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旅行と写真


子どもと飛行機に乗るときはAIR DOかソラシドエアをなるべく利用している。機体がかわいいからだ。息子は乗り物酔いをほとんどしない。自動車も新幹線も飛行機も船も余裕そうだ。ぼくは公園のブランコで酔ってしまうのでうらやましい。

息子はお菓子を食べたりゲームをしたり、一緒につれてきたぬいぐるみや窓からの景色を撮影したりしている。息子が撮った写真は細かいことを気にせず撮っていてとてもいい。

流氷が見たくて北海道にやってきた。ぼくはホームシックになるタイプの写真家なので、今回は家族を巻き込んでやってきた。一人旅が好きなんだけど、一人だとさみしくなるんだよね。

女満別空港に到着してまずは網走監獄博物館で食事をした。現役の網走刑務所で受刑者が食べている食事のメニューを再現しているそうだけど、実際は味噌汁はついておらずお茶らしい。網走監獄で脱獄王が味噌汁をつかって脱獄したことと関係あるのかな。

刑務所は米7麦3の麦ごはんだ。なんで刑務所のごはんは麦ごはんで、病院のお茶はほうじ茶なんだろ。ほうじ茶を飲むと入院生活を思い出してしまう。刑務所では政府備蓄米の余ったものを使用しているそうだ。おすすめは監獄食Bのホッケだ。美味しい。納豆かとろろが追加でほしくなる

刑務所では受刑者が刑務作業として食事を作る。刑期が長いと料理の腕も上がるので、料理が美味しくなるそうだ。妻の祖父が刑務官だったので、刑務所のことを調べるのが妻とぼくの共通の趣味だったりする。

網走監獄を見学してから、車で10分ぐらい離れた場所にある網走刑務所に向かう。途中の林でリスが食べてエビフライみたいになった松ぼっくりを見つけた。息子に教えると松ぼっくりをポケットにしまっていた。わかるなぁ持って帰りたいよね。

営業中の赤いぼりが網走刑務所の白い雪にささっている。刑務所が営業中ということじゃなくて、刑務作業品の販売所が営業中ということだ。網走刑務所のどんぶりがほしかったけど売り切れていた。意外とかわいい刑務作業品が売っている。

ぼくはまな板を買って、息子は木彫りのフクロウに一目惚れして買っていた。「いい買い物するねぇ」と息子を褒めた。このあとぼくは別のお店でクマの置物を買ったんだけど「おとうさん、いいかいものするねぇ」と息子が褒めてくれた。

子どもにかけた言葉って、親に返ってくるもんだな。そもそも人の買い物にケチをつける人と一緒にいるのって疲れるよね。

刑務作業品の値段は全体的に安い。市場価格の1/3から1/5という感じだ。国内製品としては最安値レベルなんじゃないだろうか。

懲役で人件費をコストダウンしているから安いんだろうけど、民間企業を圧迫してもダメだから難しそうだ。

掲示板に農業の刑務作業で収穫した小豆の入札の公示があった。網走刑務所では和牛の生産もしていてA5ランクを獲得することもあるそうだ。すごい。

網走駅にいってみた。階段が木造だった。ホームには木が生えている。エモーショナルな売店があった。エモいってやつだ。駅弁を買ってのんびり電車の旅がしたいけど、出発した電車は立っている乗客がわりとたくさんいる満員だった。知床ぐらいまでならいいけど、釧路や旭川までならキツそうだ。

部屋から網走湖が見える旅館に泊まった。湖は凍っている。もうちょっと早い時期に来ていればワカサギ釣りができたそうだ。コンビニで買ったアイスクリームは冷蔵庫だと溶けちゃうからベランダに置いた。

サッポロクラシックの瓶ビール飲んだ。北海道にきたらクラシックか赤星でしょ。昭和の香りしかしないゲームコーナーで息子と酒気帯びエアホッケーをした。昭和の香りが息子にとっては新鮮なんだろうな。

朝早く起きて紋別まで向かう。外気温は−16度。昨日の飲み残しがカチカチに凍っている。ウエットティッシュも凍ってる。

Googleマップが紋別まで2時間かかると教えてくれる。一人なら2時間で到着するけど、家族を乗せて長距離の運転をするときは、休憩したり途中で立ち寄って遊んだりするからGoogleマップの2倍の時間を想定する。

朝ごはんにセイコーマートでホットシェフのおにぎりを買う。今まで何度も北海道に来てるけど、通算でいちばん食べているのがセイコマのおにぎり(すじこ)だ。食べたことがない人は北海道に行ったら食べてほしい。

一人旅なら撮影したい場所で車を止めるけど、家族がいるとそうもいかない。撮影のためにストップ&ゴーをするのは家族が疲れる。家族旅行はあまり写真は撮れないけど、そのかわりたくさん会話ができるし家族の写真が撮れる。

紋別まで3時間ほどで到着。予約したガリンコ号に乗船する。

ガリンコ号のデッキは2階と3階だ。デッキはかなり混んでいる。乗客のほぼ全員がデッキにいる。流氷の写真を撮るだけなら1階のほうが海面スレスレでいいし、空いてる場所で座ってゆっくりお茶を飲みたいので1階にいた。

はじめて流氷をみた。大人になると感動することって減るんだけど、はじめて見るものは感動する。子どもの頃は雪が降っただけで感動したけど、大人になると感動のハードルが上がるんだよね。

ガリンコ号が港に戻る途中でお昼ごはんのお店を探して、洋食屋さんでご飯を食べてた。カニのハサミのオブジェを見た。「でっかいカニが地面に埋まってるんだよ」って教えたけど息子は信じない。

ここで記念写真を撮る人ってピースサインみたいな感じのハサミサインをするんだろうな。近くの浜で海の写真を撮っていたらカニのハサミを見つけたのでポケットにしまって持って帰った。

西陽が差し込んだ帰り道、雪に落ちた影の家族写真を撮った。三脚持ってくればよかったな。影でも誰なのかわかるのが家族だからいいんだけど。

網走湖に戻ると夕陽が綺麗だった。こういう時って夕陽の写真を撮ってしまいがちだけど、夕陽に照らされたものを撮ったほうがいいんだよね。夕陽が綺麗なのであればあるほど。

写真は暗いと撮れない。夕陽を撮るのって家の中で電球を撮るのとそんなに変わらない。それよりも夕陽に照らされた家族とか友達とか、夕陽に照らされたいまいる場所を撮ったほうがいい。夕夕陽の写真はGoogleでグググとググったらいくらでもでてくるし。

凍った網走湖で息子と遊んだ。遊んでいるところを妻が写真を撮ってくれた。こういう写真が宝物になる。旅行と写真って相性がいいなぁ。

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