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カポーティの純粋さと孤独は、まるでガラス細工のよう。壊れやすいがゆえに透明で、いつも向こう側が透けて見えてしまう。向こうは彼岸でおそらくは死の世界。どうかこちら側にい続けてくれたら、と、いつも願わずにはいられない。もう向こう側にいる彼と、ガラスを挟んで微笑みあっているというのに。

親愛なるカポーティ。あなたは生きているうちに、一瞬でも、光に手が届きましたか?そんな瞬間があったのなら私も嬉しい。そういう私はまだだけれど、私の元にも耳を澄ませることのできる囁きが届く日を信じて、もう少し生きてみようと思っている。もう少し、もう少し、と言い続けて、諦める気はない。