【KBR2022】移籍、大敗、歓喜、そして決勝戦〜その5〜

⑥決勝day2〜1回戦自戦記 最終日は楽しもうの巻〜

1/8(日)。前日の疲れはかなり残っていた。
しかしいよいよ最終章である。
解説にU-NEXT Piratesの鈴木優プロを迎えての4回戦。泣いても笑っても最後である。

1日目終了後、カントクから2日目のオーダーも発表された。僕は1回戦を任された。日跨ぎ連闘である。

ポイント状況はこうだ。優勝に向けては、首位社雀会と180.3p差。正直かなり厳しいポイント差だ。順位点だけでいうとトップラスを3回決めてようやく並びである。現実的には2着順差を4回戦とも決められれば、といったところか。

つまり1回戦では社雀会より上の着順が最低限。下になると、もう優勝は絶望的になるだろう。

1回戦の対局者は
東 友添道場チーム 友添敏之選手
南 Mintia chemin選手
西 社雀会 軽部貴之選手
北 そうぞう+ω はた
となった。

昨日解説、言わずと知れた友添プロ。NEXT2最終節の個人優勝cheminさん。アマ時代に多くのタイトルを獲得しプロになったべっしーさんこと軽部プロ。錚々たるメンバーである。

選手紹介

ガラクタポーズを決めて

あっ

せやった

昨日優さんに「明日は敬礼しますねっ!!」って言うてたん忘れてたあ!

で、慌ててのこれである。北家でカメラに抜かれてる時間が長くて耐えた。笑

というわけで、前日に配信対局を経験していたこともあるしプレッシャーのかかる条件も無いので、とてもリラックスしていた。今日は楽しむで!

東発の配牌はこちら。
うーん。メンホンチートイ…?

親の友添さんからドラの9mが早くも出てくるし、軽部さんからも中張牌がポロポロ。こら無理だ。

そうこうしているうちに軽部さんからリーチ。
いきなりアガられたくない局面だが、いかんせん手がついてこず…258mのリーチツモ中ドラドラを決められ、立ち上がりは最悪のスタートとなる。

東2局。社雀会軽部さんの攻めが続き、白・發のポンが入って中が見えていないという危機的状況に。

そんな中で手牌はリャンペーコーのイーシャンテン。しかし軽部さんが三元役の絡むソウズのホンイツの河で、既に9sが余っている状況。そこに切りづらい3sを持ってきた。3pが2枚見え。ここで中暗刻の大三元に放銃すれば早くもゲームセット。形を保ちつつチートイのイーシャンテンをキープする3p切りとした。

次巡、

セットならボケェと言っていそうである。

痛いし、入っていれば3s勝負する価値あるけど、結局リーチはできないしやむないのかなあ…。しかし、3sを勝負する価値のある手への受け入れに絞る前巡の4p切りは割とあったように思う。そこに引いた3pならば3sを勝負する手はあった。

軽部さんからドラの東が余りいよいよテンパイ濃厚。大三元も全く否定されない。

ここに友添さんから自分で切っている7mのチーが入る。

ドラの東が切れるようになったことで復活のテンパイ取り。

友添さんに刺さっても良いとは思っているのだが、解説の優さんからは差し込みに行った方がいいとのお言葉があった。

実際その通りである。ドラが字牌でそれも切られているので友添さんの打点は1000。7pはいいのだが、次巡も持ってきた7pを即ツモ切っているところは反省点。

時間をかけて友添さんへ差し込める牌を考えるべきだった。友添さんにテンパイを取り切られてノーテン罰符1500点を払う方が高いという側面もあるので、より差し込み優位だ。

軽部さんは大三元だった。危ない危ない…で終わるのではなく、差し込める材料も持っておりここは回避できる大三元だったので同じような局面で活かしたい。

続いて東3局。一刻も早く流したい軽部さんの親番、形は悪いが軽部さんの第1打の白から仕掛けていく。

しかし思ったように手は進まず。既にドラを切り出してきている友添さんから7巡目にリーチが入る。

現物がなく、形は一応イーシャンテンとなったこの形から5mを押したのだが完全にミス。自分で切っている9mが目に入っておらず1枚切れと誤認。9m3枚切れフリテンの6-9mターツを残して両無スジ5mという暴牌。たまーにこういうのを手拍子でやっちゃうのは本当に気を付けたい。一応宣言牌の裏スジ当たらない理論(なお普通にけっこう当たる)ではあるが2-5mが当然あるのでこの理論を使うなら8m切りである。

そのスジになった8mとできれば切りたくない宣言牌のスジ7mも押し出される状況に、さらにcheminさんからもリーチ。なんとか耐えて流局。思うように手が組めないまま早くも東4局親番を迎える。

