再誕
もう一度だけオレは変われる
稲妻のような愛を知り
過去に埋もれたくないと初めて思えたオレの再誕
過去の砂浜に打ち付けられた、心情の波は乾いて気化していく
手を伸ばしたら、腕から崩れていくような現実に
オレはいつも追いやられてきたけど
死にっぱなしは嫌なんだ
何回でも生き返る
内なる炎を燃やし遂げるオレの再誕
その度に欠損を増やしていくことを知っていても
それでもオレは絶対に死んでいたくない
この世で最も単純な男だろう
世界に太陽があるのと同じくらいに
ありふれた愛をオレは取り戻す
追い抜いてしまった並木らと同じように
まだ追い越せない位置にいる木々たちを思い
一生懸命に日々をやり直すオレの再誕
明日があるとかないとか、いつだって世界はうるさいじゃないか
悩ましい日々を打ち砕くために
オレはオレ自身を奮い立たせるんだ
何のために生まれて
何のために死ぬのか
そんなことを考えるのはもっと後でいいんだ
まだやり直しの効くうちに
オレは再びこの世に生まれ直すんだ
見守ってくれる人がいても、いなくても変わらない
オレはオレ自身の腕で、掴み取る再誕