見出し画像

【うたすと2】ウチの彼ピはインプレゾンビ

本日は、毎週ショートショートnoteでお世話になっているたらはかにさんの「ウチの彼ピはインプレゾンビ」にチャレンジします。一昨日・昨日と女性目線だったので、今日は男性目線で書こうと決めました!

俺は女子の気持ちを常に考え、日々行動している。スキー場のロマンスリフトのロマンという名称は恋人を意味するんだぜ、と先輩から教えられた時は衝撃が走った。なんて素敵なネーミングなんだ!それを知ってから俺は偶然を装い、ロマンスリフトで女子と上手く乗り合わせるよう画策し、リフトが動き出した瞬間にリュックからワインとグラスを出す行動に出る。

「君の瞳に乾杯」

とウインク。逃げられない状況でのロマンチックな演出だと思ったのにリフトを降りた瞬間、全ての女子が猛スピードで降りていってしまう。上級者コースのリフトを選んだ俺の作戦ミスか?

髭は男の魅力をアップさせるものだ、との先輩の言葉に激しく同意して髭を生やしたこともあった。先輩は髭で港区女子をゲットしたらしい。しかし、毛深い俺は先輩の髭とは全く違う印象となり……女子は猛スピードで避けていく。高嶺の花を望み過ぎたのか?

フォローは大切だと言われればなるほどと思い、時間が許す限りスクロール・リプ・スクロール・リプ・リプリプリプリプリプ!俺は一度やると決めると一心不乱に実行する一途な男なんだ。しかし、いつの間にかほとんどの女子にブロックされていた。やりすぎたか?

俺は方向を見誤っていたかもしれない。もっと視野を広げるべきだ、そう考えて繁華街をフラフラさ迷い歩く。するとすぐに若い女と知り合えた。あっという間だ。彼女なんて簡単にできるんだな。彼女は俺のことを「彼ピッピ」と呼ぶ。言葉遣いにセンスを感じないか?

「彼ピッピィ~。焼肉食べたい」

そう言われ、奮発して高級焼き肉店に連れて行こうとしたのだが「1人焼き肉がトレンドだからぁ」と彼女は財布から現金を抜き去っていく。言葉遣いが変わっていると文化も違うのか?

「あいつ、マジキモイ。いっくら突き放してもすぐに蘇るの」
「ウケるうwゾンビかよw」
「ゾンビ・ビ・ビ♪」

知っていた。ワインの時も髭の時も女どもが陰で「懲りずに復活するゾンビ男」と笑っていたのを。あの女が使う彼ピッピの意味が彼氏ではないことも。どいつもこいつも俺を、俺の純情をもて遊びやがって……!

「あれえ?彼ピッピ?来たのぉ」
「生ビール飲むぅ?」
「ハイボールゥ?」

その態度が俺の中のスイッチをONにした。

「生ビ・ビ・ビ♪ハイボ・ボ・ボ♪」
「やだやだなに?キモぃ!え?ぎゃあああ!」


新宿歌舞伎町で刃物を持った男が焼き肉店で若い女性を切りつける事件が発生しました。調べによると男は「俺はゾンビでも彼ピッピでもないぃぃ!カルビ・ビ・ビ、チョレギ・ギ・ギィヒヒヒ!」と意味不明な言葉を並べており、詳細は……

彼ピを検索したら

彼ピ=彼氏
彼ピッピ≠彼氏

という説明を読んでしまって……

たらはかにさん、soundwsさん、奇妙な方向に話が進んでしまい申し訳ありません💦

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?