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“虚假种草”小紅書の81のブランド・アカウントが規制対象に

皆さんこんにちは!エンジョイジャパンの橋本です。最近、中国の各SNSプラットフォームは投稿記事に対する規制を厳しくしていて、最近では、小紅書が81ものブランド・アカウントを規制し、その結果としてブランド名を検索してもアカウントや関連記事が表示されないという事態になりました。日本では中々考えられないような出来事ですよね。本日は、規制の原因となった「虚假种草(嘘の宣伝)」についてお話したいと思います。

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2013年に設立された小紅書は、中国を代表する「种草社区(※)」です。2021年11月、小紅書は「淡马锡(タンマーシー)」「テンセント」から5億米ドルの新規融資を受け、投資後の総資産額は200億米ドルを超えました。現在、小紅書の月間アクティブユーザー数は2億人を超えており、そのうち72%が1990年代に生まれた若者で、一線都市・ニ線都市に住んでいるユーザーは50%にも達しています。

※种草社区:良い商品、良いサービスなどを共有するコミュニティ

これまで、小紅書はブランドマーケティングを行うのに重要なプラットフォームとして様々な企業で利用されてきましたが、一方で、裏で「软广(※)」、「ゴーストライター」などグレーなサービスが生まれました。

※软广:プラットフォームに広告申請を行わず、勝手に広告主からお金をもらい商品を宣伝する行為。

近年、小紅書はその投稿内容の『質』が世の中から悪い意味で注目を浴びてしまっています。2019年7月、たばこブランド(未成年に悪い影響を与えるきっかけになっていると考えられている)のマーケティング、整形美容院の嘘の宣伝、麻薬に関する記事などが小紅書で投稿されていることが判明し、アプリストアから2か月間削除されるという事態になりました。

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また、2021年10月#小紅書の代筆業務1記事4元#という話題が微博のホットトピックスに上がり、小紅書には代筆やサクラなど不適切なサービスがあるということが話題となりました。

そして、つい先週「微媒通告(ウェイメイトンゴウ)」、「鲸鱼通告(ジンユートンゴウ)」、「番茄通告(ファンチェートンゴウ)」等、多数の代筆サービスを提供するプラットフォームが、小紅書の「投诉(苦情)」により、WeChatのミニプログラムから消え、サービス提供が停止となりました。

小紅書は2021年12月16日、「虚假种草(嘘の宣伝)」に関する規制をスタートさせ、わずか1ヶ月半で「阿道夫(Adolph)」、「可优比(KUB)」、「欧德堡(Oldenburger)」を含む57のブランドと、「渝舍印象(ホテル)」、「安隅酒店(ホテル)」、「广州曙光美容医院(美容整形)」などのオフライン店舗が規制対象となり、ブランド名/企業名を検索してもアカウントや関連記事が表示されない状況となり、「表示されない」まではいかなかったが、「警告」を受けた「虚假种草(嘘の宣伝)」記事が17.26万、アカウントが5.36万にも上りました。

また、小紅書だけではなく、ショート動画プラットフォーム「抖音(Douyin)」も投稿内容に対して厳しく取り締まるようになりました。これまで「星图(スターマップ)」を通さずに広告投稿するユーザーがたくさんいましたが、現在スターマップを通さない広告投稿はトラフィック制限がかかり、露出度が低下してしまうような状況になりました。「抖音(Douyin)」の今後の動きにも注目をしておいたほうがよいでしょう。

以上、「虚假种草(嘘の宣伝)」事件のご紹介でした。中国の場合、利用ユーザー数が多ければ多いほどグレーな産業が生まれやすいため、SNSプラットフォームはこれからどんどん厳しくなるのではないかと思います。今後広告宣伝活動をする時は、これまでよりも慎重に、ルールを確認しながら実施をしていく必要があるでしょう。

気になることがありましたら、ぜひ橋本までご連絡ください。

メール:hashimoto@enjoy-japan.jp

弊社YouTubeチャンネルでは、小紅書で活躍する在日中国人KOL(インフルエンサー)8選をご紹介しています。こちらも併せてご覧ください!

「小紅書(RED)の在日中国人KOL(インフルエンサー)8選」


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