鯛のあら炊きと大根
実家の向かいの家は日本料理屋だ。私が子どもの頃腕の良い料理人のおっちゃんがいた。おっちゃんは子どもがいなかったから私達兄妹を我が子のように可愛がってくれた。以前もnoteに書いたがよく私の目の前で鰻をさばき鰻丼ぶりをご馳走してくれた。
おっちゃんは店で鯛を料理に出した時必ず我が家に鯛のあらをたくさん持って来てくれた。母はその鯛のあらと大根を一緒に甘辛く煮て鯛のあら炊きを作ってくれた。骨の近くの魚の身は脂がのっていて、あら炊きにするとその脂が大根に染みこみ凄く美味しかった。
大人になり大根を入れた鯛のあら炊きを作ってみた。しかし母が作ってくれた鯛のあら炊きの美味しさには遠く及ばなかった。
冬になると実家の畑で大根がたくさん収穫できる。美味しい鯛のあらを買って帰り、母に大根がたくさん入った鯛のあら炊きを作って貰おう。考えただけでよだれが出そうになった。
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