見出し画像

あかとんぼ

いねの まわりを
すいすい およいで
あかい ゆうひに
とけて しまいそう

画像1

トンボを指にのせるのが得意だ。
特技と言ってもいいものかわからないが。

葉の上にとまっている赤トンボの前に指を差し出すと
よちよちのぼってきてくれる。

それがとても愛しいのだ。

思えば特技と胸を張って言えるものがないな。

いつも自信が無く、前回の投稿でも
自分の職業さえ具体的に書くことができなかった。

グラフィックデザイナーという職に就かせてもらっているけれど
そう書くことで、フィルターがかかるのがいやだと思ったからだ。

「デザイナーなのに、こんな絵なんだ」

などと思われるかもしれない、という不安があった。

裏を返せば、自分も他の人に対して
無意識にフィルターを通して見ているのかもしれない。

他人の目は気にしなくていいって、わかっているはずなのに。

また、自分のために思ったことを書くと言ったのに
ですます口調で書いていたり
結局のところ、人からどう思われるのかを常に考えてしまっている。

文字にすることで、こうした弱い自分がいることを知るのが
悲しいけどうれしい。

もうすぐに、もっと寒い冬がきて
トンボの姿も見えなくなるだろう。

その前に実家に帰って
赤トンボに元気をもらってこようかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?