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大勝軒修行物語 ベロメーター

開店前のスープの味見をして、マスターが味を調整していく。リケンねー、ジーカイタンねーこぶしね〜アンドねーと、マスターが言う、入ったばかりの俺にはおまじないにしか聞こえない。何の事ですか?と先輩に聞きながら、ひとつひとつ覚えるしかない。
そして煮干し、長ネギ、しょうが、にんにくなどを追加してスープを仕上げていく。マスターの舌だけが、今日の出来を知っている。決まり次第、開店となる。ベースとなるスープは、修行生が日替わりで作らせてもらう。
スープを覚え、麺が打てるようになれば卒業だ!両方とも、毎日出来が違うから大変だ、マスターも調整がうまくいかない日は、不機嫌になってもしょうがない。
滅多にないが、あまりにも味が決まらない時!レンゲをポーンと投げた!と、先輩に聞いた事があった。

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