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「近代マネジメントの3つの源流」

昨日は、マンガ経営戦略全史確立編で一番最初に扱われたフレデリック・テイラーのことを書きました。
生産活動について、初めて科学的管理法を提唱した…という輝かしい功績のある人です。

しかし、その集大成と言える「科学的管理法の原理」を出版したのち、経営者層はこれを、労働者に還元することなく、ひたすら労働生産性向上の道具にしました。労働者は、これに反発して「科学的管理法の導入拒否」を掲げるといった事態も生じ、労使対決を激化させたと攻めらることに。

本書の2人目に紹介されたのは、ヘンリー・フォードです。
自動車の普及に大いなる貢献をした人で、安価なフォードT 型を開発、販売するとともに、同社従業員には高い賃金を払い、「豊かな大衆」を生み出しました。
これを実現するために、作業の時間・動作分析による作業の標準化・マニュアル化の導入。さらに「徹底した分業化」と「流れ作業」を加えます。診断士試験の「運営管理」で取り上げられる生産管理は、この時に生み出されていたのですね。
しかし、豊かになった従業員たちは、単純作業に耐えられず、反発するようになりました。

以上2人の先駆者の画期的な研究と取り組みは、今日に通じる先取のものでしたが、人々の反発を招くことになりました。

本書3人目のエルトン・メイヨーは先人たちの取り組みを踏まえて実施する様々な実験に対し、仮説と異なる結果が出てくることを経験します。
その中で、「人間関係論」を見出すことになります。
これは、先人たちの研究・取り組みに誤りがあったのではなく、作業環境や効率化、待遇が改善される中で、「経済人」から「社会人」に変わっていったことを示しているとのことです。

例えば、100人の中から労働者代表的に選ばれた6人の女工さんが、賃金、休憩、軽食、部屋の温度・湿度がどう変わろうとも、条件が変わるたびに生産性を上げ続ける。2万人を面接対象に調査しようとした際、対象が多いため、そのインタビューをマネージャーに託したところ、雑談集が集まる状況になったが、同時に作業効率、業績の向上が見られた。

前者は自分たちは選ばれた人間というプライドが機能しており、後者はコミュニケーションを通じて、自分たちの不満の根源を理解したり、監督の改善を図ることが生じた…という結果が見出されたのです。

実際、今日も、進化し続ける科学的手法を導入することにより効率化を図りつつ、常に人間性に対する配慮・対処が必要不可欠です。いずれかに不足が生じるとマイナス効果が生じるのも変わっていません。
19世紀初頭に見出された「マネジメント」は今なお、大きな課題であり、また更なる発展の契機になる要的存在だと思います。

粛々と中小企業診断士の勉強をするのも大切ですが、こういうアプローチは理解向上とモチベーション向上につながるな…って思います。

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