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競走馬個別メモ 2022 京王杯SC メイケイエール


京王杯SC 勝ち馬 メイケイエール
主な戦績:京王杯SC(G2・2022) シルクロードS(G3・2022) チューリップ賞(G3・2021)

作成日:2022.5.16

競走馬特性面 

MH1 【前半型】【前後半型】【持続型】【SP持続力型】【重馬場】
ある程度流れる展開からのSP持続力勝負向き。現状では気性面の課題が大きな要素を占めそうな感じだが、純粋なスピード勝負なら勝負になるかも
【専用メモ】出負け癖 掛かり癖・折り合い課題
【所感メモ】掛かっても意外とバテず、持続力の高さは異常? 左回り安定? 
 
作成日:2021.9.27

過去成績・データ(2022.5.16時点)

前走:京王杯SC(G2・東京芝1400m)

タイム・着順・馬場状態・着差
1.20.2 1着(良)-0.1秒差
レース展開
M(ミドル)平均型 SP持続・失速型 34.4-34.4   
平均ペースからのSP持続力勝負の展開。最後は12.2秒と落としていて、ここで中団以降で控えていた馬が揃って差し込んだ感じ。中団以降の馬でも平均寄りに流れる展開でもあり、最終的にスピード持続力を求められた展開。
     
予想コメント
重○調教○ 折り合い進境中心・1400m問題なし
【調教】バネ感じさせ
★気性面解消 1400mはベスト? 持続力の高さ生かして

個別レース回顧
【出し切る形・序盤~中盤掛かる・直線半ばで伸びる・SP持続力の高さで押し切る・大外枠克服】
【序盤掛かり気味】【中団待機・外】【4角馬なり】【直線半ばで伸びる】【最後1Fしぶとく伸びる】【G前追撃振り切る】

発馬五分も序盤から掛かり気味。鞍上が何とか抑え込もうとしているが、折り合い面でかなり苦労している感じで、3角過ぎでようやく折り合いがついて中団の外目。4角で外からジワッと押し上げて行って直線入口で外に進路を取る。直線半ばで仕掛けられて伸びを見せると、坂を上り切った地点で前の馬が止まった所を外から差を詰め、最後の1Fも後続の追撃を受けつつも何とかそのまま押し切ってゴール。

序盤から中盤まで掛かり気味でかなり折り合いに苦労している様子だったが、それでも4角の加速地点でほぼ馬なりで対応。直線は外から脚を伸ばしてそのまま後続を振り切るなどスピード持続力の高さを見せた格好。道中あれだけ掛かって…という面を考慮するとやはり持続力の高さは健在と言える。今回は大外枠で馬群に入れられず折り合いに苦労したという面もあったが、それでも最低限制御可能な部類だったと思われ、一定の末脚を引き出す事が出来ているのも評価できるだろうか。ちょっと今回は好材料と不安材料の両面を見せる形になったが、こういう形でもスピード持続力で押し切れるのはこの馬の最大の強み。

安田記念を見据えた話となると200mの距離延長は正直微妙な所と思えるが、折り合い面さえ何とかなれば距離そのものはこなせると思える。ただハイレベルのマイル戦が予想され、その中で自身の強みであるスピード持続力をどういう形で引き出せるかが大きなカギになると思う。ただ外枠から道中掛かるという形では厳しくなると思うので、やはり内枠で我慢をさせて直線のひと足と持続力を最大限に生かし切れば…というところだろうか。

陣営・騎手コメント
(池添謙一騎手)
「手応え的には直線向いた時にはいい形でありましたし、追い出したらしっかり反応して伸びてくれる馬なので、伸びてくれると信じて追い出しました。(折り合いについては)いやー、きつかったですね、1ハロン違うだけで。メイケイエールにとっては今後を占う大事な1ハロン延長だと思っていたんですけど、これまでより一番きつかったので何とかなだめながらレースを進めましたけど、僕自身もちょっとうまく乗れなかったところはありましたし、ちょっとしんどかったです」
                                   (武英智調教師)「引っ掛かっていましたね。今日は装鞍所からじんわりと汗をかいて、気負っている感じがありました。返し馬は、前回は前々回より落ち着いていましたが、枠が外でしたし心配でした。その割にはジョッキーが何とか抑えてくれましたし、抑えられた部分も多少ありました。他の馬とは違って、少しずつ勉強している感じの馬で、一生懸命走っています。ヴィクトリアマイルはどうかという声もありましたが、そんなに簡単な馬ではないので、慎重にここまで持って来られればと思っていました。秋はセントウルS辺りで始動するイメージですが、今後は馬の様子を見て考えたいです」

