マガジンのカバー画像

割と気楽記事。

44
文章を書いていて、書きたい文章の深さにムラがあるので分類分け。明るいかはあれだけど、暗くはならない。より深いのは別マガジン。
運営しているクリエイター

#手紙

あの日の手紙に、「ありがとう」と「ごめんなさい」

宝物入れの上に乗せて保管していた、レターボックス。 小学生からの手紙が入っている。 手帳を整理したその後、手紙を整理していた。 麻ひもで、ある程度束になっているけれど、 もはやどんな分類でまとめたか、わからない紙類。 紐を解いて、ひとつひとつ手にとった。 封筒の消印、名前、その文字の形で手紙を置き分けていく。 たくさんやり取りしている友達はそれでひとまとめに。 おかあさんからのものはこっちに。 おばあちゃんからのはこっち。 年賀状はその年ごと。 捨てずに残してい

漂流郵便局と宛て先がない手紙。

瀬戸内海の粟島に、漂流郵便局という名前の郵便局がある。  宛がない。誰に届けていいかわからない。  送りたい人はもはやいない。 そういう漂わせるしかないような、 誰かに宛てた手紙を、そっと受け取ってくれる。そういう郵便局である。 といっても実際に日本郵政が経営している郵便局ではない。 粟島の使われなくなった郵便局を、久保田沙耶さんが瀬戸内国際芸術祭2013でプロジェクト型アート作品として使用した、そういう場所だ。 2013の芸術祭が終わった後も、漂流郵便局はそ