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技継承の奇跡的成功を祝いたい㊗️

大学時代、山ろくのうどんが大好きだった。貧乏学生だった私は山ろくで一番安いハイカラうどんばかり食べていた。30年以上前だが天かすとワカメが載っていたハイカラうどんは290円くらいだった。寡黙な職人気質の大将としっかり者の女将さんの夫婦で営業されていた。

就職して結婚してからも時々行っていたが、ある日山ろくは突然閉店した。多分体調を崩されたんだろう。悲しかった。

その後しばらくして、多分息子さん夫婦が山ろくを再開した。久しぶりに山ろくを訪れた。店は同じだったが、味も雰囲気も別の店になっていた。まだ再開して直ぐだからかな?としばらくして再訪したが、やはり山ろくのうどんではなかった。そして再び閉店した。

私の家の近所にあたけ食堂がある。いわゆる仕出し屋さんだ。少し前からあたけ食堂で、山ろく監修〝極麺あたけ〟がオープンしていることを知っていた。実の息子も継承出来なかった山ろくうどんの旨さ。それを継承することは可能なのか?疑問だったのでずっと行くことはなかった。

しかし今日昼ごはんに山ろく監修〝極麺あたけ〟へ行こう!と思った。近所なので歩いて行った。若いご夫婦が営業されていた。釜揚げうどんを注文。12分位かかりますと若女将さんから説明された。

釜揚げうどんは麺も出汁も最高に美味しかった。残念ながらメニューにハイカラうどんはなかったがワカメうどんはあった。次回はワカメうどんを食べてみよう。先代ご夫妻の明るさと活気は感じられなかったが、うどんは先代に負けない美味しさだった。レシピはあっても技の継承は難しい。今回の山ろくうどんの技の継承は奇跡の成功例だ。本当に嬉しい。

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