2走前:高松宮記念(G1・中京芝1200m)

タイム・着順・馬場状態・着差
1.08.4 5着(重)0.1秒差
レース展開
H(ハイ)前半型 SP持続・失速型 重馬場 33.4-34.9
序盤から流れる展開のSP持続力勝負で、重馬場という条件で前半が33.4秒だからかなりのハイペース。その中で直線は11.5-12.4秒という失速ラップで、中団以降の位置から脚を貯めて直線上手く馬群を捌けた馬が上位に来た印象。

予想コメント
調教○ 愁眉開き更に・好結果を
【調教】ますます快調
★気性難解消傾向 バテない強みで 出し切る形なら

個別レース回顧
【出し切る形・終始大外回る競馬・G前猛追も届かず・上位馬とはコース取りの差・大外枠響く?・気性難解消】

【出負け】【リカバー・中団待機・外】【4角外から動く】【直線入口で大外】【直線ジリ伸び】【最後1F外から伸びる】【G前大外強襲も・5着】

出負けも早い段階でリカバリーして中団の外目を追走。3~4角を外を回す格好から4角で動いて直線は大外へ。直線は追われてからの伸びがジリジリだったが、残り1Fで前の馬が苦しくなった所に大外から一気に差を詰めてゴール前を賑したが0.1秒差及ばずの5着まで。

出負けなどもあったがリカバーも効いたしそこまで致命的なものでも無かった。勝負所で外々を回る形にはなったが、後半型の競馬に徹した甲斐があって最後は外から力強く伸びたが僅かに及ばず。上位馬の殆どが内目を立ち回った馬であり、結果的に大外枠から終始外を回る形になったコース取りの差が出たという内容だろう。特に折り合い面で問題はなく終始コントロールされた競馬だったし、5着とは言え僅かに0.1秒差という事を考えるとこの馬の能力は出し切っていると見ていい。 

ただシッカリと折り合えていたという点を考えるともう少し内枠だったら…という気がしないでもないが、大外枠で折り合って直線もスムーズさがあったからこその0.1秒差の5着という気がしないでもない。まぁ結果論に過ぎないしどちらとでも取れる内容なので、今回は仕方のない結果と言えるかもしれない。ただこれで2戦連続で気難しさ見せなくなっているし、気性面に関しては完全に克服できたと見ていいかもしれない。

陣営・騎手コメント
(池添謙一騎手)
「内が有利の馬場で、今日の結果はしょうがない感じです。あれ以上内には行けません。直線ではこの馬だけ外から伸びています。馬は落ち着いてレースに臨めるようになり、我慢できるようになっています。力負けはしていません。悔しいです」

3走前:シルクロードS(G3・中京芝1200m)

タイム・着順・馬場状態・着差
1.08.1 1着(良)-0.1秒差
レース展開
H(ハイ)前半型 SP持続型 33.6-34.5 
やや流れる展開からのSP持続力勝負。ハイペースではあるが1200m戦にしては意外とペースは落ち着いた部類に入り、直線半ばで僅かながら加速も問われた形で最後の1Fも11.8秒と大きく落としていない展開。

予想コメント
重○【休み明け初戦】折り合いだけ・ホライゾンネット着用で
【調教】気性成長
★休み明け初戦 復調気配見え 左回り対応カギ 外枠希望? 気性面課題

個別レース回顧
【出し切る形・折り合いスムーズ、気性難解消?・前後半型の競馬で総合力の高さ見せる・直線加速見せる・完勝】
【好位追走】【3~4角内通す】【直線伸びる】【最後1F先頭】【最後1Fしぶとく伸びる】【完勝】 

発馬五分からジワッと先行して好位追走の形。道中の折り合いがシッカリとついて楽に好位追走の形で、直線満を持して追われると内目からスッと抜け出してくる。最後の1Fで先頭に立つとしぶとく伸びきって後続を寄せ付けない形でそのまま押し切り勝ち。

