加藤一二三名局集14局目▲加藤△坂口。 細かいリードを重ね続ける手組が素晴らしく、持ち駒に金桂歩2枚とあるが、決めきる手段が難しい。 ▲5四歩からさらにリードを広げる構想で、以下△6五歩▲5六飛△4三金の交換を入れてから▲1六桂。 ソフトは攻め将棋なので▲5四歩の交換を入れない。
加藤一二三名局集32局目▲加藤(一)△加藤(博) 図から▲4五歩と仕掛けて有利になった。 以下△7五歩▲4四歩△同金▲4五歩△4三金▲4六角と好位置に角を設置、7筋の仕掛けを逆用して4六の角でB面攻めを開始。こうなったら加藤一二三は負けないと思える受けの強さを見せる。
加藤一二三名局集31局目▲加藤△升田 時代だろうか、対振りの戦法に矢倉を使うのは古臭さを感じさせる。 △2二飛と待ちの姿勢はいかにも振り飛車らしい 先手はここで▲3七銀と体制立て直しから△4五歩▲4六歩△同歩▲同銀~▲4五歩~▲3五歩と銀を前進させていく。銀は営業部長。
加藤一二三名局集30局目▲西村△加藤 戦型はツノ銀中飛車に対して△6四金戦法。 この棋譜を一通り並べてわかるのだが、抑え込みの戦法で、金銀交換をせずに上部を抑え込む。 抑え込みとは、相手の駒を捌かせない事だと認識できる。ここでの指し手は△4四銀。上部に手厚くしていく将棋だった。
加藤一二三名局集29局目▲加藤△升田 ▲5五歩△同歩▲5四歩△3一角と進んだ図。 ここで▲6六銀と本譜は出た。替えて▲5五角だと△4三銀から5四の歩を回収されそうなので、攻めに厚みを持たせた手でこの攻めが中々に受けにくく、銀交換となった。この後振り飛車も巧妙み反撃して難解な形成。
加藤一二三名局集28局目▲加藤△二上 図から▲9六玉が当たり前だが好手。先手玉は桂か銀、角が入らなければ王手がかからない形。 ここから△4七と▲4四金△4六と▲4三金△同香と進んだが、渡した駒で有効な王手をかける事が出来ない。 話は変わるが、9三の銀は序盤でそうなった。序盤も強い
加藤一二三名局集27局目▲佐藤△加藤 ▲3二歩の垂らしが嫌らしい。△6四歩や△5三歩は▲8三角や▲5四歩△同歩▲5二角でどうか。 ここで△2三玉と立つ手がわかりやすかった。 下からの攻めに対しては上に逃げるという「玉は下段に落とせ」「中段玉寄せにくし」の基本に忠実な指しまわし。
加藤一二三名局集26局目▲加藤△内藤 次に△7七桂の両取りが厳しいが豊富な持ち駒で受ければ問題無さそう。 ソフト推奨手は▲7八金打だが、▲7九香が本譜。以下△8七銀不成▲8八歩△7六桂▲同香△5八角▲7九金で受けきる。 加藤一二三の受けの力は危ない橋を渡りきる受けの強さだと思った
加藤一二三名局集25局目▲加藤△有吉 ここら辺の局面はソフトの手が上下前後左右する 先手が絶体絶命に思えるが▲6六歩と我慢して△5八成桂 凌ぎきれるかどうかだが、▲2三歩成!△2四歩と進み、ここから数手、何故か▲3二とを取らない進行。おそらく厳密な手順を解説するのは余白が足りない
加藤一二三名局集24局目▲加藤△山川。 金銀の両取りで玉も薄いが、▲6四歩が間に合えば勝てそうな局面と私は見えており、▲4七桂などの犠打で耐えるのか? とか思っていたのだが、本譜はここで▲6四歩。 足を止めての殴り合いだが、結論から言えば後手は飛車を取るタイミングが訪れなかった。
