2019年9月27日~貴ノ富士に思うこと

 石川県に神事相撲を観に行って帰ってきたら、貴ノ富士の報道が騒ぎになっていた。色々伝えられていること、みなさん、もうご存知だろうか?

 貴ノ富士は貴公俊と名乗っていた去年3月にも付け人を殴って1場所謹慎。今回で2回目で、さらに虐めなどが明るみに出て、その上、双子の弟・貴源治も新弟子を虐めていて処分を受け、貴ノ富士には引退勧告がされ、それを不服として今日は弁護士同席で会見もした。

 これからどうなるのか?まだわからないけど、今思うことがある。

 貴ノ富士はそもそも去年に最初の暴力事件を起こしているが、その詳細を知ると、かなり激しく殴っている。

 殴られた力士は顔が腫れて血がだらだら出るほどで、その後引退してしまった。なのに、このとき貴公俊の処分は1場所だけの謹慎で終わっていた。戻ってきてからは彼の活躍もあり、事件のことにはもはや誰も触れず、事件前と同じく大関にもなれる器と、期待の力士という祭り上げ方だった。さらに新しく所属した千賀ノ浦部屋の明るい雰囲気の中で、彼ものびのび楽しくやってるんだと、私たちも思い込んでいた。

 でも、そうじゃなかった。だから、今改めて思う。もし、1回目の事件のときにもう少し厳しい処分や、顔が腫れるぐらい殴ってしまう彼へのカウンセリングなどが行われていたら? まだ20才そこそこの子供だ。殴っても1場所謹慎で終わって、後はまたホイホイと祭り上げられていたら、なんだ、こんなもんじゃん?と勘違いするんじゃないだろうか? 前の事件をもっと厳しく捉え、謹慎も3場所とか4場所ぐらいにして深く反省させ、その間にも(いや、もっと長くか?)部屋の責任で必ずカウンセリングに通わせ、暴力にすぐ至る自分をどうコントロールするか?をきちんと学び、そのことを協会に報告する義務を負わせていたら? 相撲協会は暴力問題に厳しく向き合っていく、と言っているが、実際に暴力事件を起こしてしまった力士への対処の方法をもっと考えるべきじゃないのか?

 そういう更生努力がないままに放っておいて、また事件を起こしたら、はい、引退しろ!というのは、協会の姿勢としてどうなんだろう?と私は思ってしまう。もちろん、何度も同じことをしてしまう彼が最も悪い。でも、彼はアンガー・マネージメントができなくて手が出てしまう22歳の非常に幼い青年だ。1回限りの謹慎休場からの、次は引退勧告というのは、あまりに性急すぎるように思える。周囲や協会が、彼への教育、ということに以前のときに気を配るべきだったんじゃないのか?

 そして彼らは兄弟して若い子たちを虐め、自分を優位に立たせることで自己認証することが出来る精神的にあまりに幼い子たちでもあるわけだけど、弟の貴源治の方は以前にはツイッターでも差別的なツイート(嫌韓、嫌中など)がひどかった。相撲ファンや相撲関係者もそれをよろしく思っていなかったようだけど、野放しにして誰も注意することがなかった。あるとき、あまりにひどくて、見かねて私は彼にそんなことを書いてはいけないとツイートしたら(私は別におすもうさんだからそういうことを言うわけじゃなくて、差別的なことを言う人には注意するようにしています)、速攻でブロックされちゃった。思うに、もっと彼のそういう言動を周囲が注意してあげるとか、あってもよかったんじゃないか?と思う。彼は期待の大きい力士なのに彼のことを本当に育ててあげようと、誰も思ってないんじゃないの?とか感じる。あまりに事なかれ主義じゃないの?と思う。貴源治へも貴ノ富士へも、周囲がもっともっと真剣に向き合ってあげるべきだったんじゃないの?

 あと、今回の報道で思うのは、メディアは最近、自分たちだって嫌韓を煽ったりしていて、どの口が言う?ってこと。それもひっかかってる。

 しかし、正直に言うと、私はとりたてて貴ノ富士や、さらに貴源治のファンでないけど、それでも22才の、とても幼い、問題をたくさん抱えた若者を、そうそう簡単に打ち捨ててしまっていいのか?と思う。

 確かに彼は多くの人の期待を裏切ったし、2度目だし、やられた力士たちの傷を思うと、許されることではない。とんでもないことをした!と反省してもしつくせないぐらいだ。なのに会見を見ると、あまり反省してるように見えないのも残念すぎる。あまりにお粗末で幼くて情けなくなる。これじゃ仕方ないな、とか思ってしまう。

 でも、それと性急な引退勧告は、同列であるべきなのだろうか? 

 ちなみに総額20億円も金品受け取ってた関電、社長は続投するそうです。私はそっちの方はゲロ吐きそうなほど怒ってます。はい。

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