バイト仲間の女子と2人っきりで帰る…だけ??
○本編
【バイト先にて】
【扉の開く音】
じゃあ、お疲れ様でしたー。
ふー…。
ん…あれ?
君、こんなとこで何してんの。
え、ちょっと人を待ってる?
…誰を?
うん?
どした?
急に黙っちゃって。
めっちゃ気になるんだけど…
え、ああ、あの先輩待ってたの?
あー…。
ふーん…なるほどね。笑
でも先輩、結構前に上がっちゃって帰っちゃったよ。
うん、あの人、いっつも時間きっかりに帰るから。
まぁ…だからさ。
今日のところは諦めて、あたしと一緒に帰ろうよ。
うん、確か、君も駅まで同じでしょ?
でしょ。
じゃ、ほら、行こ。
はぁ…お腹空いたなー…。
ね、やっぱりバイト上がりはお腹空くわー。
一応入る前に軽く食べるんだけどさ。
パン1個じゃ、微妙に足りないんだよね…。
でもこの時間に食べるのは太りそうだし。
ふふ、でも君は時間関係なくガッツリ食べそう。
いや、体型の話じゃなくてさ。
君って結構、力仕事任されてるから食べないとどんどん痩せそうじゃん。
いっつも動き回ってるし。
でも同じお給料もらってること考えると、ちょっと申し訳なくなるけど。
うん、そうね。
その分あたしは違うことはやってるけどさ。
でもすっごい一生懸命だからさ。
君。
そうだよ!
それで褒めてたよ、社員さんが。
君いると安心するーって。
みんな助かってるし、それにね…
あの先輩も、君のこと褒めてたよ?
ふふっ。
…って、あれ?
反応薄い。
嬉しくないの?
え、なんでって…。
好きなんでしょ?
今日待とうと思ってた先輩のこと。
え。
違うの!?
ふふ、なんだー…。
てっきり好きだから一緒に帰ろうとしてるのかと思った。
ふふ、違うんだ。
なーんだ、面白くないなあ。笑
ふふ、ごめんごめん。
いや、初めて君のそういう知らない一面を知れたからちょっと期待したんだよ。
それだけ。
ね、でもさ。
君は…好きな人とかいないの?
ふーん…いないんだ。
いやー?
ほんとかなー?
なんかちょっと今、いないって言うの躊躇(とまど)わなかった?
あたし、そういうの結構鋭いから。
うん、目とか見て、嘘とかちょっとだけわかったりする。
だから、なんか君…隠してるでしょ?
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