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抖音(TikTok)が美団の競合になる?抖音の新しい機能についてご紹介します

皆さんこんにちは。エンジョイジャパンの橋本です。最近、中国のとあるレストランが人気を集めました。その理由は、消費者がお会計する時に抖音アプリを開いて、グルメ系KOLが投稿した店舗の紹介動画を提示すれば、お会計から30%割り引かれるというキャンペーンを実施したからです。それだけではなく、このレストランが抖音で販売している「118套餐的团购券(118元の食事券)」のクーポン券を使う消費者も数多くいました。その結果、このレストランは日々満席の状態が続いているようです。

レストランの経営者である「张雷(チャン・レイ)」は、今年の1月に「抖音官方(抖音企業)」から「レストランの宣伝に協力したい」との連絡があったそうです。それは、企業アカウントの開設から「团购优惠活动(グループ購入の割引イベント)」の設定まで、あらゆるプロモーションメニューが全て無料で実施できるという内容でした。

それだけではなく、抖音はレストランを宣伝するために、グルメ系のKOLを起用し、レストランの紹介動画を投稿してくれました。初めてプロモーションを実施する「张雷」を安心させるために、今回のプロモーションでは、投稿動画のエンゲージメントがよかった場合は、KOLにプロモーション費用を支払いますが、逆に予想よりもエンゲージメントが低かった場合は、プロモーション費用は一切請求しないというやり方で実施されていました。

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実はこれまで张雷のレストランは、中国の生活関連サービス企業・「美団」と年間契約をしていました。しかし、「美団」に登録していても入店率は一向に伸びませんでした。抖音が最も流行っているSNSだと気づいた张雷は、抖音の力を借りるしかないと思い、今回の提案に乗ったそうです。

抖音で「探店视频(店を見に行く動画)」を投稿して7日間も経たないうちに、用意していた5,000枚分の「118双人套餐(118元のカップルセット)」のクーポン券が、3,387枚売れました。そして、動画を提示すれば30%オフという特典を使った消費者は、店舗の1日の売り上げの20%を占めました。

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抖音(TikTok)が美団の競合になる

皆さんもご存知のように、美団のメイン事業は「グルメ」です。各レストランの評価が見れたり、美団を通じてオンラインで予約が出来たり、出前サービスも利用することが出来るのが美団の特徴です。しかし、抖音は自身の利点を利用して美団の競合になろうとしています。

現在、抖音アプリの「同城页面(同じ都市ページ)」の下部に「吃喝玩乐(食べる飲む遊ぶ楽しむ)」という機能が出来ています。「吃喝玩乐」をクリックすると、「优惠团购(グループ購入割引)」「热门榜单(人気ランキング)」の2つの機能が表示されます。そして、「优惠团购」の詳細ページは、美団の機能とそっくりです。

今年の1月以来、抖音に登録するレストランがますます増えています。抖音は今最も使われているSNSで、特に好奇心旺盛の若者が集まっているため、抖音のトラフィックを利用し、店舗を紹介した方がより効果的だと思っているレストランが多くあるようです。

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抖音?美団?勝つのは?

2019年9月美団と大衆点評は、企業向けに動画機能を導入し、企業(レストラン)は動画を撮影したり、編集したりすることが出来るようになりました。しかし、この機能は入店率や予約率をあげるのに効果をもたらすことが出来ませんでした。多くの消費者は、「大衆点評はただのツールです。店舗の評価が見れればいい。なぜ大衆点評で動画を観る必要がありますか?しかも、動画だとしても料理を映すだけだから、写真と変わらないよね?」と思っているようです。

※大衆点評は美団に買収され、現在美団傘下のサービスとなっています。

ユーザーは明確なニーズ(例えば食事をする)があった時にだけ美団を立ち上げて、クーポン券を探します。しかし、抖音は逆で、例えば消費者が抖音のグルメ動画を観た際に、レストランの名前、住所などの詳細情報があれば、すぐに予約したり、食べに行ったりすることが出来ます。

抖音でコスメや洋服の紹介動画を観て買い物する行為と同じように、グルメの動画を観てそこで食べたいと思う消費者が数多くいるため、抖音は美団との差異を利用して、グルメの領域に足を踏み入れたのではないでしょうか。

抖音は美団に勝てるかどうかは、今後の動きに注目していきたいと思います。

気になることがありましたら、ぜひ橋本までご連絡ください。

メール:hashimoto@enjoy-japan.jp

大衆点評について詳しく知りたい方は、ぜひ弊社のYouTubeチャンネルをご覧ください。

【5分で分かるインバウンド】中国の超便利生活情報アプリ『大衆点評』


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