吉本の真の再生への第一歩

芸一筋に志を立て、薄給からまじめに勤め上げ、会社の売り上げを作り、屋台骨を支えてくれるメンバー一人一人が、会社の財産。

創業者やオーナーとは、そういう風に社員を見ることができる。

翻って、吉本は芸人を個人事業主に見立てているが、実質は社員。経営者から見れば子供。

今回 子供の不始末から逃げた親である吉本。不始末が起こることを予見できたのに放置した吉本。

経営が、親として、真の責任を果たさなかった罪は重い。

芸人が集めた収益を分配しているだけの側が、実際は、存在しない権力を誇示した。

芸人の育成は仕組みで。ヒットも仕掛けで、作れる。芸人は替えがきく。

そういう、クリエイティブそのものである芸への愛を失った姿勢。**即ちそれは、芸を楽しむ側(国民)を軽んじる姿勢。 **

昨今、会社の成り立ち、会社の財の在り処を履き違える、権力に弱い経営者が増えている。創業をしたわけでもなく、年齢や強い部門の中で上に上がっただけで、親になってしまった連中。これは、役職に対する欲求が強いサラリーマンが多い。

今回の吉本は、まさにそれ。

その曲がった組織文化と仕組みを構築した現会長。その会長が後任指名した社長の元で起こっていること。

三下の社長をクビにした所で、会長が抜けないのであれば、基本的に同じ権力主張型のサラリーマン支配が再発する。

また、吉本の資本構成を見ると、そもそも大手テレビ局による株式支配が40%を超えている。結果、テレビ局からすれば吉本への発注はグループ会社への行って来いであり、吉本からすれば、営業努力しなくても仕事は落ちてくる、芸を高める必要さえない、という競争原理の働かないいびつな構造になっている。これは結果として、芸能全体の成長を阻むことになる。この資本関係を早々に解消することが重要だと思う。

私が吉本の経営者であれば、
1. 芸人に過半株式を買ってもらう
2. 既存株主から株式を買い取り、新たな芸応援のためのヒトやグループを対象とする株式市場を創る

に動く。1はすぐにやるべきだと思う。

吉本ブランドの体現者であり、稼ぎ頭のダウンタウン松本さんがコトを動かせたように、実態 価値の源泉が芸人にある、そのことを、永続するために。

松本さんは、もう一歩踏み込むべき。

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