供託が2本、2-4着目が競りの状況でこの局は全員アガリに来るだろう。まずまずの配牌だが仕掛けの効かない手なので、ここは他家の早い仕掛けが嫌な局面。相手に重ねられる前に、役牌の中から切り出していく。

しかしこの中をcheminさんがポン。よくない。友添さんからも2副露が入る中手牌はリャンシャンテン。きびしい。

二段目に差し掛かったところで、

テンパイ。南を狙っての南6mシャンポンリーチとした。

しかし友添さんが一発目にドラ3sをツモ切り。それをcheminさんがチー。どちらにアガられても嬉しくない。これは不利なめくり合いとなりそうだ。

実況が日吉さんなら
だー!カンチーマーーーン!と言われていそうである。でも実際カン7mに受けられるかと言われたら無理そう。

その巡目にcheminさんが500-1000は700-1200のツモアガリ。ラス目での南入となった。

南1局、副露を入れ345三色→タンヤオの1000点のテンパイを目指したが親の友添さんが終盤にリーチ。

最終手番、実は現物が無かった。
5巡目に切られている4sを再び切ってのリーチが少し気持ち悪かったのだが、1枚目の4sが早い、かつ見切れているが場に3sが1枚切られておりワンチャンスの打2sとした。無事に通って流局。

1本場は字牌が多い厳しい配牌でマンズのホンイツやチートイ、チャンタ等手が組めたときは高打点にすべく中張牌から切り出していく。軽部さんから副露が入るが、8巡目にcheminさんがヤミテンで軽部さんから2600は2900の出アガリ。

これでcheminさんがトップ目に立ち、軽部さんの点棒が徐々に削られてきた。悪い展開ではない。

南2局。手形が整った配牌を貰い、ドラの3mをメンツに2枚組み込んだ形で6巡目にこうなる。

5sか6sを切れば一旦単騎テンパイを取ることができる。が、場に5sが1枚、6sが2枚切れており47sが強いと見ていたため、ここを外す選択を取りたくなかった。ならば何を切るか。

普段、我ながら切るスピードは速い方と自負しているのだがこれは本当に難しかった。約30秒の長考。

ツイッターでアンケートを取ってみた。(ご協力いただいた皆様ありがとうございました。)

結果最も多かったのは1,2m外しだった。ドラ3mを雀頭とし3345と見て、最高形456の三色を見ることのできる一打。

僕もその選択となった。解説の優さんからも柔軟なテンパイ外しとのお言葉を頂けていて一安心。

しかし再びの何切る問題が襲い来る。

これも難しかった。約25秒長考。

これもアンケートを取ったのだが難しかったのかしてあまり投票数が伸びなかった。笑(それでもご協力いただいた皆様ありがとうございました!)

この他にリプライを頂いた方から打4mが3票、打5mが2票だった。頂いたリプライの中で、4,5mの選択として打4mとしておくと瞬間の6m引きで567変化があるというのが勉強になった。

そうぞうの大エースおしおは打3m。

未だにどれが優位か答えが出ないのでたぶんどの選択もアリなのかな。

はた選手の出した答えは3p切り。初志貫徹の456狙い。萩原さんや瑠美さんは3p切りそうだな。何を隠そう僕も三色大好きマンなのである。

次巡、4pを引いて不満だが狙いの4-7sテンパイ。リーチ時5山!

終盤にツモって1300-2600のアガリになった。道中難しい選択もあったが4-7sの良さと心中出来たのは良かった。

ラス前。現状まだラス目だがほぼ並び。

イーシャンテンの7巡目。ピンズを伸ばしての345の三色も見たいので4pは置きたい。となると自然に打4mとなった。残る受けの2-5mとカン7mがリーチを打った後も強くなる。

12巡目に2mが入る。5mが入れば打8mのテンパイ取らずと考えていたが、ここは布石を打ったカン7mでのリーチとした。

しかし同巡に友添さんからもリーチ。こういうとき、布石を打った待ちが一気に弱くなるので虚しい。

かなり分の悪そうなめくり合い。しかし2副露している軽部さんが止まる。恐らく共通の現物がなく、ならば暫定2位の友添道場チームよりも4位のそうぞうに打つ方が得と考えているのだろう。しかし間が悪く僕の待ちは僕に通りそうで友添さんには危険な牌だ。

すると、軽部さんから打ち出された5pに友添さんからロンの声。リーチピンフの2000点と打点こそ無いが、これで軽部さんが3着に。結果的に仕掛けに対しリーチでプレッシャーをかけたことで最高の並びができた。あとは全員まくるだけだ!

