Like a “AV”①

今日は3ヶ月に一回の定期検診で、仕事は休みをとっていた。

診察室で血圧を測り、「特に変わりは無いですね」と3ヶ月分の同じ薬を処方され、次の予約日を決めておしまい。


血圧の薬は飲み始めたら一生とも言われているし、「社員になってからも平日に休める大義名分」という点でも、私にとって必要な休みだ。




薬局で薬を受けとり、すぐに大知との待ち合わせ場所に向かって車を走らせる。

はるばる都内から来る大知はかなり余裕を持って出発してくれているので、今日も私が薬局を出る頃にはすでに到着していた。

待ち合わせ場所はいつもの、インターを降りてすぐにあるホームセンターの立体駐車場。

従業員がまとまって停めているような中階エリアがあり、店内入口からはだいぶ遠いが人目は少ない。


【後部座席にいるから、着いたら乗ってきてね】

大知からそんなラインが来ていた。



私は大知の隣のスペースに停めると、「旅行か?」と見紛うような大きなバッグを手に、大知の車に乗り込む。


「会いたかった!」

「やっと会えたねー!」

背後のパワードアが閉まるより前に、大知に抱きしめられて深い深いキスが始まる。

元々キスは苦手だった私だけれど、今では抵抗なく受け入れられる。

互いの口の端から唾液が滴るほどに囁きあってから、あらためて顔を見合わせる。

「やっと今日が来たね。うれしいよ」

「朝、子どもが“喉が痛い”って言いながら起きて来るんじゃないかって、すごく心配だった。
でも、大丈夫だった」


「今日も、れみのことメチャクチャにするからね。
れみは、性奴隷なんだからね?」

「はい…♡」


大知がリュックから手枷を取りだして、まずは両手を拘束される。

次に首輪もつけられ、犬にするようにチェーンをクイクイと引かれる。

それからアイマスクで視界を塞がれる。

その状態でスカートの中に少し乱暴に手を入れられて、ショーツの上から秘部をなぞられた。


「あっ、あぅ…ん……」

喘ぐ私の耳元で、大知が囁く。

「これから、“性奴隷さん”を拉致監禁するからね。
どこに行くのかは、秘密だよ。」

「あぅ…よろしくお願いします…」

「でも職質とかされたら困るから、見えにくいように横になっていてね」

私は言われた通りに後部座席で身をかがめた。

運転席に戻った大知が、ゆっくりと車を発進させる。



このホームセンターはたまに買い物に来るし、インター周りの店にもよく訪れる。

懐かしい名前を出すが、【司郎】や【晴臣】との待ち合わせでも使っていた界隈だ。

だから、目隠しをしていても土地勘があるので、どのホテルに向かっているかくらいはわかるだろうと思った。


大知はそれを知ってか知らずか(いや、知っているはず)、すぐにでも着くはずの道をあっちに曲がり、こっちに曲がり、私の位置感覚を撹乱していく。


「もう、どこを走っているか、全然わからないよ…」

「そりゃ、拉致監禁だからね」

そして時々、運転席から左手を伸ばした大知が、寝転んでいる私のおしりを不意に触る。

「はぁ…う…!」

いつ触られるかわからなくて、おしりや太ももを撫で回されるたびに、異様に感じて声を上げてしまう。

今までに見たことのある拉致監禁モノのAVを思い返して、イメージを膨らませていく。



そのうちに、ギアをバックに入れて駐車のモーションになった。


「着いたの?」


大知が少し困ったように答える。

「着いたは着いたんだけど、、、
屋内駐車場がいっぱいで、外の駐車場になっちゃったんだ。
すぐ隣が普通の会社だから、車を降りたら目隠しだけは取るね。
ちょっと怪しすぎるから…」


車のドアが開けられると、とたんに機械の動く音や人の声が耳に入ってきた。


大知に目隠しを外されて、陽の眩しさに顔をしかめつつ、ゆっくり目を開けてビックリ。

私達の車の前の、よくある緑色のフェンスを挟んだ向こうは、フォークリフトの人たちが荷物の上げ下ろしをしている物流倉庫のロータリーだった。


目隠しこそ取ったとはいえ、首輪をして、チェーンで繋がれ、手枷をされている私。。。

たぶん、倉庫の人たちは仕事で忙しくて私の状態に気がつくどころではないだろうけど、陽の下で淫猥な格好を公衆にさらしている背徳感で、ゾクゾクとした。



つづく

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