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はたらくFUND 2023 Impact Report (3)

6.本ファンドにおけるインパクト測定・マネジメント(IMM)の実践

(1)本ファンドのToCの実現に向けた進捗

本年度は、本ファンドのToC実現に向け、新たに2社への投資を実行した。

本ファンドの新規投資先となったAntway、BPOテクノロジーを含む全投資先は、本ファンドのToCにおいて下図の通りに位置付けられる。 

このうちAntwayは、「あらゆる家庭から義務を無くす」をミッションに掲げ、義務的に行われている無償の家事労働の時間的・心理的な負担の大きさの軽減に取り組んでいる。家事労働の中でも最も負担の大きな炊事に着目し、作り冷蔵総菜配達サービス「つくりおき.jp」の運営を通じ、家事に関する規範意識の変容を起こすシステムチェンジを目指している。

 また、BPOテクノロジーは「オンラインアシスタントを、日本でも当たり前に」というミッションを掲げ、バックオフィス業務をオンラインアシスタントの「フジ子さん」が請け負うサービスを展開している。中小企業・新興企業をコアターゲットとし、特にマニュアルが未整備な顧客企業であってもコミュニケーションを取りながら業務を遂行する。人手不足解消と共に、業務遂行時に「フジ子さん」側にて最新のITツール等を導入することで、顧客企業にとってアウトソースが業務DX化に直結するよう促している。

(2)各投資先のIMM進捗報告のフレームワーク
本ファンドでは、以下の様式を用いて、投資先ごとに、IMPの「インパクトの5ディメンション」フレームワークを活用し整理した内容をLP投資家向けレポートに掲載している。本一般公開版レポートにおいては、各社情報につき公開可能な範囲にてP.21以降の「(3)各投資先のIMMの進捗報告」の章に記載した。


(3)各投資先のIMM進捗報告


7.新規投資先の声

本年度の新規出資先より、本ファンドからの出資を受けた感想を頂いた。
 
株式会社Antway 代表取締役社長CEO 前島恵様
当社はこれまで「あらゆる家庭から義務をなくす」というミッションを掲げ、その達成に向けて活動してまいりました。弊社の従業員の中には、このミッションに共感するメンバーが多くおり、社内では様々な瞬間でミッションを共有する機会がございます。一方で、「ミッション達成に近づくためには何を満たせば良いのか」という評価基準については、これまで不十分な部分がありました。
はたらくFUND様からのご支援を通じて、最も感謝しているのは、このミッションの評価基準を共に議論しながら構築していただけたことです。新たな評価基準により、社員のモチベーション向上、会社の戦略の修正、採用活動など、様々な場面で好影響が現れつつあります。今後も引き続き、ご支援いただければと存じます。
 
BPOテクノロジー株式会社 代表取締役社長 山田真也様
弊社の運営するオンラインアシスタント「フジ子さん」は、企業の成長に必要なノンコア業務と呼ばれるバックオフィス作業に対し、必要な時に、メールやチャットなどのオンラインでアシスタントにご依頼いただけるサービスです。
弊社は創業来「オンラインアシスタントを、日本でも当たり前に」というビジョンに掲げ、「フジ子さん」のサービス提供により、企業や働き手の課題解決に取り組んでまいりましたが、企業としてめざす姿のイメージを共通の言語として発信するにいたっておりませんでした。
はたらくFUND様からの投資前後のプロセスにおいて、様々な角度から対話を重ねることにより、ヒトとAIの最適なチームワークを探求しながらサービスを提供することが、企業の人手不足の解消やDXの推進、就業機会に制約がある方が活躍する場の創出等の社会課題の解決、ひいては、「人々の時間を増やし、幸せを増やす」ことにつながるという、弊社のめざす姿・経営理念の言語化につながりました。
また、経営理念の実現に向けた長期・中期・初期アウトカムをロジックモデルとして可視化し、これらを社内外に共有するという一連の流れや、モニタリングの検討にむけて、現在も継続的にご支援をいただいており、非常に心強く感じております。
今後もはたらくFUND様の心強いサポートとともに、インパクトロジックを経営サイクルに組み込み、事業成長に加えて社会的インパクトも追求してまいります。



[10] https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/matome.pdf

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000202211.pdf 

[11] MHLW 「令和3年度 国民医療費の概況」 (2023/10/24) p.3https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/21/dl/data.pdf

[12] https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r03/zentai/index.html

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