ランドセル話
ランドセルが黒と赤の2色だけの時代も今や昔。
カラフルでデザインがオシャレなランドセルが増えて随分と経つ。
私が小学生の頃と違ってカラフルな小学生の登校班の後ろ姿。
毎朝のように通勤時にそんな光景を眺めているが、なんやかんやで女児のランドセルの色って、数色に集中している気がする。
まぁ私の住む地域だけなのかもしれないけど、水色やパステルカラーの紫（ラベンダーとも言うべきか）が結構多い気がするし、まだ赤も根強い人気があるように思う。
男児は黒が今も多いけど、黒以外でも青や紺、たまに茶色に集中しているように見える。
もちろんこれは私調べであって私の肌感覚なんだけど、そんな気がする。
そして黄色や黄緑、オレンジって意外といないんだなぁと。
たくさんの色があっても、なんやかんや特定の色に集中するのは「奇をあてらい過ぎても浮くし、無難なのもそれはそれで、ちょっとね…」といった心理でもあるのだろうか。
分からないけど。
みんなと違う物が欲しい、だけどみんなと同じ物も欲しい、そんな感じかな？（さりげなくチャットモンチーを混ぜるな）
ランドセルで思い出したけど、ランドセルにまつわる、ちょっとしたエピソードがあるんです。
みなさん、ランドセルって何年生まで使ってました？
卒業まで使ってましたか？どうですか？
私は学校側が緩くて「教科書などの必要な物が入るなら、ランドセルでなくても良い」といった方針だったので、3年生になったら普通のリュックだとか斜めがけの大きめのショルダーバッグだったりと、進学や学期の変わり目くらいで通学カバンはよく変わった。
多分この学校側の方針は、私の育った地域は貧困家庭がチラホラあったので、その配慮だったのかもしれない。
今となっては真相は分からないけど、4年生で転校したが（すぐ隣の小学校）その転校先も同じだったので地域特有の何か理由があったのかもしれない。
そんな2年少々使っただけで3年も使わなかったランドセルは、母方の祖父母が買ってくれたミッキーの赤いランドセル。
背面のクッションがミッキーの顔になっている物で、他にもミッキーがデザインされた部分が何ヶ所かあった。
別にディズニーもミッキーもそれほど好きではなかったが、他の子とはそうそう被らないデザインだったので気に入っていた。
それでも比較的早期にランドセルの使用を辞めたのは、ちゃんと理由がある。
ランドセルを背負った時に右側面にある、ちょっとした荷物なんかを引っ掛けられるフック部分を友だちとふざけて引っ張っていたら、フックが付いている帯のような部分をランドセル本体に固定している留金ごとすっぽ抜け、ランドセルに穴が開いたからだ。
（どんだけ力込めて引っ張ってたんだろうか……）
ランドセルに穴が開いた
子どもの雑な扱いとはいえ、2年少々使った程度だったのでランドセルはなかなか綺麗だったが、私は穴が開いたのが少しショックでリュックに移行したのだった。
すると2年ほど経った頃に、母の知り合いの知り合いから「中古だけど綺麗なランドセルを探している」という話が来た。
中古だけど綺麗なランドセルとはなんぞや？と思うところだが、なんでも探している方はシングルマザーで一人娘がもうすぐ小学生になるが、ランドセルを購入するお金が無い……
でも娘は小学校もランドセルも楽しみにしていて、普段から何かと我慢させているので中古といえど娘のために綺麗な物を探していたそうだ。
それを聞いた母は「じゃあ、ウチの娘のどう？2年ちょっとしか使ってなくて結構綺麗だし、穴開いてるらしいけどボンドでどうにか直るかも、それで良ければタダでいいよ」と知り合い伝いに話したらしい。
そんなシングルマザーのお母さんの話を聞いたら、小学生の私でも「是非あげよう、自慢じゃないけどなかなか綺麗だし穴は開いてるけど、ミッキーだから良いんじゃない？」と、少し誇らしげにランドセルを差し出したのだった。
（穴が開いてるのに誇らしげな小学生、ちょっとウザいな……笑）
っで、そんなランドセルが親子の元へ渡ったら「穴なんて気にならない！こんなに綺麗なんて！」と親子で喜んでくれたと後から伝え聞いて、良かったなぁと思った。
そのお母さんが中古ランドセルを探してきた中で一番状態が良かったそうだ。
中古なので、ほとんどが6年間みっちり使い上げ潰れたキズだらけのランドセルだったらしい。
そんな話を聞くと我ながら良いことしたな、2年少々しかランドセルを使わなくて良かったなと、穴が開いても結果オーライじゃん、と私も嬉しかった。
実際には本当にそんなに喜んでくれたのかは分からないが、喜んでくれたと思っておきたい。
ミッキーの赤いランドセルが浮かばれるなら、トータルで（多分）8年もの役目となったなら、きっとランドセル冥利に尽きるはずだと思いたい。
そんなランドセルにまつわる話。
もし私がこれから小学生になる子どもなら、また赤を使いたいかな。
おわる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？