2020年4月6日~緊急事態宣言前夜

 明日から緊急事態になるから今日はスーパーは激混みだろう。スーパーで働く人は今日はなんて大変なんだろうか。時給は同じままなんだろうか。誰かその人たちにチップをあげるとかないだろうか?なくても、せめて労いの言葉を!と思いながら、自分は「キャベツが欲しい」などと浅はかに思って八百屋に行ったら、そこもすごい人人人だった。え、八百屋が? まさか。。。

 狼狽しつつ買うつもりもないタケノコを見つめていたら、八百屋のおじさんに「これがいいね」と一本手渡され(大きいやつです)「レジんとこに糠あるからもらっていきな」と言われ、頭も回らないまま「やったことないんですけど?」というと、こうしてこうしてと説明された。人生初たけのこあく抜き。よもやのタイミングで行うのである。580円。1個も売れてなかった。このタイミングでは、のんびりタケノコあく抜きして煮ましょうかね?なんて人はいないのだろうか。

 それでタケノコとキャベツと焼きそばとミニトマトを買って帰って来たのだが、帰ってきてとたんに怖くなり、すぐに全部服を脱いでシャワーを浴びた(今、浴びたとこ)。

 しかし、私には今、罪悪感ばかりが覆っている。

 タケノコをもらって並んでいたら、八百屋の近所の飲食店主らしきお兄さんが来て、お店の人と「持っていけなくてごめんね」「いいよ、うちはもう開けたくないよ」「ダメ?」「ダメなんてもんじゃないよ」と会話して、次の瞬間私と目が合ったので「ダメですか?」とつい言ってしまったら「ダメだね」とお兄さんは言って向こうを向いた。もう、その目があまりに絶望の目で、涙が出た。。。ので、あわててミニトマトもつかんでごまかした。

 お兄さんのお店の名前を聞けばよかったが、聞くこともできなかった。

 そして、今日、私は、たけのこ580円を買ってきたけれど、それは今、手持ちに少しお金があるから買えたけど、基本私は長らくずっと貧乏生活をしており「ねぎ235円か。。。高いな。198円なら買うけど」という買い物レッスンを積み重ねてきたから、今、買い溜めとかしたくても、手持ちにお金がなくて買い溜めなんて夢のまた夢、なんのこと?な人たちのことを思う。

 さっきネットを見ていたら、あれを買っておくといい、これを買っておくといいという海外在住の方の記事が出ていたが(ご親切にアドバイスしてくださってるのだ)、でも、そんな風に買い溜めできる人はいいけど、できない人が大勢今、日本にいることを思うと、罪悪感いっぱいになる。タケノコなんてのんきに買って茹でてんじゃねえよっ、自分。

 でも、私も早晩、破綻する。いらっしゃいませ~とやっていたバイトは、怖くて鬱で風邪でもうしばらく休むことにしてしまった。お店もいつまであるか分からない。お店に頑張ってる人たちを思うと、そこもすごい罪悪感だ。こんなブログのんびり書いてんじゃねえよっ!って。

 仕事はほとんど開店休業。何か書き溜めておこう、とは思うものの、それの行先なんてわからない。このタイミングで、私に仕事をくださっていた出版社も一つ破産してしまった。債権者集合の日時というお知らせが届いた。

 罪悪感に包まれ、何もわからない不安のまま、今日はタケノコを茹でるしかない。茹でたタケノコ、近所の友達にでももって行こうか。もちろん、マスクをして、遠くから投げるように渡すしかないのかもしれないが。


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