法定相続情報証明制度 ②

法定相続情報証明制度について簡単に

もともとは不動産登記の際に相続登記の煩雑さによる登記放置が課題になっていたことから導入された制度らしいです。

 現在では金融資産の名義変更、不動産・自動車の名義変更、相続税申告と相続発生時に手続きに追われる大半のものがこの書類によってカバーされます。(一部金融機関は非対応とのこと)
 ちなみに以前からあって似たものとして「法定相続情報一覧図」というものがありますが、こちらはあくまでも説明のための付属書類であり、証明力はありません。

法務局で認証受ける公的文書ですが、司法書士等の専門家に頼まなくても自分で作成することは十分可能です(ただし、申請は相続人に限られること、申請代理人は有資格者でない場合は申請者の親族に限られます)。

 私の場合、相続税申告の関係で戸籍謄本の収集を税理士さんがやってくれていたため、その返ってきた戸籍謄本をもとに作成しましたが、法務局のテンプレートに名前と住所を入れて印刷するだけで特に苦労はしませんでした。司法書士さんに作成を頼むと10,000円~の手数料がかかること多いので少しでも費用を抑えたい場合は自力作成をお勧めします。(戸籍収集とともに作成してもらうという場合は、お願いするメリットも十分あると思います)

では、何が必要かというと

①被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
②被相続人の住民票除票
 ※なんらかの理由で何代も前のものを作る際は住民票の除票が取れない場合があるのでその場合は省略できます。
③相続人全員の戸籍謄本(抄本)
④申出人の本人確認書類
※相続登記を予定する場合は相続人の住民票もあると便利です。
法定相続情報証明に住民票の住所を記載しておくと、転居するまで住民票の代わりに住所を証明する情報として活用できます。
⑤法定相続情報一覧図
※法務局のサイトにいくつかのパターンのテンプレがあるので、それを使うと手っ取り早いです。
※ここで作成した書類をそのままスキャンして認証文つける形になるので、手書きでも受け付けてはくれますが(見た目的に)極力パソコンで作成しましょう。
※テンプレ等はこちら 法務局のサイトよりご確認ください


申し出手続き

 必要書類の作成が終わったら法務局へ提出(郵送可)してください。
管轄法務局は
・申出人の住所地を管轄
・被相続人の最後の住所地を管轄
・被相続人所有の不動産所在地を管轄
いずれかに該当する法務局であれば、自分の都合で選んで申請できます。
おおむね1週間くらいで終わると思います。(各法務局のHPに「不動産登記の完了目安」が公表されているのでそれを目安にしていました)
 不備があると電話が来ます。住民票や戸籍謄本と1字たりとも違わずに作成しないと修正指示が出ちゃいます。(私は部屋番号の「号」が抜けていたのですが、登記官の温情で向こうで手書きで加筆したうえで認証してくれました)
 一度作成すると5年間は保存されているのでその間何度でも無料で発行してくれます。(未確認ですが、用途が限られているのであまり大量に申請すると用途を細かく聞かれるらしいです)

余談ですが
 少し権利関係が入り組んだ相続登記でかつ遠方の場合に、戸籍等の書類チェックを兼ねて法定相続情報証明制度で最寄りの法務局に認証をお願いしちゃうというのは便利です。私の場合、曾祖父の代からの相続手続きをする必要があり、戸籍等がそろってるか不安だったのと、管轄が石川県で非常に遠かったので最寄りの法務局で相続関係をチェックしてもらうためにこの制度使いました。(旧民法の家督相続など、少し変化球が多かったです)

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