過去の思い出 1994年 第46回 阪神3歳牝馬S


過去のレースの思い出、馬券自慢を勝手に語ってみる企画。
今回は1994年に行われた阪神3歳牝馬S(現材の阪神ジュベナイルフィリーズ)を振り返る。


当時は3歳馬(現在の2歳馬)限定の重賞レースも今ほど多くなく、さらに牝馬限定戦のレースが殆どなかった時代。その為にOP勝ちや重賞勝ちの実績は牡馬を破っての勝利という事になり、牝馬限定戦では大きな強みにもなっていた時代。

その中で小倉3歳S勝ちのエイシンサンサン、デイリー杯3歳S勝ちのマキシムジャレードらを押しのけての1人気となったのが、いちょうSを勝った武豊騎乗のヤマニンパラダイス。これに続く2人気が京成杯3歳S(現在の京王杯2歳Sにあたる)で2着だった南井克己騎乗のエイシンバーリン

レースはエイシンバーリンが序盤から澱みの無い流れで引っ張る展開で、中団にヤマニンパラダイススターライトマリーが控える形から4角手前から動いて行く展開。逃げるエイシンバーリンは直線入口で後続を突き放して完全な逃げ切り態勢に入ったかに見えたが、最後の坂の付近で脚色が鈍ってしまい、そこに外からヤマニンパラダイスが差し込む形。2着はヤマニンパラダイスと同様に中団から直線外から伸びたスターライトマリーで、逃げたエイシンバーリンは3着だったが4着以下には0.4秒の差をつける内容だった。

この時の私の応援馬は2人気で3着となったエイシンバーリン。なんせ鞍上が大好きな南井騎手であり、当時の私の思考回路では鞍上だけで当然の◎馬であったが、それ以上に応援の気持ちが強い状況でもあった。それは1994年当時の南井騎手は絶好調というかノリにノっていた。三冠馬ナリタブライアン、この阪神3歳牝馬Sの前週に行われたJCをマーベラスクラウンで勝つなどこの年のG1レースでの勝利を積み重ねていた状況。このレースを勝てばこの年G15勝目となり、有馬記念もナリタブライアンで制すれば(後にそうなるのだが)G1を6勝という事になって当時の年間G1勝利新記録となるはずだった。

しかしレースでは直線最後の坂の付近で脚色が鈍って3着敗退。直線半ばまではエイシンバーリンが先頭で「そのままぁっ!!」と叫んだが、最後の1Fは鞍上南井騎手のムチに応えられずヤマニンパラダイスに差された時は悔しかったなぁ…と今でも思い出す。挙げ句の果てにスターライトマリーにまで交わされて3着になった時は、私自身が入れ込み過ぎたせいもあってかなりショックを受けたのを覚えている。

馬の方に話を戻すと、このレースを勝ったヤマニンパラダイスはこれで3連勝。しかも新馬戦(1.08.2)、いちょうS(1.34.7)、阪神3歳牝馬S(1.34.7)と3戦連続レコードタイムで勝つという偉業を達成となった。翌年以降の活躍も期待されたが、元々外国産馬でクラシックに出られない事もあり始動をNZT4歳Sとしたがそこで1人気の支持を得ながら惨敗。後に故障も判明して長期休養に入り、96年春に戦線に復帰するもその後は殆ど結果を残せず。96年暮れのポートアイランドSで久々に勝利を挙げ、翌年の京都牝馬特別でエイシンバーリン相手にクビ差の2着で復調気配を伺わせる。次走もマイラーズCで1人気に支持されたが3着敗退と、あと一歩届かないレースが続くことになる。97年夏にマーメイドSに向けて調整中に骨折してしまい、そのまま現役を引退。繁殖牝馬としては初年度にヤマニンセラフィム(京成杯勝ち馬)を輩出した。

2着だったスターライトマリーは翌年クイーンCで1人気の支持を得て6着惨敗すると、その後は大敗続きと低迷。阪神3歳牝馬S以降のレースはすべて勝ち馬から1.0秒差以上の大敗が続き、96年以降はすべて勝ち馬から3秒以上の差がつく大敗続き。後に繁殖入りするも活躍馬は送り出せないまま終わっている。

私の応援馬で3着だったエイシンバーリンはこのレースの後にフェアリーSで2着した後にクイーンC、アーリントンCと重賞を連勝する活躍を見せるが、アーリントンC後に足元の様子が思わしくなく長期の休養に入る。96年秋に復帰も思うように結果を残せなかったが、97年の京都牝馬Sで阪神3歳牝馬Sで後塵を拝したヤマニンパラダイスを封じて復活の狼煙を上げる。その後スプリント路線に本格的に参戦し、シルクロードSで当時の日本レコードの1.06.9というタイムで勝利してスピード面を見せつけることになる。しかしその後高松宮記念で2.3着に入るなどの好成績を残すが、勝ち鞍を上げることは出来ず。98年のスプリンターズS(10着)を最後に現役から退いた。

その他ではこのレースでは5人気の6着に終わったエイシンサンサンはその後長らく低迷が続くも97年秋に突如重賞で好走を見せ始め、97年のエリザベス諸王杯では3着に食い込む好走を見せる。その後香港ヴァーズにまで参戦するになるがここで12着敗退後に引退。繁殖に上がってからは比較的好調で、桜花賞3着馬のエイシンリターンズ、京都ジャンプS勝ちのエーシンディーエス、阪神スプリングジャンプ勝ち馬のエイシンニーザンなどを輩出している事になる。


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