲを中心にした話のコミカライズが決まったとのことで、そこから分かることもあるだろう。これからがとても楽しみだ♪⁠┌⁠|⁠∵⁠|⁠┘⁠♪

感想や意見などがあれば、お気軽にコメントを頂けると嬉しいです!!!最後までお読みくださりありがとうございました!




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