見出し画像

公立小学校の可能性

日本の公教育を、カナダの公教育を知った後に見つめると、良くできたカリキュラムや制度であることに気づきます。

もしかしたら公教育のままシュタイナー教育を実践していく土台が、世界でもトップクラスに整っている環境なのでは?と夢見ている最近なのです。

人それぞれ好みが違うとは思いますが、ここはシュタイナー教育が好みのわたしのnote。
こんな風になったらいいな、を書き記してみたいと思うわけです。

日本の公教育とシュタイナー教育における共通点とその違い

まずは、共通点から。
・7歳になる歳に新一年生になること
・黒板があり木の机と椅子が各生徒に与えられる
・低学年のうちからリコーダーやピアニカ(鍵盤ハーモニカ)など吹奏楽器の授業があること
・家庭科/図工の授業で裁縫や調理、木工など生活にまつわる授業があること
・社会科見学で農業や食品店で働く人の様子を実際に見ること
・田植えや畑など実際に食べ物を育てる体験ができたり、キャンプへ行く(学校によってはないところも?)

細かい違いは色々とありますが、上記のことをクラス全体で体験出来るという点で共通しています。


次に違う点について。
こちらはシュタイナー学校のことをメインに書く方が読んでくださる方にわかりやすいと思いますので、わたしが知っていてグッときたことを書きます。ので、これが全てではないことご承知ください。

・リコーダーが木製(とても可愛い)

・オイリュトミーの時間がある(音を身体で感じ表現するなど、人生においてとても大切な時間だと思います)

・指編みから始まり裁縫など手仕事で習う技術の水準が高い

・4年生から弦楽器(ヴァイオリンやチェロ)を12年生まで習う

・ピアノは弾きません

・4年生からキャンプへ毎年行くので12年生になる頃にはサバイバル能力が身につく

・算数や文字の導入が特徴的で美しい(アカデミックな内容に移行した際に本領発揮するようにデザインされています)

・テストがありません

・担任の先生が7年〜8年間受け持ってくれます(もはや親より長い時間をその時期一緒に過ごしていますよね、、)

最後になりましたが、日本の小学校における素晴らしい特徴!

・あたたかい給食がある
・お掃除の時間がある
・書き方や習字の時間がある

これらはカナダのシュタイナー学校の保護者から、日本は公立小学校もとても良いんだよね、と言われる点です。


息子はカナダの公立のキンダーガーデン(小学校併設の幼稚園、義務教育に当たり、5歳になる歳に入学。)、日本の幼稚園年長、日本の公立小学校2年、カナダのシュタイナー学校2年と、様々な環境でお世話になりました。

どの幼稚園でも学校でも、短期間ながら様々な体験やたくさんの出会いと別れを経験させてもらい、親子共に成長の機会をいただいたと思います。

それぞれの環境で悩みも喜びもたくさんありましたが、振り返ると、そのどれもが血肉となっていることを実感します。

その上で、あえて、あたたかい給食が食べられる日本の公教育をベースに、そこからテスト制度を引き算して、シュタイナー教育において大切な役割であるオイリュトミー弦楽器先生や親などこどもと関わる大人の再教育(自己探求やセルフセラピーとなり得るため大人が息を吹き返す)が加えられたなら、日本のこどもたちがどんなに輝いた大人になるのだろうかと、想像せずにおれません。

日本の小学校へ息子が通っていた頃、ご近所のお父さんに小学校の先生をしている方がいました。

その方の奥さんが、公立の先生は日本一のブラックだから。と平日も休日もワンオペ育児で大変そうなお話を聞きました。

実際、息子の担任の先生も朝早くから夜遅くまで残業代もほとんどなしに毎日12時間以上学校でお仕事されている様子を見て、テストの丸つけや日々大量にこなせばならない宿題の準備やチェックは、一体誰のためなのだろう?

先生の人生をもっと実りある時間に使えるカリキュラムにならないのだろうか?

社会を構成する一人一人が、自分の人生を楽しみながらも社会貢献へと繋がるには?

わたしの人生体験からは、シュタイナー教育の現場には、そのヒントがたくさん散りばめられているように感じられます。

誰一人として取り残されない社会を創るというのは、大変なことですが

先生や親、それらに属さないすべての大人、そしてこどもたちが、この地球で暮らすひとりの人間として活き活きと人生を送ることができたなら。

日本の公教育には、その可能性が残されているはずで、それを模索することが出来ないかしらと、まずは思い描いてみているところなのです。


2020年8月2日
はしのちか


サポート、スキ、フォローすべて嬉しいです。