加藤一二三名局集23局目▲加藤△升田 ここからの寄せが凄まじい。まず▲7一銀の詰めろをかける。△5二金で解除されて続かないように見えるが、▲6六銀が次に▲6五銀と食いちぎる手を見ている。食いちぎる手に対して角を取り返す手を用意した△4五歩に▲2四角。続きは書籍でご確認して下さい。
加藤一二三名局集21局目▲松下△加藤。 千日手含みの変化を経て下図になった。 局面は振り飛車側が▲5九角と引いた所、次に△8六歩を見せられて忙しいようだが、△7七歩と垂らす事によって▲8六歩には△9七桂成▲同香△8六飛を用意している。 その後、歩を使いと金を量産。歩だけで勝つ。
加藤一二三名局集20局目▲山中△加藤。 令和の時代は△3三角~△2二玉~△3二金の雁木から穴熊へと組み替えるのが主流だと思う。 対局時は昭和で、ここから△3三角~△2二角や、△8四飛~△8一飛と千日手含みで対応している。結局、先手番は千日手含みで対応すると結構困るという待ちの姿勢
加藤一二三名局集19局目▲加藤△北村 △5五銀と出た局面は数が足りてないが、▲3三歩から▲5五銀左と取り、▲3四銀△4四角▲3五銀。中央の銀が空振って2筋突破が出来た。 その他にも技をかける派手な将棋。見ごたえがある激しい将棋に困惑していた。受け将棋と激しい棋風の混合。
加藤一二三名局集18局目▲加藤△高島。 駒が離れた時に仕掛けるのは常識だが、上部への圧迫を狙っている対策として△6三銀なのだろう。 軽く捌こうと△5一角と引いても▲4五歩から▲5四歩などがある。 当時としては斬新な序盤の駆け引きだったのだろう。本譜は▲4五歩から仕掛けて先手勝ち。
加藤一二三名局集17局目▲灘△加藤。 次に▲4一角成~▲3一銀を見せられて忙しいようだが、△6五歩▲5七銀△6四角と好点に角を設置する。 先手は▲4六歩と受けたが△5五歩から飛車いじめに成功。 入玉含みの受けで上部脱出を図りながら寄せきって加藤勝ち。 棒銀を捌かせても勝てる。
加藤一二三名局集16局目▲塚田△加藤。 △7三角に▲5五歩と角の効きを止めたが、空間に放り込む△5六桂が素晴らしい。▲5七角と逃げる手に△4八銀の追い打ちが効き、先手は攻め合うしかなくなった。ここから△7六歩や△9五角など、鋭い寄せを見るばかりで終盤の寄せの鋭さが見どころだった。
加藤一二三名局集15局目▲加藤△大山。現在先手の角得ではあるものの、3四の銀がそっぽに行き、さらに6筋の攻めが厳しい。▲4七歩が素晴らしい手で、将来の△6六歩を緩和しつつ、▲5六銀と逃げる手を先手にするための工夫。その後、▲7六歩~▲6六角と角を脱出させて盤石に。確実に勝った局。
加藤一二三名局集13局目▲加藤△大野。局面は桂得だが、単に▲5五角は△5四飛でパッとしない。攻めの継続手段が難しいようだが、▲5四歩が次に▲8六角を見据えており厳しい。よって、一旦△4七歩▲5九銀の交換を入れてから△5四飛だが、▲4四歩△同飛▲8六角△6四歩▲5六桂と流れる攻め。
加藤一二三名局集12局目▲加藤△熊谷。先手は次に△7八金▲9八玉△7七と▲8九香△6六馬が見えており絶体絶命に思える。私は▲8九金△6六馬▲7九香を想定していた……本譜は▲6八と!△同金▲3二飛!△4二歩▲同馬!と!が付いた手が全て詰めろ。終盤の詰む詰まないの精度が高すぎる。
加藤一二三名局集11局目▲森内△加藤。飛車が逮捕されて金銀桂香だけ。歩の小技も利かないし取っ掛かりも無いので切らされたと当時は思ってたが、△5七桂が鋭い。▲同金ならば△7七香(ソフトは△7七銀を推奨)から攻めが続く。本譜は▲3九飛と逃げたが必死がかかり投了。寄せが驚くほど鋭い。
