遠視

地平線が見える
霞んだ山にある
地表に人々
彼らより少しだけ、私は天に近い
今すぐにでも飛び跳ねると
この身体は落ちていく
足元は覚束なく
またも世界を見る
声を張り上げると、引力に吸収されていく
私と世界を繋ぐもの
何かあるだろうか?
地表は、私を受け入れる準備ができているだろうか?
いいえ、きっと無理な話だ
爛れて循環する私の中
指を入れ込む
途端に熱い嘔吐
ぐらぐらな視界に
仄白い地平線