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海苔のアルバイト

大学生の時クラブの先輩から紹介され海苔のアルバイトをしたことがある。海苔のア
ルバイトの内容は男性は海苔が入った大きな箱を運ぶ仕事、女性は海苔検査員が選別
した海苔を等級別に箱に詰める仕事だった。
無表情な海苔検査員は海苔を手に取りじっくり観察して品質を見極め等級を決める。
海苔の等級は、色、艶、形、手触りで決まる。等級の種類は優等級、特等級、1等級
〜7等級などがあるらしい。良い等級の海苔達は高級料亭等で使われ、悪い等級の海
苔はお茶づけ海苔として使われたりする。アルバイトをしながらこの高級な海苔の行
く末を想像する。巻き寿司の海苔として使われどこの寿司屋でどんな人に食べられる
のだろう。この穴あきだらけの海苔達は我が家に鮭茶漬けとして現れるのかもしれな
い。
海苔のアルバイトの給料は9時から17時まで働いて6,000円だった。
今もどこかで海苔の選別は行われているのだろう。
くるくる寿司に行って軍艦巻きを食べる時、家で永谷園の梅茶漬けを食べる時、海苔の選別をしていた広い倉庫を思い出す。


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