加藤一二三名局集10局目▲羽生△加藤。 図の現状は△9七歩成が見えるものの、少しだけ遅い印象がある。よって別の手を指さなければならないのだが、△4五銀!が好手。取れば△1三角が遠くの銀を睨んでいる。当然取らないが、後に△6七銀と打たれて厳しい 結果は先手が即詰みを逃して後手勝ち。
加藤一二三名局集9局目▲谷川△加藤。図で▲5一角成は△6六飛からお互いに攻め合って良いとの事。この図になる前の▲6六同金が疑問で、▲同銀だった。よって、本譜は▲4六角と自重したが、△5四銀。▲6五歩に△2七銀~△3六銀成~△3五歩で飛車角を抑える。ちなみに、ソフト曰く図は先手良し
加藤一二三名局集8局目▲加藤△中原。名人戦獲得する際の将棋で、解説で即詰みに気が付いた際に自分は「○○○○○」と言った。と、書いてあるが、実際は「うひょー」って言っている加藤先生を浮かべる……というか、そうとしか思えない。○○の部分は本書籍を買ってお確かめ下さい。図は11手詰み。
加藤一二三名局集7局▲米長△加藤。桂馬の両取りに▲6六銀右と逃げた局面から圧巻の寄せを見せる。△7七桂成に▲同金以外は△6九銀の割り打ちがあるので、▲同金だが△4七銀と打って攻めが続く。▲5七飛に△6六銀▲4七飛△5八銀と相手のかな駒がどんどん消えていき、投了図は金銀で圧迫した。
加藤一二三名局集6局目▲加藤△大内。桂銀交換ながら▲5三歩で後手しびれ、以下△1四角の反撃をするが、▲3二竜△同金▲5二歩成で駒得に成功するが、△2八飛と打たれた局面は速度負けしている様相を醸し出す。だが、加藤先生の超絶技巧の受けがさく裂し、見事受けきりに成功する。受けが強すぎる
加藤一二三名局集5局目▲内藤△加藤。後手が馬を作られる技を喰らってしまったかのように見えるが、以下△7四角▲4五角成△同飛!▲同歩△9二角打で▲3八金型を咎めている。▲3九金に△8二歩と▲8二銀~▲9一銀を消しつつ、次の△4七角成が受けにくい。ソフトの評価値は先手良し……え?
加藤一二三名局集4局目▲加藤△升田。加藤先生は対振り飛車に対しては受け将棋の一面を色濃く見せる。△4六歩に対して△4四桂▲4五銀△4七歩成があるので▲4八歩。△1七歩に対して▲3五歩と突き捨てて▲5九飛と逃げる手を用意する。成駒を使い、駒得をしていけば自然と勝てるじっくりした将棋
加藤一二三名局集3局目▲加藤△丸太。図から▲3七角△6四銀▲4六銀が地味な好手だと感じた。▲4六銀にもう一度△7五銀は▲3五銀と出れるし、△5五歩も▲3五銀と出れば速度が逆転する。よって△3六歩と角を退けるが、▲4八角と引くと相手は△7五銀と出れず、自分だけ▲3五銀の権利が残る。
加藤一二三名局集2局目。▲加藤△有吉。図は▲6五香と打ったところだが、△7二銀がどうやら正着。解説には△5二銀と引いても▲6四歩~▲6三歩成が厳しいと書いてあるが、▲6四歩には△8五歩と合わせる手をソフトは推奨している。本譜は加藤(一)が飛車をぶった切って鋭い角打ちで寄せ切った。
加藤一二三名局集を毎日つぶやく事にした。1局目は▲大山△加藤。図から▲7三歩成の飛車捨ての強襲!以下△6四歩▲4四桂△3一玉▲3二銀△同金▲5二桂成。詰めろがかかって怖い局面から△4一歩の隙間を埋める凌ぎから△1三桂▲3六銀△2五銀で逃げ道を増やしながら巧妙に反撃して勝利。