2つめの山
感染判明までが「1つめの山」だとすると、ここまではまあ、ちょっと辛めの風邪かなあというくらいだった。これで陽性なんだ、そんなふうに思ってしまった。でもそれは甘かった。
ここから数日、37度前後の熱が上がったり下がったり。8月2日(月)からが「2つめの山」だったんだなと思う。熱は高くないのに、あいかわらず悪寒はひどくなる一方。
その8月2日の月曜日に、保健所から電話があった。陽性が判明した次の日だ。といっても聞き取りとかではなく、いま患者が多すぎて聞き取り調査のタイミングが遅れるだろうという、連絡のための連絡。意味なし。
「とりあえずは自宅療養で、外出禁止です。」
「あ、はい」と答えたものの、つまりは家から出れないので、医者にも行けないということ。
奥さんがいろいろ調べてくれたんだが、いまから医者に診てもらえる、少なくとも薬を処方してもらえる可能性はほぼゼロ。基本的に自分たちのところへPCR検査に来て陽性になった患者以外は断られるらしい。藤沢や鎌倉では訪問診療というのをやってくれるという話を聞いたが、横浜ではその話はなかった。
あー、ちゃんと病院に行ってPCR検査を受ければよかった!もうそこで一歩、出遅れていたのである。
友人や奥さんの知り合いのドクターに聞くと、薬は「アセトアミノフェン」だという。市販薬だとバファリンルナとか。でも含有量が少ない。
引き出しをガサガサ、ほじくり返していた奥さんが、「あったよ!」といって置き薬を探し出した。「ニューカイテキ錠」by 富士薬品。「アセトアミノフェン」とは書いてあるんだが、、、うーん名前が弱そうだろwww
まあ結局、どれを飲んでも、あまり効かなかった。悪寒は一向に治らず、寒気で眠ることもできない。寒気でベソをかいてても何も解決しない。しかも医療からも放置されたようなものだ、自宅放置。点滴一本打ってもらうだけで、ずいぶん楽になるんじゃないかと思うんだがそれも叶わない。
まず悪寒対策ができれば、眠ることはできるはず。布団をかぶっていても寒いのだから、温めるしかない。悪寒というのは背中で感じてるはずだ。つまりあれだ!
冬場に使っていた、「足温めカーペット」。あれを背中に敷いて寝る。面積もちょうど良かったみたいで、めちゃめちゃ汗はかくが、悪寒を気にせず眠ることができるようになった。これはありがたかった。(消費電力もたった55W!)
8月2日(月)発症4日目
06:00 体温:37.2度
14:00 体温:37.2度
19:00 体温:37.2度
そういえば、パルスオキシメーターを買った方がいいんじゃないか?と思って、Amazonでポチったんだが、これは自治体から借りられるということを後から知った。この頃はSpO2(酸素飽和度)は97%あたりと、普通だった。
8月3日(火)発症5日目
05:00 体温:37.5度
12:00 体温:36.7度
23:00 体温:36.7度 酸素飽和度:97%
「2つめの山」の1週間、世の中はオリンピックの後半、毎日快晴で暑い日々だった。毎日蝉の鳴き声がすごい、のに悪寒はあいかわらずで、布団にくるまっていないと耐えられない。
ベランダに揺れる自分の洗濯物、黒いTシャツとかパンツとか日で焼けちゃうな、と思いつつも、取りこむ元気がない。ものすごい蝉の鳴き声とともに洗濯物がカラカラになったまま風に揺れるのを毎日眺めるだけだった。
昼まで休もうと思って横になると、気がつけば14時。まだ動けないな、と思ってるうちに日が暮れる。仕事しなきゃいかん、と思いつつも体が動かない。そうこうしているうちに深夜に。やばい、これは夜寝れないパターンだ。本を読んだり、仕事したりする元気はないが、悪寒は続くし眠れもしない。
地獄だ。
8月4日(水)発症6日目
04:00 体温:37.4度 酸素飽和度:97%
13:00 体温:37.3度 酸素飽和度:97%
20:00 体温:38.2度 酸素飽和度:97%
体温がはじめて38度を越えて焦る。このへんにも変曲点があったような気がする。