些細なことは気にしないと教えられた話
「ガラスの仮面」の中で黒沼さんがマヤに初めて会った時、身長を尋ねます。
マヤ「156cmです。」
黒沼「意外と小さいんだな」
私は意外とあるんだ、と令和の世になってから思いました。
確かクリーミーマミは155cmだったと記憶しています。
でもクリーミーマミは誰にもチビと言われていなかったはずです。
(記憶違いならごめんなさい)
「ガラスの仮面」の中でマヤを小さいとかチビとかチビちゃん(真澄様限定)で呼ばれるシーンが多いので、てっきり150cm前後かなと思っていたのですが。
高校の卒業式のシーンでも他の学生より小さく描かれており、やはり同級生(モブ)に「チビだけどがんばれよ」みたいなことを言われています。
昭和の「ガラスの仮面」が連載されていた当時、156cmはそんなに小さかったでしょうか?
実は私も156cmです。
小さめかな、とは思いますがチビチビと連呼されたことはありません。
組体操のピラミッドでも常に下もしくは真ん中でした。
背中に激しい痛みを感じる度にピラミッドやタワーの天辺にいる身長になりたいと思ったくらいです。小さくて可愛いと言われる存在になりたいとさえ思っていました。
だから
マヤが156cmと聞いて意外と身長あるんだなと思いました。
さて、本日のお話です。
黒沼先生の「意外と小さい」発言を知らずに社会人となり、中肉中背と信じ込み会社員生活を送っておりました。
同期の女性で一人170cmの手足の長いスタイルの良い方がいました。
部長ばかりがいる部署で仕事をしている同期とは、ほぼ身長が同じだったのですが、同期は高身長の彼女を見る度に「伸びやかな四肢」という言葉は彼女のためにあるのではないか?と真面目な顔をして言っておりました。
スタイル良くて羨ましいよね、と声をかけると
「はそやmさんは面白い人が周りに沢山いていいよね」
と言われました。
どういう意味だい?
まあ、それは置いといて。
ある日、高身長の彼女と一緒にいた時に、大学時代にバリバリ運動部で活躍した同期の男性に会いました。
彼はキングジムサイズのお弁当箱を持つ男で縦横とても立派な方でした。
彼はしばらく私達と話をした後、仏様のような顔で、
「女の子って小さくて可愛いよね」
と言ったのです。
高身長の彼女が驚いて「私170cmあるんですけど?」と言いました。
彼女は高身長を嫌になると言いながら実はスタイルの良さが自慢だったのです。
私も「156cmしかないんですけど…」とおずおずと申告しました。
すると彼は仏様の顔で、
「え?170cmも156cmも同じだよ!」
とサラリと答えて仕事に戻って行きました。
190cmを超える身長の方から見ると156cmも170cmも同じに見えるそうです。
小さいとは思わないけれど、せめて160cmには届きたかったという考えに、
囚われなくなったのは彼のおかげだと今も感謝しています。
楽しく生きていければ身長なんて関係ないんです。
そうそう。160cm以下の身長のおかげで得をしたことがあります。
山手線の満員の車内は背中で囲まれるため、夜中まで起きていた高校時代は気持ち悪くなりやすい場所でした。
様々な臭いが混ざっており非常に空気が悪いのです。
テスト前で超寝不足だったある日、気分が悪くなり「うっ」となり、口に手を当てました。
すると周囲がササーといなくなったのです🙌
今までカバンが当たっても知らんぷりだったサラリーマン、
ヒールがローファーの甲にキリキリと刺さっても知らない顔のOL、
そういった輩が全て距離を置いてくれたのです。
新鮮な空気を吸えたたため吐き気は一瞬で消えましたが、
戻られると嫌なので降りる駅までずっと口に手を当てていました。
156cmは満員電車で埋もれてしまう身長ではありますが、
小技を使うと新鮮な空気を吸えます。
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