水闇ハンデスは良い文明

 初プレイは5歳の頃にスターターデッキ(のようなもの)を買ってもらった時。初めて触れたデッキはただのバニラ水単だった。次に触れたのは赤緑速攻。当時本当に純粋だった僕は、アニメ”デュエル・マスターズ"の切札勝舞に憧れていたからだ。

 転機は小学校3,4年生の頃に訪れた。たまには悪役にでもなってみるかと気まぐれで『DMC-08 「邪将!奈落エンドレス・ブラックホールデッキ」』を購入した、これが全てだった。ゴースト・タッチを唱えるたびに、相手が嫌がる顔をする。当時から捻くれの片鱗を見せていた僕は、相手の表情を見ながらハンデスをするのが楽しくて仕方がなかった。また、アナカラー型――当時はアナカラーという概念を知らなかったが――のターボランデス、つまるところマナ加速してロスト・ソウル(全ハンデス)をぶち込むという嫌がらせ全ツのデッキを愛用していたこともあった。天門で出す気マンマンだったシリウスなどの重量級ブロッカーを全て捨てさせたときには、思わず笑顔になったのを今でも記憶している。まあ、そのせいでケンカになったこともあったのだが。今ではいい思い出だ。


 超次元の頃から全く触れなくなり、時は流れて2年前。つまりそこそこ最近のことだ。デュエルマスターズを再開するキッカケになったのは、『DMSD-06 「ドルスザク・無月炸裂(むげつさくれつ)・スタートデッキ」 』だった。お世辞にもあまり強いとは言えず、同時期に発売された構築済みデッキにボコボコにされる日々が続いたが、墓地からコストを踏み倒したりして戦うのが楽しくて気にならなかった。そして何より、魔道具のイラストに描かれている魔法陣を組み立ててドルスザクを出すのが僕の中二心に火をつけた。気がつけば、水闇ガリュ(ラビリピト型)が出来上がっていた。昔に比べれば『永遠のリュウセイ・カイザー』や『ルネッザーンス』といったハンデスメタカードが増えたこともあり文句なしに強いとは言えないが、ラビリピト→ガリュの全ハンデスが決まった時の快感は依然変わらなかった。サイゾウミストやハヤブサマルを落とした時には相手にクソムカつく笑顔をプレゼントしたほどだ。また、『DNA・スパーク』等のS・トリガー対策の為に『卍堕呪 ゾグジグス』を採用したのは非常に大きかった。詰めの際に唱えるだけで、相手が諦めた顔をしていた(例外アリ)。諦めや怒りといった悪感情ほどメシが美味い。僕はそういう人間になってしまった。あの時はラビガリュが決まり相手が露骨に嫌そうな顔をするその瞬間を見るためだけにデュエルをしているようなものだった。……まあ、今は水魔道具の傍らでしか使ってないしなんなら黒単スザクになったけれど。だって水魔道具は強いし。僕が持っているデッキ(黒単スザク、水魔道具、ターボ(笑)ゼニス、なんちゃってオーラ)の中ではぶっちぎりで勝率が高い。それでもグリペイジとラビリピトは相変わらず4差しなところに僕らしさを感じる。グリペイジ抜いて他の魔道具入れたほうが絶対強いのだが、そこは意地があるのだ。


 そして今月。『デュエルマスターズ・プレイス(ズ?)』というアプリがリリースされた。現在はリリース初期ということもあり、カードも2002年頃の最初期のものしか出ていないが、ゴーストタッチやゼリー・ワーム、飛行男といった低コストハンデス枠はすでに存在している。気がつけば、水闇ハンデスが出来上がっていた(二度目)。現在と違ってドローソースの大半を水に依存している(例外:ミスト・リエスなど)初期の環境におけるハンデスは、もはや嫌がらせの極みと言っても過言ではない。こっちはエナジー・ライトなどのドローソースで補充が出来るし、相手には手札枯渇を押し付けられる。受けにはアクア・サーファーとデーモン・ハンド等充実しており、全くもって(僕からすれば)楽しそうなデッキになっている。キーカードが足りず完成しきっているわけではないので今はソロプレイしかしていないが、完成の暁には勝ち負け関係なく嫌がらせの極みを見せつける為にプレイヤーマッチに殴り込みをかけようと思う。俺たちの戦いは、これからだ!

 ハンデス、万歳!ハンデス、最高!

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