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訪問診療を制度で捉えてみる

有料老人ホーム等の施設では、入居者が施設で生活をするために、様々な分野、職種の方々が協力しながら業務にあたっています。

今回は、訪問診療について、取り上げたいと思います。なお、極力分かりやすく話しますので、やや厳密さを欠く点はご容赦ください。

一般的に訪問診療は、クリニック等の医師が入居者に対して行う医療・介護サービスであり、月1回もしくは2回程度「計画的に」診療・治療等を行うものです。

一言で訪問診療と言っても、このサービスには、①医療保険の部分と、②介護保険の部分に分けることができます。つまり①+②を合わせて、一般的に「訪問診療」と言われています。

①医療保険では、在宅での「在宅時医学総合管理料」と、有料老人ホーム等での「施設入居時等医学総合管理料」が存在します。

②介護保険では、「居宅療養管理指導」です。

よく私は、入居者のご家族から、この施設に出入りしている医療機関とは何らかの契約をしているのかを、よく尋ねられました。

私の勤務している施設では、医療機関名をHP上に記載することがあったことから「協力医療機関」として協定締結していることが多かったですね。

では、ここで注意しなければならない点を申し上げたいと思います。

「施設↔️医療機関」との関係は、あくまでも「協定締結」という関係であって、訪問診療を含む医療サービス自体の契約ではないのです。

医療サービスについては、あくまでも「医療機関↔️入居者」との間の直接の契約、厳密にいうと「諾成契約」なのです。 

つまり、医療サービスを受ける場合の契約主体は医療機関と入居者であって、「施設側はこの関係には入っていない」のです。

もちろん、施設側も入居者の生活に支えているのですから、医療機関との情報連携等でのサポートをしますが・・・。

では、次に前述の「諾成契約」とは何でしょうか?

例えば、皆さんが病院やクリニックで治療してもらう時に、契約書をいちいち取り交わしていますか(場合によっては同意書はあり)。

そんなこと、してませんよね。以下のやり取りが多くありませんか?

患者「先生、診てください。」(申込)

医師「分かりました。」(承諾)

つまり、この上記のやり取りが「諾成契約」ですね。

そして、最後に今回のブログでは、私はこれが言いたかったのです。

それは「訪問診療」と「往診」の言葉の使い分け。

これ、入居者やそのご家族なら、まだ分かりますが、介護現場の方々で、使い分けが出来ていない時を見受けるのです。

ここで今一度、確認しましょう。

「訪問診療」・・医師が計画的な医療サービスを行うこと。

「往診」・・医師が要請を受け、都度医療サービスを行うこと。

現に、私の勤務していた施設のスタッフでも、医師が計画診療たる訪問診療をしているにも関わらず、「先生が、往診に見えている」と発言している場合がありました。

この使い分けが出来ていないと、まずこの人「医療が分かっていない人」と、きっと思われますね~。

今回もブログ「旗本雑記帳」をお読みいただき、ありがとうございました。次回もお楽しみに❗👍️










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