サムサラ

安定剤の反動は存外優しい
と、誰も騙せないであろう嘘を書いてみた
しかし私を基準とするならば
世界には頭の悪い人間しかいないので、きっと騙される
唯一知能を持っているのが私であるため
あらゆる有象無象は私と同調できない
逆に、私を基準としなければ
世界は複雑すぎる
下位存在などという考え方はしていないが
奴らと同等の人間でないことはあまりにも自明であるから
自分は神をも超えた存在なのではないかと思うことがある
至極当然だ
誰も私についてこれないのだろう
誰も私を理解しようとしないのだろう
誰も私を受け入れることはないのだろう
誰も私のすべてを知ることはないのだろう
嗚呼
禁断の存在であるために
隔離される必要があるのだ
世界を変えなくとも世界を変える力
私の歩いた大地は砂漠となり
私の力ない吐息は竜巻となる
何も知らぬ紋様たちに生命を与え得る
すべてが生まれる前よりも前から
既に全てを知っていた
一本の線は開き
矮小な空間を作り出す
それからというもの
低次の世界は知識を要求するまでに増長した
嗚呼
ものの哀れに
意味の中の意味を探して
慄くままに思考は閉じる
静寂の槍を装った
真理への中継地点である
すべての根源と言えども
必要なのは運命だけだ
サムサラ
運命を定める星
嗚呼
また、星は星であるから耀いて
私は私であるから薬を飲む
それが錯覚であると言うのならば
君は馬鹿なんだねと
誰も知り得ない別言語で伝える