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みんな誰かの役に立っている。

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「ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。」があたらしい表紙になった。たぶん来年あたまぐらいから流通する。杏さんと重松清さんにコメントをいただいた。

この帯コメントというのはけっこう大変な仕事だ。書籍を読むことと感想を短文で書くこと、本の売り上げに左右するうえに、ギャランティーの相場も決して高くない。

ぼくも今年は2冊の帯コメント依頼があった、何事も経験だし仕事の幅が広がるのはおもしろい。やってみてわかったのは本を1000文字ぐらいの長文で紹介することよりも、50文字ぐらいの短文で紹介することのほうがはるかに難しい。不慣れなせいもあり、とても時間がかかってしまった。

写真だってなにかの出来事を伝えるときに300枚使えれば簡単なのだ。それをバランスよく30枚にセレクトすることが大変で、写真の見せ方がまだ不慣れな写真学生さんなんかはこのセレクトのバランスと量が圧倒的に下手だ。

どんなに美味しい海鮮丼でも大将があれもこれもとネタをつぎ込んだ、5人前のジャンボ海鮮丼は食べられない。それがそれが美味しい海鮮丼じゃなくて、味の変化のない牛丼だとさらにつらい。何かを伝えるのに適切な量というものがある。

帯コメントはとても大変な仕事で、報酬も高くない。ボランティアにちかい善意の仕事なのだ。著者や編集者との関係性や肝心の内容。そんな善意で成り立っている。

だからコメントをいただくのは本当にありがたい。そして本を購入してくださる方に心から感謝している。

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カバーをはずすといままでのカバーもでてくる。紙の手触りはすこし変えてあって紙色の白もすこしちがう、とても素敵だ。最初の表紙も今回のカバーもデザインはgood design companyの水野学さん。

書籍というのは著者いちばんえらいような印象をあたえてしまうかもしれないけど、そんなことはない。表に出るのが著者なだけで、表に出ないたくさんの人が協力がある。著者ひとりではなにもできない…ことはないかもしれないけど、質の高いものを目指そうとすれば著者ひとりでは不可能だ。

料理店だっておなじことだ、美味しい料理をつくれる腕のいいシェフがいても、ホールに機転のきくスタッフがいなければお店はまわらない。店内のレイアウトやメニューの写真やデザインも腕のいいシェフではできないのだ。

役割の違いなだけだ。誰がすごいとか、えらいとかじゃない。
プロが協力するから、いいものができる。

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ポプラ社さんがカバー切り替えのタイミングで、特設サイトをつくってくれた。
ツイッターよりも長文で、noteよりも短文の中文くらいの写真日記的な週刊連載も始まった。

日常でおこったことや感じたことを気楽に書いていきたい。過去に掲載された取材やコラムなどの記事をまとめて掲載もしてくれている。

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2020年の2月には幻冬社からあたらしい本もでる。cakesで連載をしている人生相談の本だ。さいきんようやく原稿のチェックがおわった。これがなかなか大変な作業で、大変なことが苦手なぼくはついついサボってしまう。

それを見越した幻冬社の編集者さんが、原稿の合間合間に褒めコメントをいれてくれたので、最後までやりきれた。

表紙のデザインもきまって、帯のコメントはcakesの担当編集者さんにお願いをした。自分でいうのもアレだけど、この連載はとても人気だ。毎週反響がおおきい。それだって担当編集者さんとの二人三脚があるからなのだ。

編集者という仕事はどんなものか認知度は低く、世間の人がいちばん知っているのはサザエさんのノリスケなんだけど、原稿を受け取るだけが仕事じゃない。あくまで著者たてて、性格に合わせて手綱を握る人だ、うまく緩めたりクイっと引っ張ったり。編集者で決まるとぼくはおもっている。

結局ぼくひとりじゃなにもできないんですよ、謙遜とかじゃなくてマジで。ぼくにできることは出来上がった本を、すこし丁寧に写真にのこすことぐらい。

今夜のご飯は北海道の空港で買ってきた冷凍ジンギスカンなんだけど、それだって子羊を育てて、捌いて味付けしてパックにして冷凍して、空港まで運んで販売してくれてるから今夜は簡単にジンギスカンが食べられる。

みんなどこかで誰か知らない人の役に立っている、気づいていないだけかもしれないけど、そういうものだよね。



サポートされた資金で新しい経験をして、それをまたみなさまに共有したいと考えています。