今回からホライゾンネット着用との事で、いつもの気性面の難しさを見せずに道中の折り合いがついて運べたのは大きいし、その中で持ち味のスピード持続力を生かし切った形の競馬。この馬がこういう形で真面な内容を見せたのはほぼ初めてであり、これが本来の姿かどうかの判断が難しいところ。スピードの持続力はすでに見せて来たので驚きはないが、今回は直線の坂の付近で加速を見せて抜け出しているし、意外(?)と総合力の高さという面を見せて来たと思う。目標であると思われる高松宮記念に向けてて最高の内容と結果を残したことになるが、本番でも同じように落ち着いて走ることが出来るのかどうかが最大のカギだろう。アラ探しじゃないけど、今回があまりにも真面過ぎたのがちょっと気になるのだが…。

陣営・騎手コメント
(池添謙一騎手)
「厩舎陣営がこの馬と立て直そうとしてね。その話も聞いていましたし、見ていましたし、それが報われて良かったとホッとしています。内枠が決まってから、どうしようと思っていたが、腹をくくっていきました。レース前まで折り返し(手綱)を付けていた。本番では外す予定だったが、直前でこのままいこうという話になった。パシュファイヤーを付けた効果もあって上手に走ってくれた。しっかりレースすれば力のあるところを見せてくれた」
(武英智調教師)「折り返し(手綱)も取る予定だったが、返し馬の終わった感じでジョッキーに任せた。調教でやってきたことと、今回新しく付けた馬具がやっとマッチした。4コーナーを回るときに折り合って、馬群の中で競馬ができた。前哨戦としては最高の競馬だったと思う。(高松宮記念では)今回以上の状態に持っていって、いい結果を出せたら」

過去見所レース(ベストレース)
2021.03.06 チューリップ賞(G3・阪神芝1600m)

タイム・着順・馬場状態・着差
1.33.3 1着(稍重)-0.0秒差
レース展開
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予想コメント
重○【休み明け初戦】潜在能力高く・TRの競馬をして
【調教】仕上がり良好
★休み明け初戦 ゲート課題 真面なら勝ち負け必至の馬だが

個別レース回顧
【中団待機・内→好位→ハナ奪取】【序盤から掛かり気味】【4角馬なり】【直線しぶとく伸びる】【最後1F脚止まる】【G前接戦制す・同着】

控える競馬を試みようとしたが序盤から制御不能レベルで掛かり通し。3角過ぎでハナに立ってその後はスムーズに運べたが、序盤は遅いペースだった事もあるのだが、あの道中掛かり通しの内容はやはり今後も問題になりそう。ただあれだけ掛かり通しての内容で、しかも自身が3角過ぎで動いて行ったので結果としてロングスパート戦という展開に。その中で最後まで極端にバタッと止まらずに、想像以上に粘り通してしまう所がある種この馬の良い所。この展開でこの馬を差し切れない他馬のレベル云々の話になってしまう可能性もあるが、後半の持続力(SP持続力も含む)の高さは認めざるを得ないだろう。 

本番の桜花賞はもう少し序盤のペースは上がると思うので少しはマシになるとは思うが、今回と同じく内枠を引き当てた際にどうなるかがポイントになりそう。この馬の場合、外枠で進めた方がいろんな意味で助かると思う。

陣営・騎手コメント
(武豊騎手)
「勝つには勝ちましたけど、正直、いい勝ち方ではなかったですね。次に向けてさらに課題が大きくなった。(直線の粘りについては)その辺は地力だと思いますが、すっきりと勝ちたかったですね。実力はある馬。難しいところはありますが、課題が修正できれば」

(武英智調教師)「よく勝ったな、という感じです。思いのほかスタートで出て、収まるところがなかったです。前に馬がいるとムキになるようです。本番は頭数も多くなり、もっとペースは速くなると思いますが、スタートで出るようなら正攻法の競馬でも良いのかもと思います。力は相当ある馬です。本番までになんとかしたいと思います」

【競走馬個別データに関する注意事項】

☆ここで掲載している競走馬個別メモは個人的な予想メモと見解を纏めたものです
☆予想コメントと調教は当時の専門紙のもので、★欄のコメント、レース回顧は羽柴の個人的なメモになります。
☆各種コメントは主に重賞レースのものになります。オープン、条件戦などは予想、レース回顧をしておりませんし、騎手コメントもありません

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