2019年9月9日~おすもうさんを見守る床山さんの話を書きました

 「あ、おすもうさんだ!」

 と見分けるには何を見て?というと、体の大きさや、浴衣姿、雪駄などもあるけど、大きいのは髷だろう。おすもうさんの頭に乗った、髷。

 その髷を結う人を床山(とこやま)と言い、相撲界には今、50人ほどの床山さんがいて、特等、1等、2等、3等、4等、5等と技術や年数によって位がある。たいてい中学を卒業した15,6歳で入門して、徐々に技術を教わり、一人前になっていく、職人の世界。巡業で「髷を結う」とこを見せるショー以外、普段は決して土俵には上がらないけど、相撲界になくてはならない人。

 そして床山さんは髷を結うだけじゃなく、実はおすもうさんの良き相談相手であったり、相撲界をつなぐ役目をはたしていたりする。ほら、たとえばヘアメイクさんには誰よりも心を許し、そのヘアメイクさんと結婚しちゃいました、なんていう芸能人の方なんているじゃないですか? そんな風に、おすもうさんの命!というような髷を結う床山さんとおすもうさんの間には強い強いきずながある。

 で。そんな床山さんのトップ、特等床山だった床蜂さん(床山さんの名前には床~と、全員に床~が付く)が8月に定年退職(65歳)。特別にお話を伺った。床蜂さんはまだ中学生のときに入門し、50年以上髷を結ってきた。まだまだ昭和の時代、職人気質が厳しかった頃から床蜂さんは床山さんになった。そんな中で北の湖、千代の富士といったあの時代を象徴した横綱に愛される床山となり、その後の平成にはあの疾走騒動のあった双羽黒、そして白鵬の髷をずっと結ってきた。白鵬とはまるで父と息子のような絆があって、白鵬が42回の優勝を重ねるその後ろには、いつも床蜂さんがいた。

 白鵬ファンの私としては、そんな床蜂さんにインタビューするなんて夢のような出来事。床蜂さんが所属する(床山さんは相撲部屋にそれぞれ所属する)部屋にお願いして、床蜂さんに連絡し、これまで自分が書いた相撲に関する記事を送らせてもらい、お電話してお願いし、なんとかお受けしていただいた。相撲界とは、顔が命。いや、イケメンとか美女、って意味じゃないですよ。それをやるに、ふさわしいかどうかってこと。何度も顔を合わせ、よく知り合い、信頼を得ていて、その実績もあること。私、ぜんぜん顔じゃないんです。でも、ありがたいことに、ご理解いただき、インタビューお受けしていただいて、記事ができました。本当にありがたいことです。

 相撲ファンじゃないから、よくわからないわ、というかもしれませんが、人と人のつながり、信用の築き方、という点でも床蜂さんのお話は面白かったです。良かったら、ぜひぜひ、お読みください。お願いします。

 前後編になっています。よろしくお願いします。床山さんという仕事の人がいること、その人が担ってきたこと、そして相撲界秘話。ぜひぜひ!


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