彼女にフラれ、酔っ払って荒れ気味になってたら、女友達に介抱してもらって…

○本編
【あなたの家の前にて】
はぁ…。
やっと着いた…。

ね、ほんとにこの部屋でいいんだよね？

もー…なんでこんなになるまで飲んだかなぁ…。
ほら、ちょっと鍵出して。

これ？
じゃあ、あたし開けるからね。

どうしよう…この部屋じゃなかったら。
あ、開いた。

【家のドアを開ける音】
ほら、君の家だよ。
中、入って。

うーん…。
綺麗…とは言えないか…。
いかにも一人暮らしって感じ。

まあ、まだマシな方かな。

ほら、靴脱いで。
自分で脱げます？

ふふ、はい、よかった。
もちろんなら、早く脱いでください。

わぁ、結構、盛大な脱ぎ方したね。
もー…なんであたしが君の靴、揃えてるのよ。
あたし、君のお母さんじゃないんですけど。

ほら、とりあえずベッド行って。
シャワーは明日入ってね。

ん、じゃ、おやすみ。
とりあえず、鍵閉めたらポストに入れとくから。
じゃあ、またねって、え。

ふふ、ちょっと、なんでスカートの裾握ってるの。

えー…帰んないでって。

いや、帰りますよ。
だって別にあたし、君の恋人じゃないもん。
彼女のあの子とかにしてもらってー…

え！？
別れたの！？
嘘、いつ？

あ、結構前なんだね。
ふふ、知らなかった。

え、初めて言ったの？
ふふ、あたしが1人目かぁ。

あ、わかった。
さては、ちょっと寂しいんだ。

ふふふ、ごもごも言わなくても。
ま、いいよ。
話相手くらいにはなってあげる。

というより、もう多分終電間に合わないし。
すぐ出ればギリギリ間に合ったんだけど。

ふふ、別に謝んなくてもいいよ。
とりあえずじゃあ、お言葉に甘えて、泊まらしてもらっていい？

ん…ありがと。
後で適当にソファ借りるね。

え、ふふ、いいよ。
君はベットで寝なさいよ。

だってあたしがベットで、君がソファはよくわかんなくない？

ふふ、一緒にも入りません。
だって今、一緒にベッドに入ったら何されるかわかんないもん。

とりあえず寝かしつけるまでは、ここにいといてあげるから。

ん、優しい？

ふふ、どうかなー。
あたし、誰にだって優しいわけじゃないし。

ふふっ、別に、深い意味もないですよー。

でもこれでスッキリしたなぁ。
今日の飲み会、君の彼女、来なくて
あれ？って思ったんだよね。

ま、別れて正解だと思ったけど。

あはは、辛辣だったかも。
だってなんか、あんまりいい噂聞かなかったんだもん。

あー…やっぱり浮気されたのね。
それで君は荒れ気味になったと…

ふふ、まあいいんじゃない？

別れられたんだし。
もっといい人いるよ、きっと。

ね、もしさ、あたしとかが。
君の恋人に立候補したらどう思う？

あははっ、どんな顔それ。

普通に気になっただけ。

いや、告白とかじゃなくて。
酔っ払ってないとこんなこと聞けないでしょ。

ほら、どうなの？
ほら、想像してみてよ。

ふふっ、悪くないの？

ふーん…どの辺が？

うんうん…。
ふふふ、いやあたしの想像と少し似てるなぁって。

まっ、想像のお話ですから。

ほら、そろそろ寝よ。
もしも話終わり。

でも、明日起きて、
もし君が覚えてたら…

君の彼女…ちょっと考えてあげてもいいよ。

うん、ふふ、ちょっとだけね。

ほら、もう寝よ。

おやすみ。
ソファ、借りるね。


【しばらくして】
君、寝た？

ふふ、安心して寝てる。
よかった…あの子とちゃんと別れてて。

これで、奪う必要も無くなったし。
あたし、ちゃんと大事に君の彼女になるからね。

約束。

終わり


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