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れいわ新選組・日光市議選“惨敗”の衝撃


●3期目を目指す現職「公認候補」がまさかの落選

4月11日、れいわ新選組の山本太郎代表が不定例記者会見を開いた。

この会見の大きなテーマは、次期参議院議員選挙に向けて東京選挙区の候補予定者が発表されたことだ。
同党の公認予定者として発表されたのは新宿区議会議員・よだかれん氏(50)。よだ氏はトランスジェンダーであることを公表しており、36歳の時に男性から女性に生まれ変わった。2018年の新宿区議選挙では38人中4位となる2983票を得て初当選している。全国的にも注目される東京選挙区の候補予定者がようやく発表されたことになる。

この会見で、私はもう一つ気になることを聞くつもりでいた。それは4月10日に投開票が行なわれた日光市議会議員選挙に関することだ。れいわ新選組は地方選挙にも候補者を擁立する方針を打ち出しているが、日光市議会議員選挙では、初めて現職候補に「公認」を出した。ところが3期目を目指す候補者が「惨敗」していたのだ。

4月11日の記者会見で、私はこの点について質問した。山本代表との質疑要旨は次の通り。党が発表している会見の「文字起こし」には含まれていない部分なので、改めてこちらで残しておく。

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畠山:日光市議選の話です。れいわ新選組が公認を出していた3期目を目指す現職候補の方が落選をされました。山本代表も応援に入ったと思いますが、475票で、前回その方が当選された時の1037票の半分以下に減ってしまった。
ちなみに2019年の参議院選挙時のれいわの比例得票が974.510票。昨年の衆議院の日光市の得票だと1137票。大きく票を減らしてしまっているのですが、これについて山本代表の感想、結果の受け止めをうかがえればと思います。お願いします。

山本代表:ありがとうございます。残念でしたね。日光のことに関しては、公認をおろしたのが1ヶ月もない直前だったんですね。ええと、これには、うちでその手続きをいろいろするのに1ヶ月近くかかっちゃったんです。だからそれができたとしても、もう1か月延びていたぐらいかなと思います。公認の期間があったということですね。
例えばですけども、内部の規約を変えたりとかしなきゃ。これまでは地方議員に対して公認というものをおろさないという建て付けだったので、もう選挙直前ということでそういう声があったので、じゃあ対応していくかということになって動き出したわけなんです。
けれども、やはり、一番はれいわの候補者であるということが浸透していなかったんだろうとは思います。残念ながら得票数を減らした後、もともとボーダー自体が下がっちゃってますよね。候補者が多かったので。なのでなかなか難しい部分ではあると思います。
もちろん、2019年だったりとか、衆議院選とかということを見ていた上で、日光に存在している私たちれいわ新選組としての票は、今度はクリアできるだけの票はあった、ということなんですけれども。
やはりそこに届かなかったというのは、やっぱりちょっと周知期間も短かったし、もうちょっとわかりやすいポスター等も必要だったなというふうに思います。小さく何かが入っているようなポスターだったので、そこら辺も難しかったかもしれない。掲示板を見て判断する人にとっては。やはり私自身も応援には入りましたけれども、入って感じたことは「なかなか厳しい選挙区だな」と思いました。
実際にマイクを握って車を走らせて、カラスなどもやってみて、反応とかというものを見たときに、やっぱりなかなか車社会ではあるし、やはり分散されてしまっているということもあって、なかなか駅前に立ったとしてもやはり乗降客もそんなに多くない。なかなかこれは本当に地域に根付いていきながら、一日一票を積み重ねていくことが必要な選挙なんだな。やっぱりその日常的にどれだけこれまでその任期中に有権者の方々とつながれてこれてるかということもすごく重要な選挙なんだなと。
滞在時間としては6時間ぐらい。6、7時間だったと思うんですけれども、非常にそこでも、やはりなかなか難しい選挙区だな。うん。これが一般的なんでしょうけどね。大都市以外の地方選挙というか、地方自治体選挙というのは、おそらくだいたいそのような共通点があると思うんですけれども、非常に勉強になりました。
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この質疑内容を簡単にまとめると次のようになる。

・党内の手続きに時間がかかり、公認候補と決定してからの周知時間が1ヶ月もなかった。
・れいわ新選組の候補者であるということが浸透していなかった。
・わかりやすいポスターなどが必要だった。
・地方の選挙は車社会で分散されているので地域に根づくことが必要だった。

いずれも「敗戦の要因」ではあるだろう。ただし、重要な観点が一つ抜け落ちている。それは「なぜ、票が半分以下になったのか」という点だ。

今回落選した現職候補は、前々回(2014年)は938票。前回(2018年)は1037票を獲得して当選した。過去2回は無所属で獲得した票だったが今回は475票。党の公認を得たら票が半減するというのでは、党のブランド価値にも大きく影響するはずだ。今後の地方選挙に向けて、大きな課題を残したと言えるだろう。

次の取材につなげたいと思います。よろしくお願いいたします。