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送信する相手を間違える

LINEって便利ですよね。

相手の時間を気にせずに無料でメッセージを送ることができるアプリ。

このご時世、老若男女問わずLINEで繋がることができる上に、文字だけでなく絵文字やスタンプといったアイテムを利用できるので、自分の感情を画面に表現できる面白さも人気の理由と言えます。

誰でも使える便利なアプリですが、もしメッセージを送る際に本来送るべき相手ではなく、まったく違う相手に送ってしまったとしたらどうしますか?

状況にもよるでしょうが、もっとも送ってはいけない相手だったとしたら・・・


随分前のこと、LINEを送る相手を間違えたために内緒にしたかったことがバレてしまったというお話です。

まだ結婚して間もない頃、一人目の子どもが生まれ家族も増えたことで、新しく車を購入する流れになった。

独身の頃はカッコいい車、オシャレな車に乗ることが主流であり、何人乗りであるとか、室内空間なんかは基本的にはどうでもいい。

そんな僕も家庭を持つと、そんなわけにもいかず家族みんなが快適に乗れる車がいいと考えてはいたが、外観のデザインには多少なりともこだわりをもっていました。車種の選択する権利は僕にあったので、しっかりと吟味することにしたのです。

トヨタ、日産、ホンダ、いろんなメーカーから希望する候補をピックアップし、予算との兼ね合いを含めて、当時に新規投入されたばかりの車を購入することに決定しました。

購入すると決まった車は、外観も内装もお気に入りで何より家族がゆったりと乗れる室内空間も確保し、価格以上に満足できる車を手に入れたのです。

車を買うのは嬉しいもんで、新車であればなおさら大事にしようとする気持ちは強くなる。

子どもが幼いこともあり、家族で出かける機会が多かったので、お気に入りの車に乗り込みいろんなところへ行きました。

本当に思い入れ深い車なんですが、ある日事件は突然に起こります。

あの日の僕は仕事で、奥さんは子どもを連れて出かけていた。

車通勤ではあったが、我が家にサブとしてもう一台あった軽自動車を使用し、奥さんはメインの新車を使うという状態。

お昼ごろだったか、僕のスマホのLINEに着信の通知が鳴る。

「誰やろ?」

画面を見ると奥さんからの通知だった。

指で画面をなぞって、通知の内容を開いてみると

(車の後ろの凹みどうしたらいいやろ?)

どういうこと?何このLINEの通知?一体何が起こってるの?もしかして何かしらの事故に巻き込まれてしまったの?

とにかく直接聞くしかない、すぐに奥さんに電話してみることに。

僕「どうした?何があったん?事故った?」

ただ、この時点で奥さんの頭の中はクエスチョンマーク状態で、なんで旦那から連絡が来たかを理解できていない様子。

奥さん「え?何で知ってるの?」

僕と奥さんの会話が成り立っていない理由、それはつまり奥さんは僕にLINEメッセージを送ったのではなく、友達に送ったはずだと思っていたから。

奥さんに一体何が起こっていたのか、ことの顛末はこうだ。

この日、奥さんは息子を乗せ母親が住むマンションへ遊びに来ていた。

この集合マンションには来客用の駐車スペースが数台分用意してあるので、今回もそのスペースに駐車することになったそうだ。

バックで駐車することになるのだが、その後方には駐車スペースを示すための鉄パイプが設置してあり、それがあるという認識はあったらしいが。

残念ながら後方確認するためのバックアイカメラを装着していない、目視とアンダーミラーで確認しながらバックするしかない。

しかし、彼女は後方を見誤り鉄パイプにぶつけてしまう、車両後部のハッチバック部分は見事に凹み、やってしまったと思ったのだろう。

その時彼女がどう思ったのか、友達にこの凹みをなんとかできないか、相談することを考える。

まだ買って間もない車だし、旦那にはなんとか内緒でやり過ごそうと画策したわけです。

そして、僕に来たLINEメッセージ。

そう、彼女は旦那には内密に事を運ぶために友達に相談しようとしたLINEメッセージを、こともあろうに旦那本人に送ってしまったという、なんともお粗末というか、残念という出来事だったのです。

彼女本人は僕から電話がくるまで、誤送信してることに気づいてなかった。

帰宅後、後部が凹んだ車を見てたしかにショックだったが、逆を言えば子ども乗せた状態で、大きな事故でなくて良かったとは思ったが、LINEの件については、呆れるばかりで笑うしかない。

それにしても、LINEの友達リストの順番がどうなってたのかまでは知らないが、あの時であれば一番知られて困る旦那に誤送信してしまうのってどうなん?

ただ今回、車の件でショックはあったものの笑い話で済んだ出来事でしたが、内容によっては間違ってLINEメッセージを送ってしまうことで、とんでもないトラブルに巻き込まれてしまうかもしれないと思うと、ちょっと怖くないですか?










#2000字のホラー

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