優勝の目が消えるか否かの大事なオーラス。並びはいいのだがあまりにも競りで、スピード勝負になるだろう。

貰った配牌。1メンツあるが正直厳しい…
ここは数牌を厚く持ち、役牌は重ねられる前に切る。基本に忠実に白から。

cheminさんから南のポン、軽部さんからは東のトイツ落としの後に8sポン。徐々に追い込まれていく。

9sが重なりターツは足りて123の三色もあるが、全て愚形でかなり苦しい。雀頭ができたところでカン2m、カン2p、ペン3sはチーのつもりだった。

奇跡へのカウントダウン。実はこの2mが最難関のラス牌であった。7pを切ってイーシャンテン!

ここで持ってきた5p。形だけなら当然ツモ切るのだが、直前にcheminさんが北を手出ししており、かなりテンパイに見えていた。軽部さんはわからないがタンヤオ仕掛けで、5pは2人とも受けがありそうな牌。一方9sは友添さんが切っておりcheminさんは鳴いていないので安全に切れる。

受け入れか。安全度か。

ここで5pを切ってロンと言われたらゲームセット。9s切りなら少し不利な受け入れになるが確実にゲームは続く。

まだこの先を見たい。後悔をしない選択をした。

口が勝手にリーチと言っていた。昂るカン2p引きでリーチ三色ドラ1のペン3sリーチ!

力んで空中ツモ切りするはた選手の図。
cheminさんにも1-4sのテンパイが入り8sを押され、軽部さんからも7pのチー。おそらくチーテンだろう。

軽部さんのチーでcheminさんのアガリ牌4sが流れ、9sが現物で8s4枚見えなので6sの方が切りやすくて耐えるとかいろんな小さな奇跡も起こっていた。

そして。

うっぴょー!
3sのことが大好きになった。
裏ドラ1枚も乗って、リーヅモ三色ドラウラの6000オール。
優勝へ望みをつなぐことができた。

しかし、まだ仕事が残っている。素点を伸ばすか、社雀会がラスのこの並びのまま終えるか。僅差の2着争いもコントロールする必要がある。

とはいえトップから落ちるのは論外なので安全に進めたい。リーチ棒を出すとcheminさんに満直条件が生まれてしまうのでリーチにも行きづらい状況。役ありのテンパイを目指したいところ。

そこで貰った配牌はこれ。ドラの7m受けはあるが役ありを目指すとなるとソウズの一通か素直な横伸びのピンフか。安全は買いながら進行したいし、cheminさん、友添さんの仕掛けには積極的にアシストしていく方針。唯一鳴かれて嬉しくない軽部さんの風牌、北から切り出した。

ドラの7mを引いて、一応イーシャンテンの形。だが、どうテンパイしても役無しになるので、ここは東はお守りに残しつつ3pの横伸びを見て浮かせ打ちの打3pとした。

6sをチーしているcheminさんからドラの7mが放たれた。ここからアシストも考えていたが、いかんせんトイメンなのでなかなか難しい。

そこに軽部さんからリーチ。最も恐れていた事態だ。

一発目に切った軽部さんの現物2pを友添さんがチー。同巡のcheminさんは西の手出しでまだノーテンの可能性が高い。

頼む、友添さんに刺され!の6m。差し込める牌がもうこれしかなかった。

しかしロンの声はかからず。友添さんは1mをノータイムで押しテンパイ濃厚だ。

なんとか差し込める牌は無かったか。友添さんの河には中張牌が6sしかなく(cheminさんがチーしている)、待ち候補が多すぎて絞り込めない上に軽部さんに危険な牌は切れない。
軽部さんが6m切りリーチで、ドラが7m。667mの6mをそんなに引っ張らないから5-8mは無いと見て8mを切る選択も無くは無かったが軽部さんにだけロンと言われてまくられようものなら全てが水の泡だ。

なんとしてもトップラスを決めなければならない3回戦ぐらいなら、勝負駆けの打8mはあったかもしれない。が、1回戦なら…まだか。

というわけで、このめくり合いに委ねる打9pになった。実際に軽部さんは688m中中に中を引いてのテンパイ。8mが当たりになるケースもあったので、さすがに無理だったか…。

直後に友添さんが4pをつかみ軽部さんへ放銃、社雀会が2着浮上という結果になってしまった。

3位に浮上はしたが、首位社雀会とは30pほどしか縮められなかった。良いトップにはなったが、優勝が遠のく要因にもなったオーラスだったのも事実だ。

ここで、はたの役目は終了。あとはチームメイトに全てを託すことになった。

その6へつづく

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