ねこねこの唄

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星の見えない夜空 見えるはずの小太り半月が どこかに隠れているはずと 目を凝らす 枯れかかった朝顔が 所在なさげに佇むベランダで 風呂上がりの身体を 秋風にさらして 噛み締める そして 願う

哀しみを 言葉にせず ただよう風に 歌をのせて 一瞬を 永遠を ともに歩む 刻み付ける ひとりで けれど 君も行くのだろう 遥かな旅 だから 怖くない

ぼろぼろになったとおもってた やつざきにされたとおもってた ぶつぶつだらけ あかあかとはれあがり かきむしるものだから よけいみみずばれがふくらんで もう いきはできないとおもってた でもね はながさくのをよろこべた ひだまりで すはだがじんじんとあたたまった

カチカチと廻るように聴こえてくる 永遠に叩かれるマシン 響くベルの音 常にお待たせ 常に謝罪 常に低い腰 終わりのない旅 幾度も幾度も繰り返すこの作業が わたしを生かしているのだから 投げ出すわけにはいかないのだ

舌にざらつく 飲み込んでもなお まとわりつく 流しきれない 拭いされない わたしを脅かす 悪魔 それは、 欲望が我慢できないときに 天使のように見えるから、 いつも後悔するの 元には戻らない

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