丸田麻保子詩集『あかるい時間に』を読む 。 夢の詩であっても、いたずらに幻想性をもたせず、ふだんの言葉をつむぐ。嘆息したのは『みずうみ』。 どこから来たのか わすれてしまいそうになる 覗きこんでは 瞳をそらす ここに来たことを 思い出しそうにそうになるの 題詩の散文詩もいい
丸田麻保子詩集『カフカを読みながら』を読む。書物や映画からの随想詩もよいが、夢とうつつのあわいにたゆたう詩こそ真骨頂。 列はすこしずつ進んでゆく 遠くがかすかに あかるんできて なんだかさびしくなった このひとたちがいとおしくおもえてならない 「行列」 十四行詩が似合いそう。