知識量で殴り合うクイズがもっと見たい

私は小さい頃から病気がちだったので「体力勝負では分が悪い」とかなり早い段階で見切っていた。その反面、知識とか頭の使い方の方には、比較的プライドを持っていた。学校の勉強だけではなく、クイズやパズルの類も、常識的な小学生の範疇で、そこそこ触れてきたと思う。

私が小学生の頃は「ウルトラクイズ」の司会が福澤ジャストミート朗に変わったあたりだ。「マジカル頭脳パワー」で『あるなしクイズ』が流行り、「笑っていいとも」でもクイズのコーナーがあり、「ぎみあ・ブレイク」では定期的にクイズ大会が開かれていた。クイズが流行っていたといえる時代だった。

今にして思うと、この時点ですでにクイズの方向性が「知識量で殴り合うタイプ」と「発想力に重きを置くタイプ」に分かれていたように思う。私はどちらかというと前者の方が好きだった。「こんなん知るかよ」と言いたくなるようなことを「常識ですが?」とばかりにサクサクと答えていく猛者たちを見るのが、楽しかった。たぶん、野球少年がプロ野球選手に抱くあこがれに近いものを、私はクイズ王に持っていたのだと思う。

結局、高校生になっても高校生クイズに挑むようなことはなく、「テレビをつけてクイズ番組だったら、そのまま見続けることがある」ぐらいの立ち位置で今に至っている。

ここ数日、今さらながらYoutubeで「QuizKnock」の動画を漁っている。『あの』伊沢拓司が率いる団体で、メインコンテンツは当然のことながら、クイズだ。正統派から異色なものまで多数取り揃えてある。クイズ以外の動画も割とある。

いくつか見た中で、個人的に一番面白かったのはコレ。

句読点と記号の配置だけで、問題文を推測して、当ててしまう。そのように作られた問題文だから「どこに注目すれば解けるか」という取っ掛かりは何となくわかるが、「ちょっとクイズが好きな一般人」には到底解けない。久々に「何でわかるんだ?」という感覚を味わえた。

この動画に限らず、ところどころで、彼らは「自分がどのように考えたか」を解説する。クイズに特化しているとはいえ、基本的に彼らは頭が良い。単に知識量が多いだけでなく、問題の解き方とか、未知の問題への対応方法も洗練されている。彼らがその膨大な知識をどのように運用しているのかを垣間見ることができるのも、面白いポイントの一つだろう。

検索すれば大抵のことの概略はわかる今の時代でも、「圧倒的な知識量」には十分な価値があると感じられるのが、実によい。

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